【ほどいなかへ移住】程よい田舎に住む、という選択

テレワーク時代の、「程よい田舎暮らし」を考察する、ほどいなかシリーズ
実際に「ほどいなか」に移住した経験をもとに、連載します。

住まいを選ぶ

暮らしは?

仕事は?

青梅・西多摩地区への移住

コロナ渦で、にわかに注目された、テレワーク(リモートワーク)。
「家で仕事をする」ことが、普通となり始めています。
そんな時代、何処に住むのが良いのか?
都心から、程よい田舎・青梅市に移り住んだ筆者が、実体験を交え、考えてみます。

「ほどいなか」のススメ

都心に住むメリットが、薄くなった?

筆者は、元々、東京都北区に住んでいました。
池袋まで徒歩圏内、大手町まで電車で15分程度、便利な場所です。
都心の会社へ通うのにも、便利な立地です。

数年前、会社を辞め、フリーで仕事をするようになりました。
フリーでも、都心に住むメリットはあります。
得意先との打ち合わせは、都心が多く、何かと便利。
急なトラブルが発生した時も、すぐに駆けつけらます。

でも…
果たして、ここが住処として、最適なのか?
毎日、通うのならともかく、週に1〜2回ならば、都心に住む必然性は低い、と思い始めたのです。
自然豊かで、住居費も安いところに住むのが、良いのでは、と。
これは、フリーでの人だけではなく、会社勤めでもテレワークが可能な方も、同じでしょう。

実際、田舎に住むと、大抵のことは地元で何とかなります。
仕事も、テレワークへの理解が深まりつつある今、移住するには、良いタイミングではないでしょうか?

ちょうど良い、田舎とは?

多摩川

しかし、「田舎」といっても、千差万別です。
いきなり山に籠もり、「仙人」みたいな生活は無理。
「北の国から」的なライフスタイルに、憧れるのも良いのですが…
都会暮らしに慣れた、軟弱な人間だと、挫折します。
現実問題、どの程度に田舎ならば、さほど不便もなく、暮らせるのでしょうか?

  1. 都心まで、鉄道で、概ね1時間30分以内の場所
    テレワークなどの場合、週に1〜2回程度出勤することもあるでしょう。
    都心まで、列車で1時間30分程度までが、現実的。
    駅からのアクセスも含めると、ドア・トゥ・ドアで2時間くらいなら、容認できる範囲かと。
    毎日だと、キツイですがね。
    (もっとも、毎日通っている方も、大勢居るのですが)

    できれば、乗り換えなしの直通列車があれば、良いでしょう。
    田舎だと、大体座れるので、乗り換えなしならば、満員列車でも都心まで座ったまま行ける!
    つり革に掴まり、本も読めず、ロクにスマホも使えない通勤は、人生の無駄です。
    座っての通勤ならば、仕事もできるし、本も読める。
    疲れていれば、眠るのも良いでしょう。

    都心への仕事の面だけでは、ありません。
    休日に、コンサートや展覧会へ行くにも、遠すぎると億劫になります。
    また、友人と飲んでも、終電が早くて、じっくり話もできないなんて、つまらないですよね。
  2. 生活面でのインフラ
    通販が充実しているとはいえ、日々の買い物に不便な場所は、やはり住みたくない!
    スーパー、ドラッグストア、ホームセンター、衣料品店、レストラン、銀行。
    これらが一通り揃った場所は、やはり住みやすいです。

    銀行は支店がなくとも、ATMがあれば、さほど困りません。
    しかし、ど田舎だと、コンビニすら無い場所もあります。
    場所によっては、ゆうちょ銀行の口座を作るのが、現実的です。

