【2024年版】青梅七福神の、ロングトレイルを歩く旅(後編)

都内でも歩きごたえのある、青梅七福神めぐり。
約16kmのコースの、ロングコースです。
街中の寺あり、里山の古刹あり、丘陵歩きありの、変化に富んだコース。
前編から引き続き、魅力ある道程をガイドします。

分水嶺を抜け、山里の古刹へ、七福神の寺を訪ねる

清宝院から、延命寺へ

青梅市、清宝院・山門
清宝院・山門

前編では、東青梅駅を起点に、3ヶ所のお寺を巡りました。
今回は、清宝院から市街地の寺を巡り、トンネルを抜け、山里の聞修院を参拝し、駅へ戻るコースをご紹介します。

青梅市・清宝院の山号

清宝院の山号は「成田山」。
千葉の成田山・新勝寺と縁のあるお寺です。
成田山は、「平将門の乱」を発端に、将門を制するために開山したお寺です。

ところで、清宝院にほど近い、金剛寺にある将門ゆかりの梅の木が、「青梅」の起源。
また、戦国時代に青梅一帯を統治した三田氏は、平将門の子孫と称していました。
東国(関東)の独立(クーデター)を図った将門は、この地の英雄でした。

つまり、青梅は、将門のホームグラウンドなわけで… 清宝院は、なんというか、広島在住の巨人ファンみたいなイメージ?
そんな、アウェイな清宝院さんですが…
青梅に、成田山ゆかりの寺があること自体、興味深いですね。

青梅市の、清宝院・本堂
清宝院・本堂

清宝院は、多摩川近くのお寺。
「釣りの神様」でもある、恵比寿様が祀られているのも、頷けます。

青梅市、清宝院の恵比寿尊
清宝院の恵比寿尊

境内の奥には、カフェニウギニもあり、美味いコーヒーが頂けます。
ひと休みするのも、良いでしょう。

清宝院から、延命寺へ

清宝院を参拝したら、次は延命寺。
15分程度と、今までに比べ、グッと近くなります。
石段を下り、青梅街道(国道411号)を左へ。
「青梅市民会館南」の三叉路を右折し、市立美術館の先から、路地へ入ります。
いかにも裏路地、という道を歩くと、左手に延命寺が現れます。

青梅市の、延命寺
延命寺

延命寺は、臨済宗・建長寺派の禅寺です。
参道の石段を登り、境内へ。

延命寺は、本堂で大黒様を祀っています。

お茶のお接待も。

青梅市・延命寺のミニ五重塔
ミニ五重塔

本堂左には、小さな五重塔。
幼くして亡くなった我が子を弔うために建てた、小さいながらも木造の本格的な塔です。

宗建寺を経て、聞修院へ

青梅市・宗建寺
宗建寺・本堂

宗建寺は、延命寺の目と鼻の先。
毘沙門天を祀るお寺です。

宗建寺・山門

延命寺から参拝すると、裏から入ってしまいますが、反対側に山門があります。
宗建寺には、作家の干刈あがたさんのお墓があります。
干刈あがたさんは、青梅生まれなのですよね。

代表作の「ウホッホ探険隊」は、映画化されました。
題名に反して、離婚をテーマにした話で、旦那は田中邦衛。「北の国から」もそうですが、田中邦衛は離婚する話でも、「修羅場感」がないのは人徳?

裏宿七兵衛

宗建寺には、義賊・裏宿七兵衛の墓も。盗みを働き、貧しい人々に配ったとされる、泥棒さんです。
俊足の七兵衛を供養しに、マラソン選手も拝みに来るのだとか。

毘沙門天は、金運・開運・商売繁盛・勝運・健康長寿・厄除などのご利益があります。
恋愛系を除くと、ほぼ人生を網羅?
なお、毘沙門様は、本堂に祀られています。

ご本尊とは別に、空海(弘法大師)作とされる毘沙門天も、安置され、例年1月には御開帳。
貴重な秘仏を見学できます。
宗健寺は、浄土宗として創建され、のちに臨済宗に改宗。
真言宗を創始者・空海作の秘仏があるのが、不思議といえば不思議です。
お寺の方によれば、史料がなく、なぜ空海の秘仏があるのか、分からないとのこと。

青梅駅
青梅駅

宗建寺から、青梅宿、青梅駅付近を通り、聞修院へ。
約3km、峠超え(トンネルですが)もある、七福神めぐりの最難関?です。

聞修院付近は、飲食店やカフェがありません。
多少早めであっても、青梅駅周辺で、食事調達と、ついでにトイレ休憩もするのが吉。
青梅駅周辺は、元旦など三が日は、営業する店は少なく、駅前のセブン-イレブンとまちの駅おうめが頼りでしょう。

