コロナ禍で注目された、テレワーク。はたして、コロナ収束後も定着するのでしょうか?
企業・従業員それぞれに思惑があり、現時点では不透明なのも事実です。
働き方・住まいなど、ライフスタイルに影響の大きなテレワーク。
各種調査の結果をもとに、近未来を考察してみました。
テレワーク時代の、「程よい田舎暮らし」を考察する、ほどいなかシリーズ。
実際に「ほどいなか」に移住した経験をもとに、連載します。
住まいを選ぶ
- 程よい田舎に住む、という選択
- 程よい田舎へ移住する、理想と現実と金勘定
- 山派?海派?失敗しない、候補地選びのコツ
- マンション?戸建て?程よい田舎の、不動産屋が言わない、家選びのコツ
- 賃貸か持ち家か、程よい田舎では、どっちが得?
- 程よい田舎は、災害にも強い?災害大国日本の、リスクマネジメント
- 二千万円もお得?リタイアしたら、田舎で暮らす、メリットとは
- 都心でも、盛土?東京の造成地の、驚くべき実態
- 住居費と通勤時間を、経済的視点で計算すると…
暮らしは?
- 程よい田舎では、車は必需品?それとも不必要?
- 地産地消も楽しめる?程よい田舎の買い物術
- 地域格差をなくす?程よい田舎の、オンラインショッピング事情
- レストランはある?程よい田舎の外食事情
- 遠隔連携医療で変わる?程よい田舎の、医療の今と未来
- 学力、いじめ問題、健康…程よい田舎は、教育のユートピアか?
- 古くて新しい子供の遊び方「プレーパーク」とは
- 意外と便利?田舎での車なし・自転車生活
仕事は?
青梅・西多摩地区への移住
目次
ライフスタイルは、変わるのか?不動産や人材業の憂い
ポストコロナのテレワークで、業界激震?
コロナ禍で定着しつつある、テレワーク。
自宅など、職場以外で仕事をするスタイルは、企業経営や従業員のライフスタイルに大きな影響を与えます。そのような中、テレワークに大きな関心を寄せる業種があります。
不動産業と、人材業です。
テレワークが定着すると、不動産にも大きな影響があります。
ひとつはオフィスビル。テレワークが普及すれば、オフィスが縮小する懸念があります。
小さなオフィスが主流となり、レストランなどビジネス街の商業施設も衰退するでしょう。
一方、通勤が少なり、住宅のあり方も大きく変わります。郊外で暮らす人、逆に通勤時間を減らすため、会社に近い場所に住みたい、など今までと違ったライフスタイルが求められる可能性もあります。
派遣業・転職支援サービスなど、人材業もテレワークが広まれば、変革が求められます。
家で仕事をするテレワークでは、評価が「結果」重視となるでしょう。会社で一緒に仕事をしているのとは違い、
「あいつは頑張っているから」
「仕事はプロセスが大事」
のような評価軸はどうしても薄れ、成果主義となりがちです。
その結果、人材の流動性が高まり、転職や副業、さらには、外部スタッフでの業務も増えるでしょう。オフィスで仕事をせず、結果重視でならば、社員でなくとも能力があれば構わないからです。
三菱地所とパーソナル研究所の、テレワークの意識調査
三菱地所とパーソナル研究所では、テレワークに関する意識調査を定期的に行っています。
三菱地所といえば「丸の内の大家さん」。また、マンションなどの分譲住宅のデベロッパーでもあります。オフィス・住宅とも、今後のテレワーク事情で、大きく事業内容が変わる可能性があります。
ポスト・コロナにおけるワークスタイル 今と未来を考える” 就業者アンケート(PDF)
パーソナル研究所は、人材派遣のテンプスタップ、転職支援サービスのdodaなど、総合人材サービスのパーソルホールディングスのシンクタンク。テレワークで仕事のあり方が変われば、柔軟な対応が必要な立場です。
新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査(PDF)
三菱地所はオフィスや住居など「空間」に関する質問、パーソナル研究所は、人事を含めたワークフローに関する質問が多い傾向。
やはりというべきか、見比べると、経営母体の傾向を反映しています。
それぞれのスタンスを反映した調査をもとに、今後のテレワーク事情を探ってみます。
ポストコロナの、仕事と住まいは?
テレワークは、「蜜の味」ではなかった?
現状どの程度、テレワーク化が進んでいるのでしょうか?
2021年8月現在で、27.5%の方がテレワーク中。正社員が対象のインターネット調査なので、高めに出る可能性が高いものの、それなりの比率ですね。
ちなみに、非正規雇用の場合は17.6%と2割弱、飲食店などテレワークが難しい職種が多いのでしょうか。
2020年4月に1回目の緊急事態宣言が発令されましたが、ほぼ同じ比率で推移しています。
なお、東京に限ると、2021年7月末の東京のテレワーク実施率は47.3%、約半数となります。
上表は、「コロナワクチン普及後」の方針。テレワーク実施者・正社員従業員の回答です。
会社からの説明のない方が6割弱、まだ会社の方針が定まっていない感じです。
もっとも、方針が定まっている企業の場合、何らかの形で93%がコロナ収束後もテワレークを推進。これをベースに推測すると、テレワーク実施者の割合が27.5%ならば、コロナ後も25%の企業がテレワークを実施すると考えられます。
東京に限れば、40%以上の企業がテレワークを継続する見込みです。
一方、働く側は、今後もテレワークを希望するのでしょうか?
現在、テレワークをしている方の8割弱は、継続を希望。方針を決めた企業の9割以上が、テレワークを継続予定で、従業員のほうがやや消極的なのが、意外ですが…
とはいえ、今現在、テレワークを実施していれば、企業・従業員とも希望している以上、今後も継続する可能性が高いといえます。
さて、テレワークといっても、どの程度の割合で、自宅で仕事をしているのでしょうか?