    イザという時、病院がないのも怖いです。
    総合病院だけでなく、耳鼻科や眼科などもある町が良いです。
    田舎には、専門病院が結構ない場合があるので、ご注意を。
  3. 車がなくても、とりあえず生活が可能か
    郊外の町は、基本、車社会です。
    スーパーはもちろん、コンビニや病院までも、ロードサイドが一般的。
    でも、出来れば、徒歩圏内に一応、商業施設や病院があると、何かと便利です。
    ちょっと、コンビニへ行くのに、いちいち車を出す、といいうのも面倒でしょ。
    ちなみに、田舎だからといって、車が必須でもありません。
    駅の近くに住めば、車がなくとも充分、暮らせます。
  4. 学校が遠すぎない
    公立小学校・中学校は選べません。
    田舎は、児童数減少で、統廃合が進んでいる地域も多いです。
    子供がいる場合は、結構大切です。
    高校や大学への通いやすさも、要チェックですね。
    もっとも、高校や大学も、郊外の広い敷地にマンモス校を造る時代。
    子供の通う学校にあわせて、移住先を選ぶのも良いでしょう。
  5. 災害のリスクが低い場所
    やはり、移住するなら、災害の少ない場所を選びたいですね。
    山の近くならば、土砂災害、海の近くなら、津波や高潮の被害が少ない場所。
    地盤の強さも、考慮しましょう。
    地震に対する「揺れやすさ」は、前もって、確認出来ます。
    都会と田舎は、微妙に災害のリスクが異なります。
  6. ネット環境もチェック
    今や、インターネット環境は、重要なインフラのひとつ。
    特にテレワークをする人は、事前にチェックしたほうが良いです。
    たとえば、NTT東日本のフレッツ光の人口カバー率は99%ですが…
    この「人口カバー率」というのが曲者で、市町村の中心部で使えればOK、という基準なのですよね。
    目星を付けた物件があれば、NTTのサイト(東日本西日本)でピンポイントで検索出来ます。
    光回線が通じていなければ、ケーブルテレビを検討しましょう。

    携帯電話は、結構、ひなびた集落でも通じます。
    しかし、通信回線の規格が古く、遅いことも多いです。
    一応、確認しましょう。
  7. ライフスタイルや趣味に、フィットするか
    町との相性、ですね。
    これは、大切です。
    せっかく、利便性を犠牲にして移り住むのだから、暮らしが豊かになるところに住みたい。
    豊か、っていっても、お金ではなく、心の豊かさ。

    大げさな話ではなく、ちょっとしたことでも良いのです。
    近くに雑木林があって、四季折々の自然が満喫できる、とか。
    海が近く、夕日が眺められる、とか。
    もちろん、自分の趣味が満喫できるなら、申し分ないです!

    田舎暮らしに限りませんが、お金を使わなくとも、楽しめる人生って、幸せですよね。
    チャップリンは、
    「勇気と想像力、そして、ほんの少しのお金があれば、生きていける」
    と言いました。
    そう、想像力を掻き立てる環境が、そこにあれば…
    それが本当の幸せに、繋がるのですよね。

と、思いつくまま、書き連ねましたが…
今までのライフスタイルを、極端に変えない場所が、田舎選びのコツでしょうか。
都心より便利ではないけけれど、自然豊か。
でも、生活する上でのポイントは、ちゃんと押さえた町が住みやすいでしょう。

都会でも、ど田舎でもない。
生活インフラと、住環境のバランスの、良い程よい田舎を、「ほどいなか」と呼ぶことにします。
「ほどいなか」で暮らす方法、注意点などを、連載でお届けします。

移住先の候補は?

ターミナル駅までの所要時間で、考えてみた

東京都心からアクセスしやすい「ほどいなか」は、どこでしょうか?
まずは、所要時間から、範囲を絞ってみましょう。

都心のターミナル駅(東京・新宿・池袋・渋谷など)へ、1時間30分未満で通える範囲で考えました。
平日・朝8時30分前後に到着する、普通料金のみで乗車できる列車での想定です。
(2020年6月の運行ダイヤ)

基本、乗り換えをせずに通える路線ですが、乗り換えが楽(乗り換えが1回で、駅での移動が最小限)な路線も含めています。
ちなみに、日中はもっと早いです。
まずは、範囲を絞り、暮らしやすさや、ライフスタイルとの相性で、居住地を探しましょう!
(リストの km は、自動車で都心に出た場合の距離です)

東京多摩・埼玉西部方面

日向和田の梅林
  • JR中央線 上野原7:00→新宿8:27 ※高尾で乗り換え(約61km)
  • JR青梅線 日向和田6:55→新宿8:23 ※青梅で乗り換え(約58km)
  • JR五日市線 武蔵五日市7:05→新宿8:29(約49km)
  • JR八高線 東飯能7:06→新宿8:29(約56km)
  • 西武池袋・秩父線 正丸7:00→池袋8:27 ※飯能で乗り換え(約75km)
  • 東武東上線 男衾7:01→池袋8:30 ※小川町で乗り換え(約71km)

中央線なら上野原、青梅線や五日市線も、自然豊かなエリアまで網羅しています。
どれも、登山口のある駅ですよ!

