2023年・中央線12両化で減便?それとも便利に?青梅線の将来を大胆予測!

2023年に、中央線・青梅線の列車が、既存の10両から12両編成となります。
グリーン車を2両増設し、普通車にもトイレを設置。
便利になるのは間違いありませんが、一方、青梅市民には懸念も。
現時点で判っていること、そして青梅線の将来を大胆予測します!

中央線・青梅線12両化とは?

グリーン車でゆったり通勤?

2023年に予定されている、中央線快速・青梅線の12両化。
現在の10両に加えて、2階建てグリーン車を2両、増結します。
グリーン料金はかかりますが、ゆったり都内を往復出来るのは、朗報です。

中央線12両化の列車編成
12両編成のうち、4・5号車が2階建てグリーン車

グリーン車は自由席で、必ず座れるとは限りません。
しかし、今まではほぼ座れなかった、新宿駅からの夕方の下り列車などでも、着席チャンスが広がると予想されます。
乗車時間が長い、青梅線沿線住民としては、嬉しいですね。

12両編成の対象となるのは、中央線快速列車の東京〜大月駅間、青梅線の立川〜青梅駅間で、中央線に直通する全ての列車です。
青梅線内のみで往復する列車は、10両編成が基本となるようです。
また、五日市線や八高線は、対象とはなりません。
現在、朝の通勤時間帯に、五日市線・八高線の中央線直通列車がありますが、2023年以降、どのような運転形態となるのかは、未定です。

また、グリーン車にはトイレが設置されます。
これも長距離乗車では、メリットですよね。
併せて、普通車にもトイレが設置されます。
普通車の方は、バリアフリー対応となります。

東青梅駅の、ホームの長さが足りない

12両化を実現するのは、意外と大変です。
大半の駅のホームは、10両編成に対応する長さしかありません。
2両分、ホームを40m延長せねば、なりません。

一番、工事が困難なのは、東青梅駅
立川側は、ホームのすぐ前が、踏切。
青梅側は、単線となるポイントがあり、その先は踏切です。

東青梅駅西側
青梅側からの、東青梅駅。
上下線が合流して、単線となる。

また、青梅線は東青梅駅から西側は単線。
東青梅駅の西側で、上下線を合流させているのです。
両端とも、ホームを伸ばしにくい駅なのですね。

東青梅駅は、単線になる

東青梅駅の、苦肉の先

現状では、両端ともホームを伸ばせない東青梅駅。
JRが考えた苦肉の策は、東青梅駅を単線化するアイデイアです。
駅の西側で単線としていたのを、駅の東側で単線にするのです。

東青梅駅・単線化(棒線化)イメージイラスト
東青梅駅・単線化イメージ

下り線を潰して、ポイントが無くなることにより、現在の上り線だけにしホームが延長できます。

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上のアニメーションは、東青梅駅西側を俯瞰したものです。
白い部分がホームとなる予想です。

東青梅駅、12両化ポイント工事
立川方面から、東青梅駅を望む

上の写真は、東青梅駅の立川寄りです。
赤く囲った部分に、単線化するためのポイントが既に敷設されています。
正式な発表はありませんが、東青梅駅の単線化は、決定事項なのでしょう。

単線となった場合の、懸念点

  1. 上下線が同じ番線から発車するので、乗り間違えしやすくなる
  2. ホームの片面に、上下線の乗客が並び、混雑する
  3. 単線化により、列車本数が減る

1番目の懸念点は、案内放送や案内表示を充実させることにより、ある程度防げるでしょう。
2番目は、上下線の乗車位置をずらすなどすれば、東青梅駅の乗降客数ならば、対応可能でしょう。
最大の懸念点は、東青梅駅で上下線のすれ違いが不可能となり、現在の列車本数を確保出来ない事でしょう。
果たして、列車本数は減るのでしょうか?

