二千万円もお得?リタイアしたら、田舎で暮らす、メリットとは

テレワーク時代の、「程よい田舎暮らし」を考察する、ほどいなかシリーズ
実際に「ほどいなか」に移住した経験をもとに、連載します。

人生100年時代、ともいわれる今日この頃。
100年かはともかく、リタイアしてから30年以上、月日があるのも珍しくないでしょう。
利便性を求め都会に住むか、それとも、自然豊かな田舎で暮らすか。
様々な視点から、考察してみました。

都会と田舎、それぞれのメリットで、終の棲家を考える

老後は、車のない生活を、イメージしたほうが良い

リタイアしたら、田舎で暮らそう、と考える方も多いことでしょう。
自然豊かで空気の綺麗な場所は、魅力的です。

でも、気を付けたほうが良いのは、交通の便。
公共交通機関の貧弱な場所では、車が必須です。
しかし、最近、高齢者の運転での交通事故が社会問題となっています。
75歳以上のドライバーは、認知機能検査・高齢者講習を受けなければ免許の更新が、できなくなりました。

リタイア後の生活設計をする上で、これは重要なポイントでしょう。
「免許を返納する」ことを前提に、移住する必要があります。
車がないと生活できない場所は、基本的に、選ぶべきではない、ということです。

田舎と車の話はこちらで詳しく…

【ほどいなかに住もう】その7…程よい田舎では、車は必需品?それとも不必要?

田舎暮らしは、経済的にメリットが凄い!

ならば、都会一択、かというと、そうでもありません。
もちろん、老後資金に余裕があれば、どこでも住めますが、住居費は都心が圧倒的に高い。
たとえば、東京都区内で、山手線の外側でも、2LDKの中古マンションは、3,000万円ならお買い得、くらいのイメージです。
ボリュームゾーンは、4,000万円前後でしょうか。
人気のある駅周辺ならば、そんなものでは買えません。
駅から離れれば、安くなりますが、すると都区内といえども、「便利」とは、言えなくなります。

すると、東京近郊の都市か、ある程度インフラの整った地方都市の駅前に住むのが良いのかな、と。
当サイトは、西多摩地域の地域情報ブログなので、当地の例を挙げれば…
青梅市内の駅から、徒歩2〜3分の中古マンションは、築年数にもよりますが、2LDKで1,000〜1,500万円程度。
高くても2,500万円程度です。
つまり、都心に比べて、3〜5割程度の価格、ということになります。

持ち家だけでなく、賃貸も都心は2倍以上でしょう。
仮に2LDKで、ひと月8万円程度の差があれば、更新料なども含め、年100万円程度。
なんと!
20年で2,000万円、かなり大きな金額が浮きます!
これって控えめな数字かも… 百年生きるつもりなら、4,000万円くらいお得ですから。

少し前、金融庁が老後は公的年金だけでは足りず、二千万円程度の資産の切り崩しが必要との報告書をまとめ、物議をかもしましたが。
リタイアしたら、田舎へ住むだけで、相当、経済的に楽になりますね。

もちろん、居住費だけではありません。
土地代が安いので、総じて物価も低め。
自然が豊富で、お金をかけず、レジャーも楽しめますしね。

移住で、定年時の住宅ローンを、ロンダリング?

すでに、都心で住宅ローンを組んでいる方だと…
定年時に残債があると、かなり辛いですよね。
今どきの会社って、退職金も渋いし、その上、転職経験の多い方はスズメの涙、期待薄です。
でも、田舎の住宅に買い替えをすると、即時完済も夢ではありません。

金利1.5%・35年ローンの場合、20年後で残債は半分程度。
40代で購入した方など、定年時でも、かなりローン残高があるのです。

例えば、4,000万円のマンションの残債が、定年時に2,000万円だったとします。
同程度の広さで、1,200万円の田舎の中古マンションに買い替えると、800万円の利ザヤ。
仲介手数料や諸経費を引き、引っ越し代や、リフォームをしてもお釣りがきます。

ローンを返済すれば、その後の居住費は、マンションならば管理費、修繕積立金、固定資産税のみ。
田舎は、固定資産税が安いのも魅力です。
これはもう、住宅ローンのロンダリングですね、いや、全然やましい事じゃ、ありませんが。

これは、東京の不動産の特殊性、特に都心部のマンションの、異常な高値が背景にあります。
東京都心のマンションは、2021年現在、築20年程度でも、大抵は購入時より高く売れちゃいます。
でも、郊外、というか田舎のマンションは、ガンガン値下がりしているのですよね。
築20年くらいだと、購入時と比較して、駅チカで7割、駅から徒歩10分程度だと、5割くらいの価格。
駅から遠い、時にバブル前後の物件など、可哀想な金額ですよ。

だから、田舎の物件に買い替えすると、ものすごくお得なんです!
逆にいえば、田舎の物件は、資産価値はあまり期待できず、その点はご留意を。

無借金での不動産購入は、保証人も審査も必要なく、仮に無収入でもアッサリ買えます。
地獄の沙汰も金次第、社会的信用なんて、必要ないのですね。
正直な話、賃貸を借りるより、全然、ハードルが低いのです。
高齢者を嫌がる賃貸物件が多い中、定年後の家探しでは、かなりのメリットです。

