【ほどいなかへ移住】意外と便利? 田舎での、車なし・自転車生活

テレワーク時代の、「程よい田舎暮らし」を考察する、ほどいなかシリーズ
実際に「ほどいなか」に移住した経験をもとに、連載します。

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青梅・西多摩地区への移住

車なしだと生活できない、が常識の田舎暮らし。でも、待ってください。
程よい田舎=「ほどいなか」ならば、案外、自転車でなんとかなります。
実際に自転車だけで暮らした体験をもとに、検証してみます。

自転車があれば、田舎暮らしは大丈夫?

徒歩に比べ、自転車の行動範囲は、どのくらい広がるか?

田舎に住むなら、車がないと生きていけない…
確かに、家から最寄りのスーパーや病院などが、10km以上離れているような所だと、かなり厳しい。でも、大都市近郊の田舎ならば、本当に必要でしょうか?

筆者は、東京都・青梅市に在住。
人口約13万人、新宿から鉄道で1時間強、家賃は都心の半額以下の、程よい田舎町です。
さて、徒歩と自転車では、どの程度行動範囲が違うのか?
条件も寄りますが、3〜4倍は違います。

© OpenStreetMap contributors及び
沼津工業高等専門学校 教養科 佐藤崇徳研究室Webサイトを利用し、加工・作成

上の図は、青梅市役所を中心とした、スーパーマーケットの分布地図。
赤丸がスーパーです。

徒歩圏内

徒歩10分程度で行けるスーパーは2店舗。
暮らせない事もありませんが、買い物がワンパターンになりそうですね。
運動も兼ねて、15分徒歩圏内ならば、4店舗程度でしょうか。
では、自転車だと、どの程度でしょうか?

自転車圏内

自転車は、時速12〜20km程度。直線距離で3km程度なら、難なく行けます。
12〜14店舗が、生活圏内となります。
これくらい選択肢があれば、充分でしょう。


筆者は、格段体力はありませんが… 直線距離で4km・実距離5km程度へ買い物へ出かけます。この地図ならば17店舗あります。
5kmは遠いイメージですが、自転車だと20分程度。毎日は無理ですが、休日などは買い出しに出かけます。

徒歩でも何とか暮らせるけれど、自転車があれば、グッと行動範囲が広がる…
程よい田舎も、意外と便利なのです。

自動車はなくとも、暮らせるか?

駅から徒歩10分圏内ならば、不便もなく暮らせます。
東京近郊の、都心への直通列車がそこそこある田舎ならば、駅近くにコンビニくらいはあります。
病院や金融機関もありますし、図書館などの公共サービスも、揃っています。

詳しくは、上記のリンクをご覧ください。

個人的には、中途半端な郊外の、駅から遠い場所より、程よい田舎の駅前が住みやすいかと。
トータルで通勤時間も変わらないし、列車も座れますし。
特に、テレワークで、出勤日の少ない方はオススメです。
家賃が断然安いです!詳しくは、下記リンクをご覧ください。

通勤時間を時給換算すると、程よい田舎暮らしが、お得なのが分かります。
特に、毎日出勤しないテレワークな方は、田舎で暮らすと快適ですよ。

田舎の自転車生活は、快適か?

オールシーズン乗れる?

夏は暑いし、冬は寒い…
自転車は、季節を選ぶイメージがあります。
でも、意外とオールシーズンです、実際は。

豪雪地帯ならともかく、冬は防風・防寒に気を付ければ、大丈夫。
見逃しがちなのは、足元。ある程度、防寒のしっかりした靴や靴下を履かないと寒いです。
特に朝方は冷えますね。

夏の暑さは、明らかに徒歩よりラク。自転車は風を受けて走るからでしょう。
例えば、時速18kmならば、風速5mの風が吹いているのと同じ。
風速5mは、そよ風より強く、旗がはためく程度の風です。
もちろん、炎天下で長く乗るのはオススメできませんが、近距離ならば案外快適です。

暑い日って、自動車も不快。特に、炎天下に駐車した車内は、50度を超えます。
この動画だと、ダッシュボードは79度になることも。
白身が固まるのが75度程度、冗談ではなく目玉焼きが作れちゃいます。
車内が冷える時間で、近場なら自転車で移動出来ますよね。

自転車のデメリットは?

ここまで大絶賛、ベタ褒めの自転車ですが…
当然、デメリットもあります。

  1. 雨に弱い
    雨に日の、自転車は危ないです。濡れるし、滑るし。
    天気予報、特に雨雲レーダーで確認して、降りそうならば諦めるべし、です。
    雪の日は、言語道断。残雪の道も危ないです。
  2. 大きな荷物を積めない
    カゴか荷台、背中に背負える範囲しか、荷物を搭載できません。
    1週間分の食料を買い出し、なんかはキツイですね。
    軽くても、かさばるモノも載せにくい。トイレットペーパーとか、です。
    かさばるもの、重いものは、素直に通販を使うのが正解です。
  3. 事故のリスク
    自動車と同じく、加害者にも被害者にもなります。
    相当、危ない運転をしない限り、加害者になるのは稀だけど… 時には歩行者への凶器となります。保険も加入義務化となりました。

    自分自身が被害者となると…
    自動車と違い、生身の自転車。自動車との衝突事故があれば、死傷のリスクは格段に高いでしょう。ヘルメットは必須ですね。
  4. 風にも弱い
    意外に見落としがちなのは… 自転車は風にも弱いです。
    向かい風だと、進まない、進まない。体力を消耗します。春一番の自転車とか、拷問みたいですよ。
  5. 上り坂がキツイ
    言うまでもなく、上り坂はキツイです。
    もっとも、これは、電動アシスト自転車ならば、解決します!

電動アシスト自転車は、革命的!

風と上り坂は、電動アシスト自転車ならば、驚くほど楽になります。

上の動画は、ヤマハ電動アシスト自転車のコンテンツですが…
台風並みの風速30メートルでも、進めちゃうのですね。

世界で初めて電動アシスト自転車を開発したヤマハ。この動画を見ると、欲しくなりますね。

ママチャリの電動アシスト自転車も良いけれど…
電動アシストのクロスバイク版、Eバイクだと、軽くて良いですね。

上のリンクは、筆者がEバイクで、標高千メートルの峠へ上った記事。
平凡な体力でも、スイスイ奥多摩の山へ自転車で登れちゃいます。
坂道の多いエリアなら、控えめにって革命的です!

結論、自転車があると田舎暮らしは楽しい

公共交通削減や、高齢者の免許返納問題…
自動車なしでの田舎暮らしは、社会問題化していますが、その何割かは自転車で解決できそうです。
電動アシスト自転車の登場で、体力のない人でも、確実に行動範囲が広がります。
また、休日にちょっと遠出、も良いですよ。
都心よりも、総じて道も広く、交通量も少ない、程よい田舎こそ、自転車が便利なのです。

「サラダ記念日」の俵万智さんは、東日本大震災を機に、石垣島へ移住、5年ほど暮らしました。
筋金入りの機械音痴で、自動車は運転はできない… でも、電動アシスト自転車で何とかなった、といいます。
鉄道はもちろん、バスも1日数本。そんな島でも自転車があれば、そう不便でもない。案外、そんなものかもしれませんね。

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