河辺駅・青梅駅の改良工事で、列車本数は確保できる

結論から先に…
物理的には、現在の列車本数は、確保できます
というのも、東青梅駅・両隣の、河辺駅、青梅駅のホームを増設することが、決定しているから。

青梅線12両化、青梅駅・東青梅駅・河辺駅の線路配置イメージ
東青梅駅は単線に、青梅・河辺駅はホーム増設へ

特に青梅駅では、奥多摩方面への列車が発着します。
ホームが増える事により、柔軟な運行が可能となるのでしょう。
青梅市役所では、東青梅駅単線化によって、列車の運行が現状通り可能かどうか、JR東日本・八王子支社に問い合わせをしました。
青梅駅等での改良工事により、技術的には現在の列車本数は確保できるとの回答でした。
また、当面は列車本数を維持する予定。
青梅市民としては、「とりあえず」ひと安心ですね。

河辺駅を青梅駅の、代わりにするのか?

しかし、長い目でみると、どうでしょうか?
立川方面からの列車は、基本、河辺駅終着とし、奥多摩方面の発着列車を、河辺駅始発とすることが可能となります。
今まで青梅駅が担っていた、乗換駅の機能を、河辺駅とする運用にしてしまうわけです。
それは河辺〜青梅駅間の列車本数が、激減することを意味します。

これは、東青梅・青梅駅の利用状況次第でしょうか?
需要のある路線の減便は、むやみにはしません。

駅名1990年1999年2009年2019年備考
立川114,800人126,791人158,068人166,636人JRのみ
昭島18,450人22,123人25,963人26,016人
拝島15,882人26,653人28,351人29,946人JRのみ
羽村15,564人13,716人14,095人13,687人
小作14,219人16,822人17,525人16,111人
河辺12,323人13,934人13,460人13,417人
東青梅6,644人6,634人6,864人6,493人
青梅8,586人8,027人7,336人6,349人
日向和田707人1,047人978人
御嶽986人678人622人
白丸66人93人79人
奥多摩1,622人1,500人913人866人
青梅線内 駅別乗車人数(1日平均)

上の表は、青梅線内の駅の1日平均の乗車人数です。
青梅駅を境に、ひと桁減っています。
青梅駅以西で一番栄えている奥多摩駅も、2019年には866人と、激減しました。
白丸駅にいたっては、百人にも満たない状況。
東京の過疎地といっても、過言ではありません。

青梅駅を、乗換駅としている理由は、ここから西は、乗車人数があまりにも違いすぎるからです。
この状況が大きく変わらない限り、奥多摩方面行きの列車は、青梅駅始発が中心でしょう。

河辺駅止まりの列車は、増えるのか?

現在でも、河辺駅始発・終着の列車は、各平日6本、休日2本。
朝のラッシュ時を中心に、始発列車を設定しています。
東青梅・青梅駅の乗車人数は1日に6千人強、河辺駅の半分程度です。

現在も河辺駅始発の列車はありますが、全て終着列車の折返し運転です。
ホームが増えることによって、始発列車の運用がしやすくなるでしょう。
よって、河辺駅始発の本数が増える可能性はあります

青梅市民、特に東青梅・青梅駅利用者にとっての関心事は、河辺駅止まりが増え、河辺〜青梅駅間の列車本数が減る可能性、でしょうか?

1990年1999年2009年2019年備考
秋川4,901人6,814人7,362人6,499人
武蔵五日市5,356人4,975人4,698人4,164人終着駅
五日市線 駅別乗車人数(1日平均)

上の表は、五日市線の駅での、1日あたりの乗車人数です。
あきる野市の代表駅・秋川駅で、東青梅・青梅駅とほぼ同乗車人数です。
JRにしてみれば、青梅線・河辺〜青梅駅間は、五日市線と同程度の輸送力で構わないはずです。
現在の青梅線・河辺〜青梅駅間が優遇されているのか、五日市線は冷遇されているのかは分かりませんが…
河辺駅での折返し運転がしやすくなれば、将来、この状況が変わるかもしれませんね。

青梅線
青梅駅発・東京方面行き
←←うち・立川止まり五日市線
秋川駅発・拝島方面行き
106本52本52本

現在、青梅線の東京方面行きの列車は、106本。
参考までに、五日市線・秋川駅発・拝島(東京)方面行きは、52本。
平日・昼間は1時間に2本程度の本数です。

本数が違い一律には言えませんが、青梅線では、立川行きの列車は、全て河辺駅発としても輸送能力に不足はない、筈です。

青梅線の将来を、大胆予測

データから紐解く、青梅線の将来

以上のデータなどから、青梅線の将来を予測します。
これは、当サイトの勝手な予測であり、JR東日本や、自治体の見解ではありません。
自分が鉄道会社の経営者ならばこうする、という、妄想です。