家選びはこちらでも詳しく解説しています。

【ほどいなかへ移住】…マンション?戸建て?程よい田舎の、不動産屋が言わない、家選びのコツ

田舎でも、悪い田舎と、良い田舎がある

経済的にはメリットだらけの、リタイア後の移住ですが…
移住すべき田舎にも、良い田舎、悪い田舎があります。
良い悪い、というよりも、その人にとって、向き不向きですね。
田舎といっても千差万別、自分にとって相性の良い田舎を、選ぶ必要があります。
進学や転職、結婚などと一緒、一目惚れで選ぶと、後々後悔のもと、です。

一般論を言えば…
都心で暮らした人にとって、限界集落とまではいわないけれど、人口の少ない地方の市町村への移住は、結構冒険かもしれません。
農業を営みたい、などの、確固たる理由があれば別ですが。
中には、よそ者には、閉鎖的な町もあります。

歳を取ったら、マンションのほうが楽、という人も多いでしょう。
現実問題、駅チカの物件は賃貸でも分譲でも、マンションが圧倒的に多いのが事実。
管理費はかかりますが、とりあえず、躯体のメンテナンスは、手離れが良いです。
でも、地方によってはマンションが、ほとんどない所もあります。
あっても、単身者用でエレベーターがない物件ばかり、なんてことも。

もちろん、スーパーやコンビニ、病院の充実度も地域によって違います。
パーフェクトである必要はないけれど、要点は押さえて方が良いです。

筆者の知り合いに、青梅市・日向和田駅近くへ引っ越した方がいます。
車は持っていませんが、電動アシスト自転車で、市内を飛び回っています。
正直、不便な場所ですが(徒歩圏内にスーパーが1軒、コンビニが1軒、鉄道は40分に1本程度)移住の決め手は、生協の宅配エリアだったこと、なのだそう。

なるほど、これなら生鮮食料品も、家に居ながら買えますものね。
緊急に必要なモノは、近くのスーパーで調達、かさばるものや重いものは宅配で。
アマゾンなどのインターネット通販を組み合わせれば、何でも買えます。
ある意味、合理的ですね。
おそらく、居住費は格安でしょう。
その方にとっては「良い田舎」なわけです。

移住は、ちゃんとちゃんとの、リサーチを

というわけで、リタイア後を快適に安上がりに暮らすには、程よい田舎に住むのは、良い選択です。
ただし、キチンと調べたほうが良いですよ、いや本当に。
移住先で、家を見るだけでなく、近くのスーパーや病院があるかどうかや、町の雰囲気など。
インターネットで、ある程度見当を付けて、実際に歩いて調べると、何となく分かります。

また、移住を考えている場所の、推計人口予測も調べると良いかも。
今の日本、少子化で、ほとんどに自治体の人口が減る予測です。

今、人口15万人だとしても、10万人程度に減る所など、いくらでもあります。
ならば、今、10万人程度の町が、どの程度のモノなのか、調べると良いでしょう。
実際は、そんな単純な話ではありませんが、ある程度イメージが付くかと。

多くの自治体では、推計人口を公表しています。
インターネットで「自治体名 推計人口」で検索するとヒットします。
あまりに、人口が減る地域ならば、慎重に選んだほうが良いでしょう。

市役所の近くが狙い目?

田舎町で、車無しで快適に暮らせる場所探しですが…
具体的には、まずは、市役所の近くを、目星にすると良いですよ。

市役所なんてほとんど行かないよ、とおっしゃるなかれ。
地方都市の市役所は、駅から程近い、町の中心部にあることが多いのですね。
そして、市役所近くの駅周辺って、ハズレが少ない。
郵便局の本局や銀行、税務署なども揃っています。
中核都市ならば、都道府県の出先機関もあるでしょう。
田舎では、地方行政の「関連産業」の裾野が広く、何だかんだ、役場近くは栄えるのです。

市の中心地だから、商業施設も、そこそこあります。
最近は、正直、郊外の方が充実している町も多いですが、小さめのスーパーやコンビニなどはあります。

つまり、ほぼ徒歩圏内で、生活が完結できるのです。
当然、車なしでも、無理なく暮らせます。
今風に言えば、コンパクトシティですね。
ある意味、都心より快適ですよ。
また、個人経営の飲食店も多いのも特徴。
地方の飯屋って、レベル高いです。
地縁のネットワークで仕入れた、新鮮野菜など使いますから。

駅の近くならば、飲み屋もあります。
飲んでも、歩いて帰れる訳です。
こういう小回りの効く生活って、お金もかからず便利です。

このような場所を狙うと、ある意味、都心より便利です。
もちろん、都心でも徒歩圏内で、全てが完結する所も多いでしょうが…
町の核心部がギュッと詰まった感じで、よりコンパクトで「狭くて便利」なのです。
そして、10分も歩けば、豊かな自然が広がります。

手前味噌ですが、筆者の住む青梅だと、駅から10分少々歩くと、里山があります。
それも、絶滅危惧種の花が咲いているような、豊かな自然。
地元自慢が入りますが(笑)、上の写真は、近所の雑木林、ちょっと良いでしょう。
朝早くに行くと、近所の人が犬を連れて、山を散歩していたりします。
利便性を保ちながら、それでいて、自然豊かなのですね。
なんか、心も身体も、健康的に暮らせる気がしませんか?

テレワーク時代の、「程よい田舎暮らし」を考察する、ほどいなかシリーズ
実際に「ほどいなか」に移住した経験をもとに、連載します。