都内でも歩きごたえのある、青梅七福神めぐり。
約16kmのコースの、ロングコースです。
街中の寺あり、里山の古刹あり、丘陵歩きありの、変化に富んだコース。
前編から引き続き、魅力ある道程をガイドします。
目次
分水嶺を抜け、山里の古刹へ、七福神の寺を訪ねる
清宝院から、延命寺へ
前編では、東青梅駅を起点に、3ヶ所のお寺を巡りました。
今回は、清宝院から市街地の寺を巡り、トンネルを抜け、山里の聞修院を参拝し、駅へ戻るコースをご紹介します。
清宝院の山号は「成田山」。
千葉の成田山・新勝寺と縁のあるお寺です。
成田山は、「平将門の乱」を発端に、将門を制するために開山したお寺です。
ところで、清宝院にほど近い、金剛寺にある将門ゆかりの梅の木が、「青梅」の起源。
また、戦国時代に青梅一帯を統治した三田氏は、平将門の子孫と称していました。
東国(関東)の独立(クーデター)を図った将門は、この地の英雄でした。
つまり、青梅は、将門のホームグラウンドなわけで… 清宝院は、なんというか、広島在住の巨人ファンみたいなイメージ?
そんな、アウェイな清宝院さんですが…
青梅に、成田山ゆかりの寺があること自体、興味深いですね。
清宝院は、多摩川近くのお寺。
「釣りの神様」でもある、恵比寿様が祀られているのも、頷けます。
境内の奥には、カフェニウギニもあり、美味いコーヒーが頂けます。
ひと休みするのも、良いでしょう。
清宝院から、延命寺へ
清宝院を参拝したら、次は延命寺。
15分程度と、今までに比べ、グッと近くなります。
石段を下り、青梅街道(国道411号)を左へ。
「青梅市民会館南」の三叉路を右折し、市立美術館の先から、路地へ入ります。
いかにも裏路地、という道を歩くと、左手に延命寺が現れます。
延命寺は、臨済宗・建長寺派の禅寺です。
参道の石段を登り、境内へ。
延命寺は、本堂で大黒様を祀っています。
お茶のお接待も。
本堂左には、小さな五重塔。
幼くして亡くなった我が子を弔うために建てた、小さいながらも木造の本格的な塔です。
宗建寺を経て、聞修院へ
宗建寺は、延命寺の目と鼻の先。
毘沙門天を祀るお寺です。
延命寺から参拝すると、裏から入ってしまいますが、反対側に山門があります。
宗建寺には、作家の干刈あがたさんのお墓があります。
干刈あがたさんは、青梅生まれなのですよね。
代表作の「ウホッホ探険隊」は、映画化されました。
題名に反して、離婚をテーマにした話で、旦那は田中邦衛。「北の国から」もそうですが、田中邦衛は離婚する話でも、「修羅場感」がないのは人徳?
宗建寺には、義賊・裏宿七兵衛の墓も。盗みを働き、貧しい人々に配ったとされる、泥棒さんです。
俊足の七兵衛を供養しに、マラソン選手も拝みに来るのだとか。
毘沙門天は、金運・開運・商売繁盛・勝運・健康長寿・厄除などのご利益があります。
恋愛系を除くと、ほぼ人生を網羅?