  1. 2023年の中央・青梅線の12両化時点では、列車本数は変更しない
  2. しかし、近い将来、基本「青梅〜東京直通」「河辺〜立川」の2本立てとなる
  3. 日中は1時間あたり、東京直通3本・立川〜河辺間を2本程度、結果として、河辺〜青梅駅間は、減便
  4. 五日市線・八高線東京直通列車は、拝島で青梅線と連結する
  5. 青梅〜奥多摩間は、更なる減便でワンマン運行となる

根拠を説明しましょう。
まず、1番目。
河辺駅・青梅駅の工事は、12両化で本数を減らさないため、というのが大義名分です。
12両化して、すぐに減便するのは、反感を買うでしょう。
少なくとも2〜3年は、現状維持すると予想します。

2番、3番目については…
そうは言っても、河辺〜青梅駅間は、乗客が少ないのも事実。
現在、青梅線上りの日中(8〜16時)は49本の列車が走っています。
ほぼ、1時間に5本の運行です。
うち、東京直通は26本、立川止まりは23本。
直通列車を増やし、昼間は、1時間あたり、直通3本、立川止まり2本くらいに落ち着くのでは?
直通増発については中央線快速との、兼ね合いもありますが…

直通運転を増やす理由は、グリーン車で増益を図る狙いがあります。
東京〜青梅間のグリーン料金は、平日1,000円、ホリデー800円(事前料金)。
新宿までなら平日780円、ホリデー580円。
グリーン車は、短距離では乗らないでしょう、大抵は。
プラス580〜1,000円出して乗るのだから。

ちなみに、青梅・東青梅駅から乗降する人の1割が、グリーン車に乗るとすると…
それだけで、一日あたり、200万円程度、年間で7億円ほどの売り上げとなるでしょう。
2019年度の青梅線の売り上げ(旅客運輸収益)は90億円弱、経営的には、魅力的な金額です。

コンスタントに直通列車を走らせれば、グリーン車での増益となります。
中央線快速は、1時間に1〜2本、立川止まりの列車があります。
ダイヤを上手くやり繰りし、中央線直通を増やすと予想します。

五日市線・八高線の東京直通列車は?

五日市線・八高線・青梅線の連結編成
拝島駅で、連結

4番目の、五日市線・八高線の東京直通列車について。
現在、平日朝2本、休日1本のみ、五日市線・八高線の東京直通列車が運行されています。
拝島駅で、五日市線6両と、八高線4両を連結しての運行。
12両編成化すると、五日市線各駅のホームの長さが、足りなくなります。
おそらく、青梅線8両と、五日市線・八高線4両を拝島駅で連結して運行するのでは?

青梅〜奥多摩間は、減便は避けられない?

5番目に、青梅〜奥多摩駅間の減便について。
東京都の人口予測では、2030年には、奥多摩町の人口が現在の約3分の2の3,500人程度と見込んでいます。

単純に乗客が3分の2になるとすれば、1時間に1本程度の運行となるでしょう。
本数だけではなく、短い2両編成でのワンマン運行をするでしょう。
極論ですが、青梅〜奥多摩間の所要時間は32分程度、1時間に1本程度なら、1編成だけでピストンすれば事足りるわけです。

減便を防ぐには?

現在の状況をもとに、青梅線の将来をシミュレーションしてみました。
やや、悲観的な予測となりました。
乗降客から推測すると、数年後、河辺駅始発・終点の列車が増える可能性は、高いと思います。
それを防ぐには、河辺駅以西の青梅線を活性化する以外ありません。
沿線人口を増やし、観光を活性化するなどの施策が必要でしょう。

特に、奥多摩町の人口の減少が、気になります。
2020年には、ついに5千人を割り込み、20年前の3分の2以下となりました。
とはいえ、明るい話題がないわけではありません。
テレワークなどの普及により、田舎暮らしが定着する兆しもあります。
知恵を絞って、新しい方策を打ち出すことが肝心ですよね!