【ほどいなかに住もう】その10…リモートワークに、書斎は必要?程よい田舎の仕事術

コロナ渦で、リモートワークを「体験」した人も多いはず。
家で仕事をして感じるのは、会社(職場)というのは、何だかんだいっても、「仕事をする環境」が整っている、ということでしょう。
日本のオフィスは狭いとはいえ、デスクもコピー機も書類棚もあります。
もし、本格的にテレワークが浸透するならば…
家で仕事をする環境と、住むべき場所を、考えてみます。

●日本のリモートワーク事情

なし崩し的に始まった、日本のリモートワーク

日本でのリモートワーク。
2020年開催予定だった東京オリンピックに向け、都や国が推進していましたが、正直、さほど浸透しませんでした。
しかし、2020年4月のコロナウイルスでの緊急事態宣言を受け、大企業のみならず、中小・零細企業までもがリモートワークを実施しました。


出典/リクルート住まいカンパニー
「新型コロナ禍を受けたテレワーク×住まいの意識・実態」

「リクルート住まいカンパニー」が2020年4月に行った調査によると、2019年11月に比べ、会社員・公務員のリモートワークが30%以上増加しました。
コロナ渦で慌てて、リモートワークを実施したわけです。

また、この調査では「コロナの影響でリモートワークを始めた」が71%を占めています。
おそらく、会社側も従業員側も、殆ど準備期間なしでリモートワークをした、ということでしょう。
ビジョンもポリシーもなく、なし崩しで始まったのが、実情です。

リモートワークのコスト

家で仕事をすれば、それなりにコストが掛かります。
ざっと考えても…

  • 光熱費
    パソコン・照明、冷暖房等の電気・ガス代など
  • 通信費
    電話回線、インターネット回線接続費用、宅配便代など
  • 備品等
    テーブルや椅子、通信機器などを購入、またはレンタルした際の費用です。
    今回、Web会議用のカメラなどを購入した方も、多いのでは?
    また、文具等の消耗品代も掛かります。
  • 場所代(賃料)
    これは、意外と議論の対象となりませんが。
    在宅勤務とはつまり、企業が「従業員の自宅スペースを借りて」勤務させることに、他なりません。
    曖昧にするのは、イカンと思いますね。
    仮に1坪程度の面積が必要だとすると、例えば33㎡/月6万円のワンルームマンションならば、面積比で月に約6千円の賃料が発生します。
    厳密にいえば、清掃費や火災保険料なども発生しますし。

    コワーキングスペース(時間貸しオフィス)をもとに賃料を換算した場合、もっと高くなります。
    都心ならばデスクひとつのスペース貸し出しで1日・1,500円程度、八王子あたりで1,300円程度。
    仮に1日千円で計算しても、月に2万円程度となります。
    賃料をどのように計算するかは、何らかのガイドラインが必要ですが、不動産はタダではないので、コストは確実に掛かっているのですね。

今回のコロナ渦でのリモートワークですが、分かりやすい費用、例えば通信費などは、支給された企業が多いようです。
また、通信費込みのモバイルWi-Fiルーターを、支給した会社も多いですね。
大手企業に勤める知り合いは、会社からインクジェットプリンターが支給されました。
また、会社で使っているパソコン・スマホなどを家に持ち帰り利用すれば、とりあえず利用できますし。
また、消耗品などは今までのルールを転用できるので、さほど問題はないでしょう。

しかし、光熱費や場所代は、殆どの企業で支給されていないようですね。
なし崩しでリモートワークを実施して、就業規則などの改定など、ガイドラインが間に合わなかったのでしょう。

厚生労働省の見解では、費用負担に関して、ルールの明確化を企業に求めています。

テレワークに関わる費用負担区分については、テレワークを導入する前に、通信費・水道光熱費など負担について明確なルールをつくり、従業員に対して、丁寧に説明することが必要です。

テレワーク導入ための労務管理等Q&A集〜厚生労働省

おそらく、今後は「リモートワーク手当」のような労働契約を結ぶ方向、または、法整備がななされるでしょう。
企業としても、リモートワークが定着すれば、オフィスの縮小やオフィス用品の購入削減、通勤費用が圧縮できます。
その分を回わせば、月3〜5万円程度の手当を支給しても、充分、割に合うはずです。
しかし、会社というのは得てしてシブチン、せいぜい手当は月1〜2万円程度、セコい会社なら3千円とか、手当無しとか、野口英世もビックリな感じで、落ち着きそうです。