なお、毘沙門様は、本堂に祀られています。
ご本尊とは別に、空海(弘法大師)作とされる毘沙門天も、安置され、例年1月には御開帳。
貴重な秘仏を見学できます。
宗健寺は、浄土宗として創建され、のちに臨済宗に改宗。
真言宗を創始者・空海作の秘仏があるのが、不思議といえば不思議です。
お寺の方によれば、史料がなく、なぜ空海の秘仏があるのか、分からないとのこと。
宗建寺から、青梅宿、青梅駅付近を通り、聞修院へ。
約3km、峠超え(トンネルですが)もある、七福神めぐりの最難関?です。
聞修院付近は、飲食店やカフェがありません。
多少早めであっても、青梅駅周辺で、食事調達と、ついでにトイレ休憩もするのが吉。
青梅駅周辺は、元旦など三が日は、営業する店は少なく、駅前のセブン-イレブンとまちの駅おうめが頼りでしょう。
昔ながらの質屋さんなどもある道を、辿ります。
小曽木街道を右折すると、上り坂が続きます。
坂を登りきると、青梅坂トンネル。
多摩川と荒川水系(入間川)の分水嶺を、抜けます。
七福神めぐりでトンネル、って珍しいかも。
トンネルを抜けると、緩やかな下り道となります。
人家もまばらで、急に山奥へ来てしまった気分に。
冬に時期の七福神めぐりならば、そろそろ山間は、日が傾き始める頃かも。
付近の山の雑木林が、色づく時間帯です。
黒沢の集落に入れば、まもなく聞修院に到着。
七福神めぐり、最後のお寺です。
参道には、お地蔵さん。
境内の後ろは、里山。
聞修院も花のキレイなお寺です。
冬だけではなく、他の季節もオススメできます。
聞修院は、曹洞宗の禅寺。
戦国時代に創建され、昔は、寺小屋もあったとか。
歴史ある寺院ですね。
寿老堂は、本堂手前・左手。
青梅七福神では、ポツンと離れた場所にありますが…
聞修院の庭には、他の七福神もいらっしゃいました。
ここだけで、七福神めぐりが完結できる、とも言えます。
最初にここへ参拝すれば、楽だったかな(笑)
さて、七福神めぐりも無事、終わりましたが…
駅へ、戻らねばなりません。
往路を引き返しても良いのですが、別のコースで東青梅駅へ出ましょう。
東青梅駅まで3km弱、まだまだ道のりは長い…
なお、聞修院から、都道53号を北へ900mほど進むと「柳川」バス停。疲れたらバスで、JR青梅線・東青梅駅に乗るのも良いでしょう。
聞修院近くの交差点から、中山通りへ入ります。
坂道を登ると、なんと、山の上に住宅街。
それも、かなり大規模です。
登りきると、やや平らとなります。
左手奥には、児童公園などもあり、山の上なのにちょっと不思議な気分。
住宅地を下ると、都道に出ます。
右折し、東青梅駅方面へ。
途中、右に都道と並行する交通量の少ない道があります。
こちらを通るのも良いでしょう。
なお、西多摩エリアでは、あきる野市・五日市にも七福神巡りがあります。
青梅・報恩寺では、一寺の庭で七福神巡りが出来ます。
インフォメーション
コースマップ
東青梅駅 …〈24分〉… 玉泉寺 …〈1時間〉… 地蔵院 …〈40分〉 … 明月院 …〈40分〉… 清宝院…〈15分〉… 延命寺…〈1分〉… 宗建寺 …〈50分〉… 聞修院…〈50分 〉… 東青梅駅
ー計4時間40分ー
問い合わせ先
●玉泉寺(弁財天)
住所… 青梅市長淵3-299
電話… 0428-22-5476
●地蔵院(布袋尊)
住所… 青梅市畑中2-583-1
電話… 0428-22-4497
●明白院(福禄寿)
住所… 青梅市日向和田2-395
電話…0428-22-1775
●清宝院(恵比寿)
住所…青梅市大柳町1203
電話… 0428-22-7317
●延命寺(大黒天)
住所… 青梅市住江町82
電話… 0428-22-3386
●宗建寺(毘沙門天)
住所… 青梅市千ヶ瀬町6-734
電話… 0428-22-3580
●聞修院(寿老人)
住所… 青梅市黒沢3-1578
電話… 0428-74-5411
青梅七福神会公認Webサイト
七福神の公式サイトです。
参拝時間・御巡拝について
●参拝時間
各寺院とも、9:00〜16:00頃まで
通年参拝可能
●御巡拝について
※色紙は各寺にて、300円で販売。
※各寺、色紙版画100円、色紙納経200円。
※納経色紙は1月のみです。
コース近辺のオススメレストラン
七福神コース周辺のレストランを、ご紹介します。
多少、回り道となるお店もあります。
※正月営業は行っていないお店もあります。ご了承ください。
●玉泉寺近辺
●地蔵院近辺
●明白院〜清宝院近辺
●延命寺・宗建寺・青梅駅近辺
●東青梅駅近辺