【ほどいなかへ移住】青梅へ移住して良かった事、悪かった事

テレワーク時代の、「程よい田舎暮らし」を考察する、ほどいなかシリーズ
実際に「ほどいなか」に移住した経験をもとに、連載します。

住まいを選ぶ

暮らしは?

仕事は?

青梅・西多摩地区への移住

都区内から東京の「ほどいなか」青梅へ移住して、約1年。
コロナウイルスという予想外のアクシデントがあったものの…
住んでみて気が付いたアレコレも、色々あります。
郊外の田舎町へ移住することのメリット・デメリットをまとめてみました。

程よい田舎の、住みごこちとは?

板橋から青梅へ、移住してみると…

青梅市、御岳渓谷の紅葉
青梅市・御岳渓谷

筆者は、約1年前、板橋駅近くから、青梅市へ移住しました。
まだコロナが感染拡大する前、「テレワークって何よ」みたいなタイミングでした。

板橋は、それなりに便利で住みやすい場所です。
家から徒歩10分圏内に駅が3つ、池袋まで列車で3分と便が良い。
また、都区内では物価も安い地域でした。

対して青梅は、新宿まで1時間強。
多摩地区で、一番大きい八王子などと比べても、不便です。
それでも移住した理由は…

  • 家で仕事が可能
  • ゴミゴミしたところが嫌い
  • 山歩きが好き
  • 実家が中央線沿線で、アクセスが良い
  • 駅から近い、価格も手頃なマンションがあった
  • ある程度、土地勘があった

普段の暮らしは、案外、便利?

青梅市、御岳山・七代の滝
御岳山・七代の滝

さて、実際に移住して、どうだったかというと…

  1. 普段の買い物は、意外と便利
  2. 住居費が格安
  3. 鉄道はほぼ座れ、本数も許容範囲内
  4. 飲食店は少ないが、総じて美味い
  5. 行政サービスは、及第点
  6. 治安は良い
  7. 何より自然が近い

都区内へ用事がある時を除けば、案外便利だった、というのが結論です。
次章では、もう少し詳しく説明しましょう。

移住した感想は?

日常の買い物は、さほど不便ではない

青梅市・カインズ・ホームセンターの店内
ドでかいホームセンター

青梅市内でも、地域差がありますが…
生活に必要な食料や雑貨などについては、意外と良いです。
普段の買い物などは、問題ありませんでした。

  • スーパー
    徒歩圏内にスーパーがある場所なら、都心と変わらない。
    むしろ、郊外にあるお店は、大きく品揃えが良い
    日頃は近所で買って、週に一度とか、郊外店でまとめ買い、みたいなパターンです。
  • ディスカウントストア
    業務スーパーとか、ベイシアみたいな安いスーパーは、郊外に多い。
    これは、都心より充実しています。
    都心だと、地代が高いのか、ディスカウントストアは少ないのですよね。
  • コンビニ
    都心のように、数十メートルごとに店がある、みたいな感じじゃありませんが…
    とりあえず、それなりにあるから無問題。
    ただ、セブンが良いとか、ローソンじゃなきゃダメ、みたいな、特定のチェーンが好きだと不満がでるかも。
    まいばすけっと、マルエツ・プチなどの、小型スーパー的コンビニが無いのは、残念。
  • ドラッグストア
    ドラッグストアは、多いですね。
    都心とあまり変わらない感じ。
  • 100円ショップ
    なぜか、100円ショップはやたらと多い
    これは、都心より多いです。
    青梅の人って、100均好きなのかな。
  • 書店
    明らかに少ない
    また、規模も小さいです。
  • ホームセンター
    これは、むしろ都会より大きく便利。
    というか、カインズなど、ビックリするくらいデカイ
    店内で迷子になります。
  • 百貨店・大型ショッピングモール
    市内にはない。
    高級ブランドなどや、趣味系の物品は、市外へ行かねばならない
    近場だと立川で30分くらい、吉祥寺は50分くらい。
    もしくは、インターネット通販です。
  • 個人商店
    頑張っている良いお店も、ありますが…
    閑散としたシャッター商店街は、衰退したイメージ
    特に青梅駅周辺は、昔、栄えていただけあり、ゴーストタウンみたいで悲しい。
    もっとも、都心でも個人商店は寂れる一方で、五十歩百歩かな。
  • 農協・無人販売所
    都区内にほぼ無く、青梅にはあるお店ですね。
    無人販売所は、規格外の野菜なのか格安。
  • 銀行郵便局
    都市銀(メガバンク)は少ないです。
    さすがに、市の指定金融機関のりそな銀行、都の指定金融機関のみずほ銀行はありますが…
    余談ですが、みずほは、伊豆諸島にも出張所があり、結構、都に気を使っています。

