【ほどいなかに住もう】その7…程よい田舎では、車は必需品?それとも不必要?

テレワーク時代の、「程よい田舎暮らし」を考察する、ほどいなかシリーズ
実際に「ほどいなか」に移住した経験をもとに、連載します。

都会では、自家用車って、まず、必要ありません。
買い物は歩きで済むし、電車やバスが頻繁にあるから、持つ理由が殆どない。
しかし、程よい田舎=「ほどいなか」は、車社会です。
では、果たして、本当に車は必需品なのでしょうか?
様々な角度から、検証してみます。

ほどいなかは、車なしで生きられるのか?

まずは、結論。車がなくとも大丈夫、ただし条件付きで

大抵の人は驚きますが、筆者は車を持たずに、田舎暮しをしています。
だから、自家用車がなくとも生活出来ます、以上。
と言いたいところですが、これには条件があります。

  1. 駅の近くに住む
  2. 徒歩圏内に、スーパーやコンビニがある
  3. 病院や学校も、徒歩圏内
  4. 自転車を持っている
  5. 自動車通勤の必要がない

これって、都心と変わらない条件なのでは?
と、思う方もいるでしょう。
このシリーズでは、程よい田舎=ほどいなか、と定義していますが…
ど田舎でなく、「ほどいなか」ならば、このような場所は、いくらでもあります。

「無理して暮らしているの?」
と思われるかもしれませんが、そうでもありません。
元々、都区内で車のない暮らしをしていたから、これが「普通」なのです。

地元の人に
「車持っていない」
というと、変人扱いされます。
いえ、オトナだから、あからさまには言いませんが…
明らかに、そういうモノを見る目つきになります(笑)

ほどいなかの人は、18歳になったら、自動車免許を取得します。
だから、車のない生活なんて考えられないのですが、実はなくとも、普通に生活できるのですね。
これが、ど田舎と「ほどいなか」の違いです。

「とりあえず、車がなくとも生活できる」という視点は、長い目でみると大切です。
歳をとり、免許を返上するかもしれません。
その時、住み慣れた場所で暮らせるメリットは、大きいでしょう。

むしろ、自転車が必需品?

とはいえ、買い物ひとつとっても、近所のスーパーだけだと、物足りなくなりますよね。
そういう時は、鉄道で大きな町に出てしまえば良いのです。
駅近に、住むメリットですね。
「ほどいなか」の場合、そういう物件でも、意外と居住費は安いです。

それと、自転車があると、行動範囲が格段に広がります。
自転車って、結構早いです。
ママチャリでも時速12km、クロスバイクならば時速20kmくらい。
2kmを10分くらいで走れます。
この程度の距離だと、駐車場の出入りを考えると、所要時間は車と変わらないのでは?

自転車のデメリットは、天候に左右されるのと、たくさんの荷物が積めない事。
天気はしかたないけれど、米などの重いものは、ネットスーパーや通販を活用したほうが、どのみち楽ですよ。

レンタカーや、タクシーは?

車が必要な頻度によっては、レンタカーやカーシェアリングを利用するのも、良いでしょう。
「ほどいなか」程度の田舎には、レンタカー店もちゃんとあります。
そういえば、インターチェンジ付近にも、レンタカー店があります。
自家用車を持っている人でも、遠出をする時だけ、レンタカーを借りるのですね。
家の軽自動車だと長距離は辛い、みたいなニーズです。
駅近に住んで、必要な時だけ借りるスタイルも、アリですね。

タクシーも、意外と使えます。
というのも、今はスマホのアプリで、タクシーを呼べる便利な時代です。
ジャパンタクシー MOV 京王タクシー など)
ピックアップ場所もGPSで通知し、決済もアプリ内で完結できるサービスもあります。
タクシー料金は、渋滞にはまらなければ、1km400円程度。
車の維持費が月35,000円ならば、それで80km以上乗れる計算になります。
移動中も好きなことが出来るし、ガソリン代も掛からないし。
そう考えると、案外高くないかも…

車と家のコストを、天秤にかけると

郊外は車がないと、超不便

駅近なら、車がなくとも、とりあえず大丈夫ですが…
裏を返せば、先にあげた条件を満たさなければ、車がないと圧倒的に不便となります。
駅から遠い、近くにスーパーや病院がない、みたいな。

「ほどいなか」の分譲住宅は、駅から遠い物件も多いです。
駅から30分とか、そういう家も結構あります。
農地を潰して、家を建てるのですね。
安くて広いのは魅力ですが、それくらいになると、車前提の生活です。

そのような分譲戸建ては、大抵2台の駐車スペースがあります。
パパとママが1台づつ、車を持って生活するスタイルです。
分譲住宅の営業マンいわく、
「縦列駐車の家は、売りにくい」
車が必要などころか、2台ないと不便なのでしょうね。

都心から「ほどいなか」に移住を考える際、ライフスタイルを描くことが重要です。
駅近の家なら、移り住んでから不便ならば車を持てば良いですが…
そうでなければ、必要な分だけの車と駐車スペースが必要となります。
ひと家族・1台で、足りないかもしれないのです。

駅近・車なしと、郊外・車ありは、どちらがお得?

