東京都内道路の最高地点・風張峠。
E-バイク(電動アシスト自転車)ならば、ラクラク登れるのか?
奥多摩のレンタサイクル店・トレックリングのE-バイクで、チャレンジ。
桜咲く、奥多摩湖とともに、快適なサイクリングを楽しみました。
目次
普通の人でも、峠越えできる?E-バイクなら、ラクラク自転車旅行!
奥多摩のレンタルサイクル店・トレックリング
JR青梅線・奥多摩駅から、徒歩1分のトレックリング。西多摩エリアでは珍しいレンタサイクル店です。
マウンテンバイクやクロスバイクなどを、レンタル。中でもオススメなのが、E-バイクです。
E-バイクは、スポーツタイプの電動アシスト自転車。変速機も備え、坂道の多い奥多摩町を走るのに最適です。自転車の一種で、免許も不要です。
今回は、トレックリングさんとのコラボ企画。Eバイクを無償試供していただきました。
トレックリングのE-バイクは、1日・平日3,800円から、休日は4,300円から。ヘルメット持参の場合は500円引き、実質3,800円からレンタル可能。事前予約すると確実です。
予約はレンタル開始・10時間前まで、Web上で受け付け。営業時間内ならば電話でも予約可能です。
返却場所は、トレックリング店舗のほか、青梅市内の沢井、青梅駅付近・河辺駅付近などの指定箇所での乗り捨ても選択可能です。
予約は、ネットや電話で。Webサイトに自転車の詳細が記されています。分からないことがあれば、電話やWebお問い合わせフォームで確認するのが、良いかと。
店員さんは奥多摩に精通、的確にアドバイスしてくれますよ!
お借りしたのは、パナソニック製E-バイク。7段変速の付いたクロスバイクです。
整備も行き届き、ギアやチェーンもピカピカ。GPSも搭載し、万一のレスキューも万全です。
「パンクなどトラブルの場合、連絡をいただければ、車で代車を届けるのですよ」
この自転車で、都内の自動車道路最高地点の、風張峠を目指します。
標高は1,146m。高尾山はもちろん、御岳山より高い…
体力のあるロードバイク乗りならともかく、普通の人にはまず無理、というか無謀でしょう。でも、E-バイクなら登れるかも!
奥多摩から、むかし道を経て、奥多摩湖へ
では、風張峠を目指し、出発!
トレックリングから、青梅街道(国道411号)を西へ進みます。
桧村橋の手前、「橋詰」バス停付近から右折し、「奥多摩むかし道」へ。
トレックリングさんいわく
「青梅街道はトンネルが多いので、こちらをオススメします」
奥多摩むかし道は、かつて、江戸と甲州を結ぶ旧青梅街道を整備したコースです。
奥多摩むかし道の詳細は、下記リンクをご覧ください。
少し進み、公衆トイレを過ぎると、林道との分岐点。未舗装の道へ進路を取ります。
むかし道は、ハイキング客も通ります。歩行者に気を配り、ノンビリ走ります。
見どころも多いのも、奥多摩むかし道の魅力。
特に、オーバーハングの岩の下にある、白髭神社は必見です。
白髮神社の少し先で、舗装道路になります。
道端には、ニホンザルのお母さん。
赤ん坊が、乳首を思いっきり引っ張って吸うから、どんどん伸びちゃうんですよね。
小さな滝もあります。
中山橋を渡り、左折し坂を登ると、青梅街道・中山トンネル手前に出ます。
トンネルを慎重に抜けます。
トンネルを抜ければ、奥多摩湖はすぐ近くです。
奥多摩湖(小河内ダム)の放水口。
ダム建設の資材を運び廃線となった、水根貨物線の鉄橋。都の水道局が建設した鉄道です。
奥多摩湖から、奥多摩周遊道路へ
奥多摩湖畔に到着。
レストハウスもある、水道局のPR施設「奥多摩水と緑のふれあい館」を、見学するのも良いでしょう。
例年、4月初旬〜中旬にかけて、桜が見事です。
ツツジもキレイ!
ピーコックブルー(孔雀緑)に輝く湖と、桜。
なんか、峠へ行かなくとも満足しそうですが、先へ進みましょう。
湖畔沿いの青梅街道を進みます。所々、トンネルはありますが、アップダウンは少なく、快適なサイクリングを楽しめます。
真っ赤な峰谷橋を渡ります。この付近は、ダム建設で湖に沈んだ、小河内村の中心部。学校や家々があったと思うと、切なくなります。
峰谷橋から2kmほどで、「深山橋」交差点。左折し、橋を渡ります。
いよいよ、奥多摩周遊道路に入ります。
三頭橋を渡ると、本格的な山岳道路へ、いざ行かん。
もしかして楽勝? E-バイクの実力
ここからは、長〜い坂道をひたすら走ります。
でも、走り始めると…
あら不思議、楽勝ではありませんか!
E-バイクだと、まるで、後ろから押されるように進む、進む!
筆者は、青梅在住。郊外へ足を伸ばすと、坂も多い町です。
自転車だと、少しの坂道でも、結構きつい。時々休みながら、老体にむち打ち、ダマシダマシ…
それなのにE-バイクときたら、平地と大して変わらない感じで、グングン進みます。
三頭橋から4km弱先に、都立「山のふるさと村」ゲートがあります。
園内のごはんcafeやませみは、旨味が凝縮した無水のキーマカレーと、ヤマメのフライが絶品!
