【ほどいなかへ移住】遠隔連携医療で変わる?程よい田舎の、医療の今と未来

テレワーク時代の、「程よい田舎暮らし」を考察する、ほどいなかシリーズ
実際に「ほどいなか」に移住した経験をもとに、連載します。

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地方へ移転する時、やはり心配なのは、医療体制でしょうか?
病気や怪我をした際、迅速にそして適切な医療が受けられないと、不安ですよね。
都会に比べて死亡率は高いのか、また、話題の遠隔治療とは?
今回は、程よい田舎=「ほどいなか」での医療について考えてみます。

そもそも、地方のほうが、早死するのか?

平均寿命は、地方のほうが長い?

医療を語る前に…
都会と地方では、どちらが長生き出来るのでしょうか?
都道府県別の平均寿命を見てみましょう。

長寿なのは、男性は滋賀県、女性は長野県が1位です。
東京はそれぞれ11位・15位、大阪は男女とも38位です。
平均寿命は、医療だけではなく、生活習慣や環境も大きく左右しますが、「医療が充実している」といわれる都会だから、長生きできるとは限りません。

次に、死亡率を見てみましょう。
高齢者の多い地域のほうが、当然、死亡率は高くなります。
それを補正した「年齢調整死亡率」で比較すると…

一番死亡率が低いのは、男女とも長野県
東京は、男女とも13位、大阪は、男性40位、女性37位。
ちなみにワーストは、男女とも青森です。
平均寿命、死亡率とも、都会だから長生き出来るのではないですね。

急性心筋梗塞や、脳血管疾患の死亡率は?

でも、緊急性の高い病気で、すぐに医療を受けられないのは、不安ですよね。
日本の三大死因のうち、緊急性の高い心筋梗塞と、脳血管疾患の死亡率での見てみます。


急性心筋梗塞の死亡率
出典:主な死因の都道府県別年齢調整死亡率の推移(厚生労働省) 

心筋梗塞は、早期に心臓マッサージやAEDなどの措置を取ると、死亡率が低くなります。
もちろん、その心得があり、咄嗟に措置ができる人が周りに居ればよいのですが、一般的には救急車が早く駆けつけてくれるのか、がポイントでしょう。
しかし、死亡率を見ると、都会だからといって格段に低いわけでも、ありません。
もちろん、そもそも心筋梗塞を起こす人の数が違うのでしょうが、それにしても顕著ではありません。

次に脳血管疾患の死亡率を見ると…


脳血管疾患の死亡率
出典:主な死因の都道府県別年齢調整死亡率の推移(厚生労働省) 

脳血管疾患、たとえば脳卒中などは、血栓溶解剤の進歩で、一命を取り留めることが多くなりました。
それには、CTやMRIで、出血の合併症のリスクがないかを、検査する必要があります。
つまり、それらの機器のある病院へ、4時間程度で搬送しなければなりません。
しかし、意外に都会だからといって、不思議と死亡率が低くないですね。

日本の医療は比較的充実していて、よほどの過疎でなければ、緊急度の高い医療が受けられるのでしょう。
もっと専門性の高い病気の場合は、死亡率に差が出るかもしれませんが…
心筋梗塞や脳卒中などは、市立病院などがある都市ならば、対応出来ますから。

専門性の高い医療は、遠隔医療が救世主となるか

遠隔医療とは? 

遠隔医療(えんかくいりょう.telemedicine)とは医師と患者が距離を隔てたところでインターネットなどの情報通信技術を用いて診療を行う行為。遠隔診療、オンライン診療とも言われる。

Wikipedia「遠隔医療」より、引用

遠隔医療というと、家などで診察をしてもらう印象があります。
もちろん、それもありますが、治療の幅は狭いでしょうね。
まず、検査機器を使わない診察、いわゆる身体所見は、問診、視診、触診、聴診、打診について…

問診は問題ないとしても、触診と打診は不可能です。
視診、聴診は、限られた範囲となるでしょう。
検査機器を使う診察は、もちろん出来ません。
もっとも、自宅で血液検査するキットなども登場しているので、昔よりも遠隔治療の幅は広がってきましたが…
診察もそうですが、治療も限られた範囲でしょう。
歯の治療なんて、家でできませんものね。

しかし、通院は減るでしょう。
処方箋を貰うためだけに、病院へ通う、みたいな。
そのために、何時間もかけているような、無駄は減ります。
だから、初診はオフライン治療で、再診はオンラインという方向になるのでしょうね。

遠隔連携診療が、地方の医療を救う?

遠隔連携医療とは、近くの主治医と、遠隔地の専門医が連携して、治療する方法です。
「てんかん」など、専門性の高い治療などでは、遠隔連携医療が始まっています。
主治医が専門医のアドバイスを受けながら、治療を進めます。
地方でも検査機器はそれなりにあるでしょうし、セカンドオピニオン的な部分も大きいでしょう。

患者のメリットとしては、近くの病院で先端医療が受けれれることです。
また、より専門的な治療が必要となった場合でも、引き継ぎがスムーズでしょう。
これは、地方の医療のみらなず、限られた医療リソースを活かすことが出来ます。
今のところ、遠隔連携治療が可能は病気は限られていますが、徐々に拡大すれば、医療の地方格差は減るでしょう。

地方移住で、気を付けるべき点

やや、希望的観測な話が続きましたが…
それでも、程よい田舎=「ほどいなか」へ移住する際、気を付けねばならないポイントはあります。
専門性の高い持病を抱えている方は、移住先の医療機関を念入りにチェックしましょう。

たとえば、人口透析の必要な方。
「ほどいなか」程度ならば、透析クリニックはありますが、やはり、複数あったほうが良いでしょう。
廃業してしまったら、非常に不便となります。

透析のように命に関わる病気でなくとも、たとえば、眼科や皮膚科などは、意外と少ないです。
これらの持病のある方は、診察時間なども含めて、移住前に要チェックです。

次回は、ほどいなかの教育について、考察します。

テレワーク時代の、「程よい田舎暮らし」を考察する、ほどいなかシリーズ
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