出典:日経クロステック
IT業界で相次ぐ新型コロナ対策の在宅勤務手当

日経クロステックによると、IT企業を中心に「リモートワーク手当」的なものを支給したようですが、多いところで、月2万円程度。
月に1万円程度の会社が、大半です。
ここに挙げられた企業は、かなり先進的。
その他の企業では、さして知るべしでしょう。
法改正などがなければ、リモートワークのコストは、実質的に従業員側が、かなりの負担をする公算が強そうです。

●リモートワークに書斎は必要か?

結論から→あったほうが、絶対良いです

「書斎」は無理でも、少なくとも、仕事をする机と椅子は、有ったほうが良いに決まっています。
たとえば、子供の学習机普及率を見てみましょう。


出典:子どもとお出かけ情報サイト いこーよ2019年 学習机調査

小学生でも6割以上、中学生は8割以上、ちゃんとした学習机で勉強しています。
コドモですら、勉強するのに机が必要なんです。
オトナが仕事をするのに、机がないなんて、効率が悪くて仕方ない…
幼稚園児でも2割が持っているから、机がなければ「幼稚園児未満」の仕事しか出来ないでしょう。

コロナ渦で数週間だけなら我慢できても、ソファーに座ってローテーブルで仕事とかしたら、腰を悪くしますよ。
冬はこたつでお仕事、なんてのも悪くありませんが、きっと眠ります。
ダイニングテーブルのほうが、まだマシですが…
会社から支給されたノートパソコンに、カレー南蛮でもぶち撒けられたら、悲惨です。
そもそも、家族が食事をするたびに、仕事道具一式を引き上げるのは、かなり面倒です。

独立した書斎がない場合でも、小さな専用デスクがあると、便利でしょう。
ライティングデスクならば、折りたたむと奥行きが30cm程度、広げればノートパソコンで仕事す程度のスペースはあります。
本棚くらいのスペースで、専用机が確保できます。
ただ、やはりもう少し広いデスクのほうが、作業効率は良いですね。

独立した書斎が必要なのは、機密情報や個人情報を扱う仕事でしょうか。
もちろんこれは、会社として、どのように機密情報をリモートワークでも取り扱うか、そのルール作りにもかかわる問題です。
いわいるコンプライアンス、というやつです。

社会全体のリモートワーク化が加速するならば…
情報そのものは、パソコンを通じてクラウドなり、社内サーバーのみで保管するとしても「実作業をする場所」などを管理する技術も生まれるでしょう。

たとえば、機密情報にアクセスしている時は、パソコン内蔵の全天カメラで周囲を撮影し、情報漏洩がなかったどうかチェックするような、ドライブレコーダー的なモノで安全を担保するシステムとか、出てきそうですよね。
そういう、社外でも機密情報を扱える技術が確立したら、独立した部屋で仕事をするのが、最低条件となります。

ならば、近い将来、リモートワークが一般化した場合、「独立した部屋」を持っていることで、仕事の幅を広がったり、転職・就職が有利となるでしょう。
「要普通自動車第一種免許」みたいに「要書斎」みたいなのが、採用条件になるわけです、多分。

「ほどいなか」ならば、書斎が持てる?

さて、「ほどいなか」=程よい田舎に引っ越すと、どの程度、家賃や家の広さが変わるのでしょうか?
不動産は、物件ごとに条件が違い、比べるのが困難ですが、あえて比較してみましょう。
住宅情報サイトSUUMOの賃貸物件から、ピックアップしてみます。
(2020年7月現在)
まずは都区内、練馬区の場合です。
石神井公園駅から池袋まで、10分強。便利な場所です。