    三井住友と三菱UFJは、ありません。
    この2行は、店舗どころかATMも、市内には無いのですよね。
    手間と手数料を考えると、インターネットバンキングは必須かも。

    地元の信金は、各所にあります。
    こちらは、こんなに支店があって大丈夫なのかな、と思うほどです。
    郵便局も、各所にあり無問題。
    ただ、郵便ポストの回収は、頻度が低め、速達は本局へ持ち込んだほうが確実です。

ダラダラ書いてしまいましたが、結論としては…
思ったより不便ではありません
ただし、お店が郊外に多く、車がないと不便。
筆者は、車を持っておらず、自転車で行きますが、まあ何とかなります。

物価は、都心とほとんど変わらず。
引っ越して気がついたけれど、チェーン店って、価格の地域差がほとんどないですね。
目玉商品とかも同じで、ビックリしました。

住居費は格安?

青梅市の朝霧
青梅市の町並み

都区内も色々だけれど…
住居費はアバウト、都心の半分以下
家にお金をかけたくない人には、良い場所です。
賃貸マンションなら、単身者のワンルームで月3万円程度、世帯持ちの2LDKなら月5万円程度、安いでしょうね。

分譲住宅は、不動産のセールスマンいわく
「郊外の戸建ては、100㎡(4LDKくらい)で、三千万がひとつの目安」
都心じゃ普通のサラリーマンが戸建てなんて難しいけれど、青梅なら買える?
郊外の戸建ては、2台分の駐車場がデフォルトです。

マンションは新築がほとんどないから、基本中古。
同程度の広さ・築年数・駅からの距離だと、都心の4割程度の価格ですね。
築年数によりますが、駅から徒歩3分の2LDKでも一千万円台で、余裕で買えます。
都心のマンションを売って、青梅で買うと、それなりの利ざやが出ます。
住宅ローンで行き詰まった人は、移住ロンダリング?するのもありかも。

青梅線は、ほぼ座れるか?

青梅市を走る、青梅線列車
寺の参道を走る青梅線

コロナで列車に乗る機会が、減りましたが…
ここ1年、青梅線内では、ほぼ座れました。
上り(東京方面)は、始発駅の青梅はもちろん、河辺くらいまでなら、朝でも座れます。
というわけで、乗車時間の割に楽。下りも、立川始発なら座れますしね。

日中の特快ならば、新宿まで1時間弱、東京まで1時間10分弱です。
なんだかんだ、乗車時間は長いですね。
最近、中央線・青梅線とも、トイレ付きの列車が多くなったのも、なにげに嬉しい。

列車本数は、日中は1時間に5本程度。
山手線のように、じゃんじゃん走っていません。
まあ、タイミングが悪くても12分待てば来るから、許容範囲でしょうか。

飲食店は少ないけれど、美味い店が多い

青梅市の茸パスタ
特産品の茸のパスタ

地域ブログだから、持ち上げるわけじゃありませんが…
青梅の飲食店、はっきり言ってレベル高いです。

特に野菜が美味い、これは強調したいです。
ヘナヘナなレタスとか出す店、ありません。
どこの店も、しゃきっと、新鮮なのですよね。
これは近隣の、あきる野や羽村などでも、美味しいのですが。

農業が盛んな地域、だからなのでしょうか。
下手なもの出したら、そっぽ向かれるのかな。
ただ、お店の絶対数は少ないです。
それも、目のつかない場所にあるお店も多く、フラッと遊びに来た人など、食べ損ねます。

あと、夜の店じまいが早いところが多いですね。
そもそも、ランチしか営業していない店も多いですし。
夜は居酒屋か、ファミレスや牛丼チェーンになっちゃいます。
自炊をしない単身者の人とか、チョイと苦労しそうです。

行政サービスは及第点?