三菱地所の調査を見てましょう。こちらは一都三県・正社員オフィスワーカーを対象とした調査。いわゆる、工場・店舗勤務者や、パート・アルバイトは含まれません。就労者全体よりもテレワーク比率が高い層ですね。
この結果から読み取れるのは、通勤の必要がまったく必要のない、「完全テレワーク」は5%程度です。
この結果から、正確に予測するのは難しいですが…
テレワーク定着といえども、週2〜3回の出勤が過半数、週1回程度の出勤が2割程度くらい、に落ち着きそうです。
パーソナル研究所の結果も見てみましょう。テレワーク非実施者も含む、正社員のアンケートです。
こちらはあくまで就労者の「希望」ですが、ひと月に1〜3日程度の低頻度のテレワーク族も含めると、オフィス派が半数を超えます。
意外に皆さん、会社へ通うのが好きなのか、通わざるを得ないのか?
とはいえ、週に2〜3日程度以上テレワーク希望が35%と、意見が割れます。
「程よくテレワーク」の行動パターンは、二極化?
「完全テレワーク」とはならず、さりとて「完全出勤」でもない、そんな方が多くなりそうな様相ですが…
テレワークと出勤が混在する中、住まいについて、どのような見解でしょうか?
三菱地所の調査では、「郊外の広い家に住みたい」「より勤務先に近い都心エリアに住みたい」が拮抗。
この種の質問は、やや誘導尋問的になるきらいがありますが…
「興味がある」人も含めると、どちらも2割程度。つまり、合計4割が引っ越しを考えています。
注目したいのは、20〜30代の若い世代が積極的なこと。すなわち、転職の多い世代ですね。
上のグラフは2020年8月の調査です。転職の条件として「テレワークに積極的」が重要な条件とする方が約半数。現在の勤務先や職種では不可能でも、いずれはテレワークしたい人が多いのでしょうか。
現在、テレワークが出来ない理由の、調査結果です。
「テレワークで行えない業務」が5割弱、「テレワーク制度の不備」が3割強など、本人の意思ではない理由が多いですね。
本当はテレワークしたいけれど、出来ない人が多いのです。
ならば、転職先はテレワーク可能な職場を探すパターンとなります。
すると魅力的な人材確保のため、企業側もテレワーク対応を迫られます。
狭い家でもラクラク通勤か、テレワーク重視で郊外移住か?
各種調査の結果から、推測すると…
- ポストコロナでも、テレワークは定着
- テレワークの頻度は、会社や職種によって、まちまち
- 完全テレワークは、ごく少数
- テレワーク出来ないのは、本人の意思ではない事が多い
- 転職など人材の流動化で、社会全体でのテレワークは広がる
- テレワークが浸透すると、都心回帰と、郊外移住の二極化が進む
という、ポストコロナの未来が見えます。
今後の都心の住居費にも依りますが…
子供のいる世帯では、中々都心に住めません。よって、共働きや単身者は都心、それ以外は郊外へ移住、というパターンが主流になるでしょう。
郊外といっても、完全テレワークは少数、通勤圏内が必須。都内勤務ならば、地方移住は現実的ではありません。
ならば、今までよりも、多少通勤時間は増えても、毎日でなければ許容できるエリアが注目されます。
当サイトは、西多摩エリアの地域情報なので、我田引水しますが…
青梅線沿線は、新宿・東京まで乗換なしで、時間こそ多少かかりますが、行きは座っての通勤も可能。
2024年にはグリーン車も増設されます。毎日でなければ、グリーン車を奮発して座って帰るのも良いでしょう。
このような、程よい田舎がエリアが狙え目です!
2021年10月に、青梅市で新築2LDK・8万円台の賃貸マンションの募集が、ありましたが… オープンルームを公開したところ、ほぼ即日完売。営業さんに伺うと
「立川あたりにお住まいの方が、さらに郊外へ引っ越すパターンが多いですよ」
とのこと。
住環境の良く安い居住費を求めて、より郊外へ移るのが、トレンドとなり始めたのでしょう。
教育・健康・移住関係のトピック
テレワーク時代の、「程よい田舎暮らし」を考察する、ほどいなかシリーズ。
実際に「ほどいなか」に移住した経験をもとに、連載します。
住まいを選ぶ
- 程よい田舎に住む、という選択
- 程よい田舎へ移住する、理想と現実と金勘定
- 山派?海派?失敗しない、候補地選びのコツ
- マンション?戸建て?程よい田舎の、不動産屋が言わない、家選びのコツ
- 賃貸か持ち家か、程よい田舎では、どっちが得?
- 程よい田舎は、災害にも強い?災害大国日本の、リスクマネジメント
- 二千万円もお得?リタイアしたら、田舎で暮らす、メリットとは
- 都心でも、盛土?東京の造成地の、驚くべき実態
- 住居費と通勤時間を、経済的視点で計算すると…
暮らしは?
- 程よい田舎では、車は必需品?それとも不必要?
- 地産地消も楽しめる?程よい田舎の買い物術
- 地域格差をなくす?程よい田舎の、オンラインショッピング事情
- レストランはある?程よい田舎の外食事情
- 遠隔連携医療で変わる?程よい田舎の、医療の今と未来
- 学力、いじめ問題、健康…程よい田舎は、教育のユートピアか?
- 古くて新しい子供の遊び方「プレーパーク」とは
- 意外と便利?田舎での車なし・自転車生活
仕事は?
青梅・西多摩地区への移住