都区内(東京都練馬区)のマンション
家賃…8.9万円 管理費・共益費: 3000円


西武池袋線/石神井公園駅 歩8分
間取り 2K
専有面積 42.32m2 3階
築27年

独身か、夫婦ふたり用ですかね。
この種の間取りとしては、収納が多めです。

都区内(東京都練馬区)のマンション
家賃…15.2万円 管理費・共益費: 10000円

西武池袋線/石神井公園駅 歩5分
間取り 3LDK
専有面積 61.8m2 2階
築19年

収納も多いし、南向きの中々良い家です。
オートロック付きのマンションです。

「ほどいなか」に引っ越すと…
小作駅から新宿までは、特快で53分。

ほどいなか(東京都青梅市)
家賃…8.7万円 管理費・共益費: 3000円

JR青梅線/小作駅 歩5分
間取り 3LDK
専有面積 60.45m2 4階
築23年

これは、分譲マンションの賃貸物件ですね。
遮音に優れ、オートロック・宅配ロッカー付きの、分譲マンションクオリティーの物件です。

上にあげた例だと…
ざっくり言って、「ほどいなか」に住めば、同じ家賃なら2部屋増え、広々したリビングが手に入ります
例えれば、ウサギ小屋から、牛舎くらいのグレードアップです。
同じ広さならば、家賃が6割弱・月7万円もの節約になります。

夫婦子供3人の家庭ならば、3LDKあれば、書斎も可能です。
リビング・ダイニングにデスクコーナーを設けるなど工夫すれば、子供2人でも対応出来るでしょう。
というか、子供のいる家庭で書斎を持つとなると、この程度の家が必要となります。

年収の25%が家賃の安全圏とすると、家賃16万円だと、年収750万円強。
平均的なサラリーマンの場合、共働きなら何とか、という感じですよね。
独身ならともかく、都心で、快適なリモートワークをするには、かなりの財力は必要となります。

というわけで…
都心でリモートワークは、結構無理がありますよね。
手当が、月5万円くらい出れば可能でしょうが、先の例でも、せいぜい2万円も支給されれば御の字みたいな風潮です。
だとすれば、都心まで通う日数が少なければ、「ほどいなか」に引っ越したほうが、良いですよね。
クオリティの高い仕事環境が、構築できるでしょう。

都会の狭い家でテレワークをするなら、むしろコワーキングスペースを借りたほうが、良いかもしれません。
1日1,500円程度、快適性の必要経費として、必要に応じて借りるイメージです。
ただし、家の近くにあれば、ですし、経費で落とせないのなら、馬鹿らしいですがね。

「ほどいなか」の超格安賃貸は?

まあ、これはオマケ的な話ですが…
「ほどいなか」には、コワーキングスペース、いわゆる時間貸しオフィスは、ほとんどありません。
図書館やファミレスやカフェで仕事をする、みたいなゲリラ的な方法もありますが、オススメしません。

まず、図書館は、学生が多く座席が確保できるとは限りません。
それに、飲み物は持ち込み禁止で、長時間の仕事には向いていません。
ファミレスやカフェは、椅子が仕事向きではありません。
回転率を上げるため、あえて長く座れないような椅子にしていますから。

意外と現実的なのは、格安の賃貸を借りてしまうことでしょうか。
たとえば、こんな物件があります。

ほどいなかの格安物件
家賃… 2万円 管理費・共益費: 無し


JR青梅線/東青梅駅、徒歩7分
間取り 1K
専有面積13m2 1階
築33年

要は、「ほどいなか」に引っ越して、本邸とは別に、仕事部屋も借りちゃうのです。
2物件借りても、10万円でお釣りがくるでしょう。
上の例ですが、築33年、というと古そうに感じますが、鉄筋コンクリート造で、新耐震基準の建築基準法で建てられているので、実用的にはノープロブレムです。

このスペースなら机と椅子を置いて、仕事部屋にするには、悪くない広さです。
ベッドを置くと、途端に狭くなりそうですが。

ミニマリストになる勇気があれば、ここで暮すのも良いかも。
家賃が2万円ですよ、2万円。
都心のトランクルームより安いです(笑)
13m2は、かなりな狭さですが、起きて半畳・寝て一畳みたいな何も持たない生活をすれば、月5万円とかで暮らせるかも?

今の都心は、いかんせん、住居費が高すぎます。
リモートワークも含めて、家で長く過ごす生活には、向きません。
通勤が少なくなるのならば、程よい田舎=「ほどいなか」に住むことを検討しましょう!

次回は、程よい田舎=「ほどいなか」の、外食事情について探ってみます。
「ほどいなか」でも、外でグルメが楽しめるのか否か、考察してみます。