中央線なら、高尾が自然豊かで便利な町ですが、意外と住居費が高いです。
その点以外は、ある意味理想かも。
高尾周辺ですと、京王線の狭間駅付近は、居住費も抑えられ、マンションも多いですね。

青梅線沿線は、自然の豊かさと利便性のバランスが、素晴らしいです。
筆者が青梅在住だから、身びいきもありますが(笑)
生活の利便性と、東京駅直通列車の数を考慮すると、青梅駅までが現実的です。

不便な印象の八高線ですが、平日の朝は2本だけですが、東京駅直通の列車があります。
住居費の安さが魅力なので、穴場かも?

西武池袋線は、正丸駅ですか。
ここは、コンビニもなく生活は不便ですが、1時間30分で池袋まで通えるのですね。
列車の本数を考えると、飯能までにしたほうが無難でしょう。

神奈川方面

湘南の海
  • 小田急小田原線 新松田7:05→新宿8:30(約74km)
  • 小田急江ノ島線 片瀬江ノ島7:05→新宿8:26 ※藤沢で乗り換え(約55km)
  • 京王相模原線 橋本7:22→新宿8:28(約47km)
  • JR東海道本線 国府津6:56→東京8:25(約75km)
  • JR横須賀線 久里浜7:03→東京8:30(約75km)
  • 京浜急行久里浜線 三崎口6:46→8:16(約70km)

江ノ島にも住めますよ!
海が好きな人、サーファーなどは、良いですよね。
新松田や橋本は、丹沢が近いです。

京急沿線も、海が近く良いですよね。
三崎口は、マグロで有名な城ヶ島の玄関口です。

国府津は、御殿場線の始発駅でもあります。
もう、富士山の近くなのですよね。
昔は、駅前も長閑でしたが、今は近代的になりました。
山登りの好きな人にもおすすめできる、エリアです。

リストから外れましたが、小田原なども良い街です。
普通列車だと、朝の通勤時間帯で、1時間35分程度です。
急ぐ時は、小田急ロマンスカーや新幹線で、と割り切るならば、アリですね。

埼玉北部・群馬・栃木・茨城方面

深谷駅
  • JR高崎線 深谷7:01→上野8:28(約95km)
  • JR東北線 小山7:05→上野8:33(約94km)
  • JR東武伊勢崎線 羽生6:55→浅草8:24(約69km)
  • JR常磐線快速 高浜7:10→上野8:37(約80km)
  • つくばエキスプレス つくば7:18→秋葉原8:17(約62km)

埼玉北部・北関東は、時間の割に遠くまで、行けます。
深谷、小山などは、100km弱。
田舎、というより、程よい地方都市です。
小山などは、イザとなれば、新幹線も使えるのが魅力。

常磐線やつくばエキスプレスなら、筑波山や霞ヶ浦が近いですね。
筑波は、地方都市ながら、教育機関の充実した町。
広々とした街並みの、計画都市的な近代さも、持ち合わせています。

千葉方面

外房の海
  • JR総武線快速 八街7:19→東京8:38(約57km)
  • JR成田線 久住6:49→東京8:19(約72km)
  • JR内房線 君津駅7:04→東京駅8:25 ※蘇我で乗り換え(約57km)
  • JR外房線 上総一ノ宮7:00→東京8:25(約86km)

上総一ノ宮でも、通えるのですね!
外房ですよ、外房。海も、綺麗でしょう。
海も魅力ですが、少し内陸に入ると、広大な丘陵地も広がるエリアです。

内房は、アクアラインや東京湾フェリーで、神奈川方面へのアクセスも良いです。
東京湾の工業地帯でもあり、交通インフラも充実し、東京や新宿行きの高速バスも頻繁に走っています。

地図で見ると、こんな感じです。
結構、遠くから通えるものですね。

実際に住みやすいところは?

何となく、「ほどいなか」の範囲が掴めたでしょうか?
結構、遠そうな場所でも、通勤圏内ですよね。
新幹線で「ワープ」すれば、熱海や三島、宇都宮や郡山、高崎や軽井沢、水上や越後湯沢なども候補に上がります。
新幹線通勤が会社負担で可能ならば、選択肢に入りますが、まあ、難しい人が大半でしょう。

この範囲で、住みやすいところは、どこか?
次回は、具体的な町をピックアップして、検証してみます。

テレワーク時代の、「程よい田舎暮らし」を考察する、ほどいなかシリーズ
実際に「ほどいなか」に移住した経験をもとに、連載します。

住まいを選ぶ

暮らしは?

仕事は?

青梅・西多摩地区への移住