青梅市役所
青梅市役所

行政サービスは、いたって普通です。
図書館や体育施設などは、ひと通り揃っています。
強いていえば、温水プールがないのが、ウイークポイントかな?
(民間のスイミングスクールと提携して、休日に有償利用可)

市が広く、図書館は、ネットの予約サービスを使うと便利です。
利用者カードがあれば、最寄りの図書館で、市内各館の本が借りれます。
対応もスピーディーです。

病院も、三次救命(ICUなどの施設)まで可能な青梅市立総合病院もあり、とりあえず安心。
ここはヘリポートもあり、近隣の山岳部の方がドクターヘリで運ばれます。
町の病院も、眼科や皮膚科も揃ってますし、さほど心配ありません。

市役所は、手続き等がほぼワンフロアで済むレイアウトで、好感が持てます。
窓口の人も総じて親切で、嫌な思いをしたことがない。
余談ですが、転入手続きしたら、市内の温泉の無料お試し券が貰えました(笑)
こんなの初めてです、コロナで使わず仕舞いとなりましたが。
また、マイナンバーカードがあれば、コンビニで印鑑登録や住民票も取れ、便利です。

子供がいないので、教育・育児は分かりかねますが…
「共働き子育てしやすい街ランキング2020」で全国9位の高評価を得た、とのことで、悪くないようです。
小中学校は、校庭がメチャクチャ広い
鬼ごっこしたら、中々捕まえられないかも。
これは、都心の学校ではありえない大きさです。

青梅市・わかぐさ公園の桜
わかぐさ公園の桜

公園は多いし、概して広いですね。
小さな山が公園になっていたりして、そこを子供が飛び回っています。
子供の頃はやたらと体力あるけれど、大人になると車生活となり、衰えるパターン?

人口が減っているのが、気がかりです。
高年齢化も、進んでいますし。
市の財政状況の維持のためにも、転入者を増やさないと、今後は辛いでしょうね。

治安は良いけれど、近所付き合いは面倒?

治安は良い、と思います。
数字的にも犯罪率も低いですが、感覚的にも、なんか街が長閑ですから。
街を歩く学生さんも、ヤンキーっぽいのは見かけませんし。
でも、なぜか、マイルドヤンキーっぽい金髪親子連れが、ドン・キホーテや、デイキャンプ場に生息。
学生時分はグレないで、でも大人になると、リミッターが外れて、ちょいと悪ぶるんですかね。
彼ら彼女らは、ちょっとヤバそうな外見だけど…
全然ヤバくなく、それどころか、案外、礼儀正しかったりします。

青梅市、新満地トンネル
山間部のトンネル

交通事故は、都内ではやや多め。
道路は広めで、走りやすい感じなんですがね。
みなさん、ちょっとした用事でも車使うから、事故が多いのでしょうか。

東京とはいえ田舎、近所付き合いは面倒かな、と移住前は危惧しましたが…
これは、住むところでかなり違うようですね。
マンション暮らしだと、ほとんど都心と変わりません
見聞きした話だと、自治会の活動が盛んな地区だと煩雑みたい。
田舎と都会の境目なんですね、きっと。

自然が近い

青梅市、冬の御岳山
冬の御岳山

山と川が、すぐ近く。
例えば、JR青梅駅から御嶽駅まで、170円ですからね。
自転車でも、行ける距離です。
寝坊しても、天気が良いからちょっと遊びに行くか、いう感じです。