ランチタイムのラストオーダーは、14時30分。是非どうぞ。
天まで続くかのような道を、登ります。
途中、本格的なロードバイクに追いつきますが…
必死に漕ぐライダーを尻目に、軽〜く抜き去ります。
「楽して速くて、申し訳ないですなぁ」
とか思いつつ、得意満面・ドヤ顔の優越感。
凄いのは、E-バイクなんですけれどね。
スピードメーターを見ると、時速14kmくらい。平地のママチャリより速いですね。
E-バイクは軽く漕いでも、坂道を上がります。
むしろ、必死に頑張ってもアシスト量が減るだけで、軽く漕ぐ方が結果的に速い…
「急がば、回すな」
が、E-バイクの座右の銘でございまする。
標高992m・月夜見第一駐車場に到着。
湖畔から標高差460m・約9kmを40分程度で踏破しました。
駐車場からは、眼下に奥多摩湖の展望。
湖の畔は桜が咲いているのに、山の上は、まだ枯れた木々です。
月夜見第一駐車場から2kmほどで、月夜見第二駐車場に到着。すでに標高1,000mを超えました。
駐車場から2km弱で、標高1,146m・風張峠へ到着。シラカバ越しに、奥多摩の山々が望めます。
お決まりの1枚。
「東京で一番高い道路」の道標とのツーショットです。
追い越した、ロードバイク乗りですが、15分後に峠へ到着。
アシストなしで時速10km程度。これだけ長い坂道を、そのスピードで走るのだから、凄いものです。
なんと、川崎から自走で来たそうで、尊敬に値します!
お腹が減ったら、都民の森まで足を伸ばすと…
美味しい舞茸天丼や、舞茸天ざるが待っていますよ。
下りは往路を戻ります。
スピードをセーブし、慎重に走ります。
奥多摩周遊道路は時速40km制限、いい気になると、自転車でもスピードオーバーするかも?
奥多摩湖から、奥多摩むかし道をたどり、トレックリングを目指します。
斜陽の差し込む渓谷を見ながらの、サイクリング。
E-バイクとはいえ、やはり下り道は楽です。所々現れる、短い上り道も、アシストしてくれますしね。
今回は、風張峠へ行きましたが、奥多摩湖周辺、日原鍾乳洞、白丸湖などを自転車で楽しむのも良いでしょう。
車だと、ちょっと行きづらい海沢渓谷なども、サイクリング&トレッキングを気軽に楽しめます。
青梅・御岳渓谷まで、足を伸ばすにも良いかと。
渓谷沿いの遊歩道は自転車では入れませんが、徒歩と組み合わせるのも良いでしょう。
御岳渓谷の東にある小澤酒造で乗り捨てでき、帰りがけに利き酒も出来ますよ。
小回りと機動力が魅力の、E-バイク
奥多摩でE-バイクを乗り、レンタサイクルのメリットをいくつか…
と、自動車にケンカを売りましたが…
徒歩も自転車も自動車も、それぞれ、メリット・デメリットがあります。
でも、自転車レンタルも選択肢に入れると、グッと楽しみが広がります。
自然豊かな奥多摩でのE-バイク、きっと虜になりますよ!
インフォメーション
問い合わせ先・アクセス
●トレックリング
Webサイト… https://trekkling.jp
営業時間… 9:00 – 17:00(貸出し受付は15:00まで)
定休日… 不定休(Webサイトのカレンダー参照)
住所… 東京都西多摩郡奥多摩町氷川197
電話… 080-1024-4617(受付時間9:00 – 17:00)
JR青梅線・奥多摩駅より、徒歩1分
サイクリングマップ
E-バイクでの参考タイム(上り)
奥多摩駅 …〈1時間〉… 奥多摩湖 …〈20分〉… 深山橋 …〈50分〉… 風張峠
徒歩に比べ、行動範囲が確実に広がります。特にバスの走らないエリアでは魅力です。
自動車のように、駐車場で苦労しないのも、メリット。裏道も気兼ねなく走れます。
そして、電動だから、坂道もグイグイ進みます。
立ち止まって、風景を眺めたり、湧き水を楽しんだり。車だと、いちいち停める場所を探してとか、億劫になるけれど、自転車なら気軽です。小回りの良さが光ります。
程よいスピードで、風をうける自転車。花や鳥、動物など、走れば、様々な発見があります。今回も猿に出会えました!
とはいえ、現地に自転車を持ち込むのは大変。家から走るのも大変。E-バイクの場合は輪行(分解して鉄道に持ち込む)も難しいです。車に積むのも悪くありませんが、小回りの良さは半減します。
また、E-バイクはまだまだ高価。レンタルでお試しするのも、良いですね。
今回試乗したE-バイクは大容量バッテリーで、70〜90kmくらいは走行可能。
それでもEV(電気自動車)の百分の一程度の電力量です。ひとりあたりの移動に必要なエネルギーは、EVの1割程度(※)でしょう。
単純にいえば、E-バイクのほうが、10倍エコなのですね。
※40kWh・航続距離270km・乗員3人のEVと、400Wh・補助走行距離80kmの電動アシスト自転車での比較