青梅市の、佐藤質店

昔ながらの質屋さんなどもある道を、辿ります。
小曽木街道を右折すると、上り坂が続きます。

青梅坂トンネル

坂を登りきると、青梅坂トンネル。
多摩川と荒川水系(入間川)の分水嶺を、抜けます。
七福神めぐりでトンネル、って珍しいかも。

トンネルを抜けると、緩やかな下り道となります。
人家もまばらで、急に山奥へ来てしまった気分に。

冬に時期の七福神めぐりならば、そろそろ山間は、日が傾き始める頃かも。
付近の山の雑木林が、色づく時間帯です。

青梅市、聞修院の山門
聞修院・山門

黒沢の集落に入れば、まもなく聞修院に到着。
七福神めぐり、最後のお寺です。

参道には、お地蔵さん。

聞修院・本堂

境内の後ろは、里山。
聞修院も花のキレイなお寺です。
冬だけではなく、他の季節もオススメできます。

聞修院は、曹洞宗の禅寺。
戦国時代に創建され、昔は、寺小屋もあったとか。
歴史ある寺院ですね。

青梅市、聞修院・寿老堂
聞修院・寿老堂

寿老堂は、本堂手前・左手。

青梅市・聞修院の寿老人
聞修院・寿老人

青梅七福神では、ポツンと離れた場所にありますが…

青梅市、聞修院の七福神

聞修院の庭には、他の七福神もいらっしゃいました。
ここだけで、七福神めぐりが完結できる、とも言えます。
最初にここへ参拝すれば、楽だったかな(笑)

さて、七福神めぐりも無事、終わりましたが…
駅へ、戻らねばなりません。
往路を引き返しても良いのですが、別のコースで東青梅駅へ出ましょう。
東青梅駅まで3km弱、まだまだ道のりは長い…

なお、聞修院から、都道53号を北へ900mほど進むと「柳川」バス停。疲れたらバスで、JR青梅線・東青梅駅に乗るのも良いでしょう。

聞修院近くの交差点から、中山通りへ入ります。
坂道を登ると、なんと、山の上に住宅街。
それも、かなり大規模です。
登りきると、やや平らとなります。
左手奥には、児童公園などもあり、山の上なのにちょっと不思議な気分。

住宅地を下ると、都道に出ます。
右折し、東青梅駅方面へ。
途中、右に都道と並行する交通量の少ない道があります。
こちらを通るのも良いでしょう。

なお、西多摩エリアでは、あきる野市・五日市にも七福神巡りがあります。

青梅・報恩寺では、一寺の庭で七福神巡りが出来ます。

インフォメーション

コースマップ

地図を拡大

東青梅駅 …〈24分〉… 玉泉寺 …〈1時間〉… 地蔵院 …〈40分〉 … 明月院 …〈40分〉… 清宝院…〈15分〉… 延命寺…〈1分〉… 宗建寺 …〈50分〉… 聞修院…〈50分 〉… 東青梅駅
ー計4時間40分ー

問い合わせ先

玉泉寺(弁財天)
住所… 青梅市長淵3-299
電話… 0428-22-5476
地蔵院(布袋尊)
住所… 青梅市畑中2-583-1
電話… 0428-22-4497
明白院(福禄寿)
住所… 青梅市日向和田2-395
電話…0428-22-1775
清宝院(恵比寿)
住所…青梅市大柳町1203
電話… 0428-22-7317
延命寺(大黒天)
住所… 青梅市住江町82
電話… 0428-22-3386
宗建寺(毘沙門天)
住所… 青梅市千ヶ瀬町6-734
電話… 0428-22-3580
聞修院(寿老人)
住所… 青梅市黒沢3-1578
電話… 0428-74-5411

青梅七福神会公認Webサイト
七福神の公式サイトです。

参拝時間・御巡拝について

参拝時間
各寺院とも、9:00〜16:00頃まで
通年参拝可能

御巡拝について
※色紙は各寺にて、300円で販売。
※各寺、色紙版画100円、色紙納経200円。
※納経色紙は1月のみです。

コース近辺のオススメレストラン

七福神コース周辺のレストランを、ご紹介します。
多少、回り道となるお店もあります。
※正月営業は行っていないお店もあります。ご了承ください。

玉泉寺近辺


地蔵院近辺

明白院〜清宝院近辺

延命寺・宗建寺・青梅駅近辺

東青梅駅近辺

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