東京都・檜原村の浅間嶺。
奥多摩の入門コースとして人気があります。
いにしえの古道の辿り、富士山信仰の山へ登り、「日本の滝百選」払沢の滝へ。
変化に富んだトレッキングコースです。
目次
かつて山里の生活道路だった、富士信仰の山、浅間嶺
上川乗から、霧の森を往き、古甲州道の尾根へ
JR五日市線の終点・武蔵五日市駅より、西東京バスで40分弱、上川乗バス停で下車。
バス停裏手には公衆トイレのあり、志度をして出発します。
都道206号を少し上り、小さな橋を渡ると右手に浅間嶺登山口。
低山の登山コースとはいえ、初っ端から中々の急登。高尾山や御岳山に比べると、歩く人も少なく静かな山が楽しめます。
台風一過の日で、秋晴れとなるかと期待しましたが… 霧が立ち込め、これはこれで美しい。
今回のコースは「関東ふれあいの道」でもあり、指導標も完備。良く整備されています。
尾根筋ですが、やや東斜面を巻く道。所々、東側が開け、山里の民家も望まれます。
辺りは霧に包まれます。とはいえ、しっかりした道筋で不安なく歩けます。
杉林も霧に包まれると、見違えるように美しい!
道端にはマツカゼソウ。
雨上がりの木に、苔とキノコ。
霧の道を往きます。
初秋なのに、目に青葉。
急登を登り詰めると、浅間尾根・稜線の峠に到着します。
尾根を歩き、浅間嶺へ
浅間嶺(小岩浅間)へは、峠から西へ向かいます。
5分ほど歩くと、青いトタンに囲まれた「富士浅間大神」に到着。
富士山信仰の浅間神社。祠も祀られています。
崩壊してしまったのでしょうか?祠の屋根と思しきものが、近くにあります。
山頂直下の、広葉樹の森。幻想的と言わずとして、なんと言う。
標高903mの浅間嶺(小岩浅間)山頂に到着。森に囲まれ、展望は効きません。
峠まで引き返します。左手に休憩所があり、トイレも完備。
休憩所付近からは北方面が開け、山々も望まれますが… 今日は見えません。
休憩場近くの広場に、なぜか、彼岸花が咲いてます。
峠へ戻り、指導標に従い、浅間嶺展望台へ登ります。
ひと登りで、標高890mの浅間嶺展望台に到着。
先ほど登った小岩浅間より低いけれど、富士山も望まれます。テーブル付きのベンチもあり、昼食を楽しむのも良いでしょう。
古甲州道を歩き、払沢の滝へ
浅間嶺展望台から浅間尾根をたどり、東へ下ります。
秋の気配が漂う道を往きます。
地味な花が多い初秋に、ひときわ目立つタムラソウ。
秋らしく、ハギの仲間のマルバハギも。
緩やかな道をノンビリと、稜線万歩。
この道は、武蔵国と甲州を結ぶ「古甲州道」です。
江戸幕府が甲州街道を整備する以前、生活道路として、時には軍道として利用されてきました。
甲州街道に比べると距離も長く高低差もありますが… 尾根道を上手く使い、洪水などにも耐える道だったのでしょう。
現在は、「浅間尾根として親しまれています。
浅間嶺休憩所から、直接下る道と合流します。
しばらく歩くと、明るい森林伐採地に出ます。
キバナアキギリの花。花の上から、紫色の雄しべがニョキッと出ています。
露をまとった野菊も。
そよ風に揺れる、ミズヒキの花。
途中、大岳山方面の展望も楽しめます。
いつしか、沢沿いの道へ。苔むした清流沿いを下ります。
しばらく下ると林道へ出ます。
大山祇神社に到着。
しまなみ海道で有名な、瀬戸内海・大三島に総本社があります。
海の神様として有名ですが… 山の総元締でもあるのですね。
峠の茶屋の前を通り、更に下ります。
時坂峠の林道は、「激坂」スポットで、ロードバイクの人が結構います。よく上れるなと感心。
時坂峠への分岐に到着。左折し、一般車両通行止めの林道を歩きます。
道端には、サザエさんの髪型みたいなクサボタンの花。
しばらく歩くと時坂峠に到着。再び山道を下ります。
指導標を頼りに、登山道と林道を交互に歩けば、払沢の滝駐車場に到着します。
ここから滝までは片道15分、せっかくなので、見に行きます。
払沢の滝は、「日本の滝百選」の名瀑。台風一過の頃は水量も多く、見ごたえがありますね。
四季折々美しい滝ですが、冬の結氷は見事です。
払沢の滝からバス停まで15分程度。バスの時間を確かめて下りましょう。
バス停から10分ほど歩くと、檜原村役場。役場内には、カフェせせらぎがあります。
休日も、9時〜17時と営業時間が長く、ひと休みするのの最適ですよ。
インフォメーション
登山地図
上川乗バス停… 2時間 …浅間嶺休憩所… 15分 …浅間嶺(小岩浅間)…15分 …浅間嶺展望台… 1時間20分 …大山祇神社… 30分 …時坂峠… 40分 …払沢の滝入口バス停
ー計5時間ー
※払沢の滝入口〜払沢の滝は、往復約30分
アクセス
【行き】
JR五日市線・武蔵五日市駅より西東京バス「数馬」「都民の森」行にて、「上川乗」バス停下車
【帰り】
西東京バス「武蔵五日市駅」行バスにて、終点下車
コースの状況など
- 特に危険な箇所はないが、冬場は路面凍結に注意
- 雨の日などやや滑りやすい箇所あり
- トイレは、上川乗バス停、浅間嶺休憩所、払沢の滝駐車場、払沢の滝入口バス停付近にあり