河原などで、バーベキューや釣りの人も多いです。
小川で、クレソンとか摘んでいる人もいます。
さほど、お金をかけずに楽しめますよね。

近郊の丘陵は、ガイドブックにも載っていないルートもあって、静かなものです。
あまり人に、知られてない滝などもありますし。
これらは、山に近い町ならではの、メリットです。

当然、向き不向きはある

生活のインフラはまずまず充実、住居コストは格安、近くでアウトドアも楽しめる…
良い事ずくめみたいですが、当然、向き不向きはあるでしょう。
一応、念の為、リストアップすると…

  1. 都区内の東部へ、毎日通う人
    実際、都心へ通勤通学している人も、多いのですが…
    新宿や東京駅近辺の職場ならば、通うのもさほど無理はありません。
    でも、そこから更に乗り換え、時間を要する職場だと、かなり大変でしょう。
    例えば青梅駅から豊洲駅は、1時間50分程度、都区内は結構広いのです。
    駅までの徒歩などを含めると、片道2時間以上になります。
    テレワークで出勤日が週1〜2回ならば、青梅へ住むのも良いでしょう。
  2. 寒いのが苦手な人
    都心に比べて、冬は3度くらい気温が低いです。
    1月の最低気温は、連日氷点下。
    山に近いから、風の強い日は体感温度は、もっと寒いでしょう。
    冬の初め、12月くらいは、身体が慣れていないので、すごく寒い気がします。
  3. 美術館やコンサート、スポーツ観戦などへ頻繁に行く人
    これは、説明の必要はないですが。
    いちいち都心まで、出かけるのが大変ですからね。
    まあ、西武球場とかは、車なら近いです。

要は、都心へ行く頻度がさほどなければ、快適なのです。
財政が安定している東京都だけど、自然豊かな町。
テレワークが定着したら、中々良いポジションだと思いますが…

広い面積をほこる青梅市。エリアごとにライフスタイルが異なります。

詳しくは、山と渓谷の街・青梅|失敗しない移住のための、エリア選びとは?を併読してください。

住んで知った、アレコレ

最後はオマケ、住んで初めて知った事です。
地震はともかく、他は、どーでもよい話です。

  • 地震の揺れが小さい
    2020年に、茨城県沖で最大震度5弱の地震があったけれど、ほとんど揺れなかった。
    震源からの距離などもありますが、やはり地盤が良いのかなと。
  • 郵便ポストの宣伝チラシが、驚異的に少ない
    ピザ屋や不動産の宣伝チラシが少なく、清々しい。
    人口密度が低く、ポスティングが大変だから、でしょう。
  • 交番ごとに軽パトカーがある
    所轄のエリアが広く、お巡りさんも自転車じゃ、巡回出来ないのでしょう。
    でも、ちょっと驚き。
  • 防災無線で火事のお知らせ
    火事が発生すると、「只今、発生した火災は〇〇町〇〇番地の、枯れ草火災です」みたいな、結構詳しい放送が流れる。
    鎮火も報告、時には、誤報の報告もある。
    野次馬とか、集まらないのですかね?
  • タクシーでドライブスルー
    郊外のファーストフードは、大抵ドライブスルーがある。
    スタバも松屋も、ドライブスルー。
    人気店だと、道が渋滞することもある。
    面白いのは、タクシーでドライブスルーする人がいること。
    最初は運転手の食事かなと思いきや、お年寄りの客が乗っている。
    なるほど、座ったまま買い物できて、ある意味合理的。
  • 方言があるらしい
    ほとんど、絶滅しているようですが。
    「あの頃」を「あんころ」とか、「すごい」を「あっさらしい」とか。
  • 地元愛が強い
    筆者が都区内から移住した、というと、すごく嬉しそうな顔をする。
    そしてその後、青梅の良さを得々と語る。
    一応、「田舎だけど」「寂れてきた」とか言いつつ…
    謙遜を装いつつ、随所に、お国自慢が散りばめられているのが、特徴。
    生まれ育った町、そこはかとなく愛してますよね。
    まっ、これは、どこの地方でも共通しているかも?

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