テレワーク時代の、「程よい田舎暮らし」を考察する、ほどいなかシリーズ。
実際に「ほどいなか」に移住した経験をもとに、連載します。
住まいを選ぶ
- 程よい田舎に住む、という選択
- 程よい田舎へ移住する、理想と現実と金勘定
- 山派?海派?失敗しない、候補地選びのコツ
- マンション?戸建て?程よい田舎の、不動産屋が言わない、家選びのコツ
- 賃貸か持ち家か、程よい田舎では、どっちが得?
- 程よい田舎は、災害にも強い?災害大国日本の、リスクマネジメント
- 二千万円もお得?リタイアしたら、田舎で暮らす、メリットとは
- 都心でも、盛土?東京の造成地の、驚くべき実態
- 住居費と通勤時間を、経済的視点で計算すると…
暮らしは?
- 程よい田舎では、車は必需品?それとも不必要?
- 地産地消も楽しめる?程よい田舎の買い物術
- 地域格差をなくす?程よい田舎の、オンラインショッピング事情
- レストランはある?程よい田舎の外食事情
- 遠隔連携医療で変わる?程よい田舎の、医療の今と未来
- 学力、いじめ問題、健康…程よい田舎は、教育のユートピアか?
- 古くて新しい子供の遊び方「プレーパーク」とは
- 意外と便利?田舎での車なし・自転車生活
仕事は?
青梅・西多摩地区への移住
車なしだと生活できない、が常識の田舎暮らし。でも、待ってください。
程よい田舎=「ほどいなか」ならば、案外、自転車でなんとかなります。
実際に自転車だけで暮らした体験をもとに、検証してみます。
目次
自転車があれば、田舎暮らしは大丈夫?
徒歩に比べ、自転車の行動範囲は、どのくらい広がるか?
田舎に住むなら、車がないと生きていけない…
確かに、家から最寄りのスーパーや病院などが、10km以上離れているような所だと、かなり厳しい。でも、大都市近郊の田舎ならば、本当に必要でしょうか?
筆者は、東京都・青梅市に在住。
人口約13万人、新宿から鉄道で1時間強、家賃は都心の半額以下の、程よい田舎町です。
さて、徒歩と自転車では、どの程度行動範囲が違うのか?
条件も寄りますが、3〜4倍は違います。
上の図は、青梅市役所を中心とした、スーパーマーケットの分布地図。
赤丸がスーパーです。
徒歩10分程度で行けるスーパーは2店舗。
暮らせない事もありませんが、買い物がワンパターンになりそうですね。
運動も兼ねて、15分徒歩圏内ならば、4店舗程度でしょうか。
では、自転車だと、どの程度でしょうか?
自転車は、時速12〜20km程度。直線距離で3km程度なら、難なく行けます。
12〜14店舗が、生活圏内となります。
これくらい選択肢があれば、充分でしょう。
筆者は、格段体力はありませんが… 直線距離で4km・実距離5km程度へ買い物へ出かけます。この地図ならば17店舗あります。
5kmは遠いイメージですが、自転車だと20分程度。毎日は無理ですが、休日などは買い出しに出かけます。
徒歩でも何とか暮らせるけれど、自転車があれば、グッと行動範囲が広がる…
程よい田舎も、意外と便利なのです。
自動車はなくとも、暮らせるか?
駅から徒歩10分圏内ならば、不便もなく暮らせます。
東京近郊の、都心への直通列車がそこそこある田舎ならば、駅近くにコンビニくらいはあります。
病院や金融機関もありますし、図書館などの公共サービスも、揃っています。
詳しくは、上記のリンクをご覧ください。
個人的には、中途半端な郊外の、駅から遠い場所より、程よい田舎の駅前が住みやすいかと。
トータルで通勤時間も変わらないし、列車も座れますし。
特に、テレワークで、出勤日の少ない方はオススメです。
家賃が断然安いです!詳しくは、下記リンクをご覧ください。
通勤時間を時給換算すると、程よい田舎暮らしが、お得なのが分かります。
特に、毎日出勤しないテレワークな方は、田舎で暮らすと快適ですよ。
田舎の自転車生活は、快適か?
