自然豊かな、東京・檜原村。
払沢の滝が有名ですが、他にも名瀑が多数あります。
夏でも比較的涼しい沢を散策し、天狗滝・綾滝へ。
初夏はヤマユリも咲く、野趣溢れる滝です。
目次
マイナーなのに名瀑! 東京西端・檜原村の滝巡り
千足から、小天狗の滝へ
島しょを除き、東京唯一の村・檜原村。
村の9割以上が森林の自然豊かな村です。険しい谷には、名瀑も数多く点在します。
今回は、大岳山・馬頭刈尾根(まずかりおね)山腹の天狗滝・綾滝を訪れました。
起点はJR五日市線・武蔵五日市駅。駅前から、藤倉方面行きのバスに乗ります。
運が良ければ、檜原村ひのじゃがくん&西東京バス・にしちゅんラッピングバスに当たることも!
座席も特別仕様です。
「千足」バス停で下車し、都道を30mほど北へ。「天狗滝・綾滝」の道標のある道を右折します。
なお、この先、一般車が駐車できるスペースはありません。車での入山は、近隣の「払沢の滝駐車場」を利用すると良いでしょう。
都道から50mほど進むと、右手に御霊檜原神社。檜原城主・平山氏重を祀った神社です。
京王線に「平山城址公園駅」がありますが… 檜原城は平山城の支城にあたります。
古甲州道はこの近くを通り、江戸時代以前は防衛上、重要な拠点だったのかもしれません。
古甲州道については上記をどうぞ。
神社から200mほど進むと、公衆トイレが現れます。
舗装道路ながら、結構な急坂を登ります。
OineVillageキャンプ場の横を通ります。余裕があれば、ここで前泊するのも良いかも。
苔むし、朽ち果てそうな道標ですが… ここは「関東ふれあいの道」、東京都が管理しています。
路肩も狭い林道を往きます。
振り返れば、遠くの山々が望まれます。
道ばたにはギボウシの花。
ヤブカンゾウの花も。
マンネングサでしょうか?道ばたに群落がありました。
ゲートを過ぎ、更に進むと林道の終点に到着。都道から1km弱、標高差230mほど登りました。
林道終点から少し歩くと、飛び石づたいに沢を渡ります。増水時はキッパリと引き返すと良いかも。
苔むす沢の清流。
沢の崖にはヤマユリの花も。
沢を渡ると、道が二股に分かれます。「天狗滝」方面へ進みます。
やや急登な針葉樹林の道。
沢を渡渉します。少々分かりづらいので、対岸の道を見定めます。
沢には文字通りの「丸太橋」。山中で出会った登山者は、ここで滑って沢に落ちたとか。
水量が少なければ、渡渉したほうが安全かも? どちらにちろ、気を付けて渡りましょう。
沢を渡り、急坂をひと登りすると「小天狗滝」に到着。
落差8m程度と小ぶりですが…
森に囲まれた優雅な滝です。
天狗滝を経て、綾滝へ
小天狗滝から、ひと登りすると天狗滝に到着。
滝の岩壁に白い花が…
目を凝らすと、健気にヤマユリが咲いています!
天狗滝は落差20m。滝周辺は南面が開け、明るい雰囲気です。
ほぼ垂直なチャート(堆積岩)を滑るように落ちる滝。
チャートを砕き、酸で溶かして顕微鏡で覗けば… 数億年の昔、海底に棲息した放散虫の化石が見える、とか。壮大な地球の歴史が感じられます。
天狗滝から綾滝を目指します。標高差約100mの沢沿いの道を歩きます。
付近は水源かん養保安林。
天狗滝から約700m・標高差約150mを登れば、綾滝に到着。
天狗滝と同様、岩壁にはヤマユリが咲いています。
ヤマユリは、日本の固有種。大柄で見栄えも良いユリです。
結婚式のブーケでお馴染みのカサブランカは、ヤマユリを品種改良したモノです。
綾滝から尾根を登り詰めれば、馬頭刈尾根に到達し、大岳山・御岳山への縦走も可能ですが… 夏の奥多摩山地は暑いので、今回は、綾滝で引き返します。
沢沿いを下ると、天狗滝をパスする分岐があります。沢沿いよりも安全に下れます。
桟道もある森の道。
急坂もあり、慎重に下ります。
林道手前で天狗滝方面との道と合流。往路を通り、千足バス停を目指します。
千足からのバスは本数が少ないのが難点。待ち時間がある用ならば、「払沢の滝入口」バス停まで歩きます。都道を南へ1kmほど、途中に茅倉の滝もあります。
時間に余裕があれば、払沢の滝を見学するのも良いでしょう。ただし、夏は清涼スポット、休日は人出もそれなりにあります。山奥の滝巡りの後だと、賑やかすぎるかもしれませんね。
インフォメーション
マップ
千足バス停… 25分 …林道終点… 10分 …小天狗滝…5分 …天狗滝… 25分 …綾滝… 40分 …林道終点… 20分 …千足バス停
ー計2時間5分ー
アクセス
JR五日市線・武蔵五日市駅より西東京バス「藤倉」行にて、「千足」バス停下車
コースの状況など
- 数ヶ所、沢の渡渉あり。増水時は無理は禁物。
- 雨の日など、滑りやすい箇所あり。
- トイレは、林道に1ヶ所、他に払沢の滝入口にもある。
- 道は明瞭だが沢に迷いこまないよう注意。
- 林道以外は、ほぼ携帯電話の圏外。