では、経済的側面から、車のある生活コストを考えてみましょう。
東京都・青梅市に住む前提で計算してみます。

JA共済のサイトに車の維持費のシミュレーションが掲載されています。
これをもとに、駐車場代を月4000円、燃料費はとりあえず別会計とて計算します。

また、車の購入代金を軽自動車150万円、コンパクトカー180万円で仮定します。
6年乗り、それぞれ、20万円、30万円程度で売れたとすると…
ひと月あたり、おおよそこの程度のコストが掛かります。

軽自動車コンパクトカー
維持費16,960円20,392円
車両代18,056円23,611円
合計35,016円44,003円

おおよそ、軽自動車で3万円代後半、コンパクトカーで4万円台ですね。
結構掛かるといえば、掛かります。

賃貸で2LDK・築20年強のマンションを借りる想定で、考えてみました。
駅近と郊外の家賃と更新料などを月割りすると、おおよそこんな感じです。
自動車のコストは、軽自動車で想定し、細かい端数は切ります。

駅から1分のマンション
車なし
駅から20分のマンション
車1台
駅から20分のマンション
車2台
家賃90,000円70,000円70,000円
自動車コスト0円35,000円70,000円
合計90,000円100,000円14,0000円

駅近・車なしのほうが、1万円安いのですね。
車2台だと、5万円差が付きます。
必需品と言っても、やっぱり車は贅沢品ですよね。

「ほどいなか」の場合、そもそも土地が安いので、意外と駅からの徒歩時間で家賃が変わりません。
(少なくとも、都市部よりは)
どちらが、自分にとって利便性が高いか、総合的に考えて、住む場所を決めると良いですね。

郊外に住むなら、戸建てか駐車場付きのマンションがお得?

「ほどいなか」の郊外は、車前提です。
ならば、駐車場代の掛からない戸建て住宅のほうが、得でしょうか?

「ほどいなか」のマンションは、駐車場がとても安い所があります。
分譲マンションの場合、全戸1台ずつ駐車場を確保し、自走式で月500円から、という物件もあります。
マンション自体が、車前提で、駐車代を安く設定しているのですね。
駐車場代は、物件でかなり差があります。
立体駐車場だと高いですし、全戸分確保していない場合は、敷地外の駐車場を借りる必要があります。

金額面だけではなく、家から駐車場が遠いのは、結構不便です。
「ほどいなか」の物件探しは、駐車場の有無、良し悪しも含めて検討しましょう。

遊びと車の関係

遊びには、やっぱり車が便利

ここまでの話しは、日常生活での話。
デイキャンプ、釣り、山登り、サーフィン、川遊び…
せっかく田舎に引っ越したのなら、休日は自然を満喫したり、レジャーを楽しみたいと考えているなら…
車があると、楽しいでしょう。
何と言っても、気軽に遠くへ出かけられるメリットは大きいです。

遊びのフィールドって、大体交通の不便な場所です。
バスも走っていないところも多いし、タクシーの営業所のない町や村もあります。
そういう場所へ気軽に行くには、やはり車がないと、不便です。
コストだけでは決められませんよね、車のある生活は。

持つべきものは、友人?

これは、遊びに限りませんが…
「ほどいなか」で車を持たない人は、社会的弱者とみなされます。
というわけで、皆、結構、親切に乗せてくれます。
友達、知人に助けられたことが、何と多いか!
もちろん、それをアテにしてはダメですが、でも助けられることも多いのも事実です。

「サラダ記念日」の俵万智さん、数年前に石垣島へ移住しました。
彼女のエッセイによると、車なしで生活しているそうです。
「ほどいなか」どころではない、本当の田舎で。
でも、どこか出かけるときでも、近所の人が乗せてくれ、案外何とかなる。
まあ、極端ではありますが、それに近いモノは感じます。
ただ、一方的ではなく…
親切にしてもらったら、自分が出来る範囲で、人に親切にすれば良いと思います。

今回の話をまとめると…
「ほどいなか」で暮らすといっても、住む場所を選べば、必ずしも車は必要ありません。
移住するから、車を買わなきゃ、と意気込む必要はありません。
もちろん、当然、あれば便利です。
ライフスタイルやコストを考えつつ、検討すれば良いのです。

次回は、「ほどいなか」の買い物事情について考察します。
田舎だから不便なのか、それとも「ほどいなか」だから充実しているのか?
様々な角度から、考察します。