オールシーズン乗れる?
夏は暑いし、冬は寒い…
自転車は、季節を選ぶイメージがあります。
でも、意外とオールシーズンです、実際は。
豪雪地帯ならともかく、冬は防風・防寒に気を付ければ、大丈夫。
見逃しがちなのは、足元。ある程度、防寒のしっかりした靴や靴下を履かないと寒いです。
特に朝方は冷えますね。
夏の暑さは、明らかに徒歩よりラク。自転車は風を受けて走るからでしょう。
例えば、時速18kmならば、風速5mの風が吹いているのと同じ。
風速5mは、そよ風より強く、旗がはためく程度の風です。
もちろん、炎天下で長く乗るのはオススメできませんが、近距離ならば案外快適です。
暑い日って、自動車も不快。特に、炎天下に駐車した車内は、50度を超えます。
この動画だと、ダッシュボードは79度になることも。
白身が固まるのが75度程度、冗談ではなく目玉焼きが作れちゃいます。
車内が冷える時間で、近場なら自転車で移動出来ますよね。
自転車のデメリットは?
ここまで大絶賛、ベタ褒めの自転車ですが…
当然、デメリットもあります。
- 雨に弱い
雨に日の、自転車は危ないです。濡れるし、滑るし。
天気予報、特に雨雲レーダーで確認して、降りそうならば諦めるべし、です。
雪の日は、言語道断。残雪の道も危ないです。 - 大きな荷物を積めない
カゴか荷台、背中に背負える範囲しか、荷物を搭載できません。
1週間分の食料を買い出し、なんかはキツイですね。
軽くても、かさばるモノも載せにくい。トイレットペーパーとか、です。
かさばるもの、重いものは、素直に通販を使うのが正解です。 - 事故のリスク
自動車と同じく、加害者にも被害者にもなります。
相当、危ない運転をしない限り、加害者になるのは稀だけど… 時には歩行者への凶器となります。保険も加入義務化となりました。
自分自身が被害者となると…
自動車と違い、生身の自転車。自動車との衝突事故があれば、死傷のリスクは格段に高いでしょう。ヘルメットは必須ですね。 - 風にも弱い
意外に見落としがちなのは… 自転車は風にも弱いです。
向かい風だと、進まない、進まない。体力を消耗します。春一番の自転車とか、拷問みたいですよ。 - 上り坂がキツイ
言うまでもなく、上り坂はキツイです。
もっとも、これは、電動アシスト自転車ならば、解決します!
電動アシスト自転車は、革命的!
風と上り坂は、電動アシスト自転車ならば、驚くほど楽になります。
上の動画は、ヤマハ電動アシスト自転車のコンテンツですが…
台風並みの風速30メートルでも、進めちゃうのですね。
世界で初めて電動アシスト自転車を開発したヤマハ。この動画を見ると、欲しくなりますね。
ママチャリの電動アシスト自転車も良いけれど…
電動アシストのクロスバイク版、Eバイクだと、軽くて良いですね。
上のリンクは、筆者がEバイクで、標高千メートルの峠へ上った記事。
平凡な体力でも、スイスイ奥多摩の山へ自転車で登れちゃいます。
坂道の多いエリアなら、控えめにって革命的です!
結論、自転車があると田舎暮らしは楽しい
公共交通削減や、高齢者の免許返納問題…
自動車なしでの田舎暮らしは、社会問題化していますが、その何割かは自転車で解決できそうです。
電動アシスト自転車の登場で、体力のない人でも、確実に行動範囲が広がります。
また、休日にちょっと遠出、も良いですよ。
都心よりも、総じて道も広く、交通量も少ない、程よい田舎こそ、自転車が便利なのです。
「サラダ記念日」の俵万智さんは、東日本大震災を機に、石垣島へ移住、5年ほど暮らしました。
筋金入りの機械音痴で、自動車は運転はできない… でも、電動アシスト自転車で何とかなった、といいます。
鉄道はもちろん、バスも1日数本。そんな島でも自転車があれば、そう不便でもない。案外、そんなものかもしれませんね。