今なお、広大な雑木林が残る、青梅の森。
モミジを始め、秋は紅葉の美しい丘陵です。
駅から歩ける森から、歴史ある石動神社・北向地蔵尊へ、散策しました。
目次
落ち葉を踏みしめ、静寂な森を彷徨する
趣あふれる山里から、ムササビ広場へ
「青梅の森」は、東京都・青梅市郊外の丘陵。
開発をま逃れ、自然の残る貴重な森です。
起点はmJR青梅線・東青梅駅。駅・西側の成木街道を北へ。
1kmほど歩き、「羅随庵(らずいあん)」の看板がある三叉路を左折します。
緩やかな谷地を、ノンビリと歩きます。辺りは、懐かしい農村風景が広がります。
舗装道路も終わり、「青梅の森」のプロムナードに。
道沿いのモミジ。この付近の紅葉は、11月下旬〜12月上旬が見頃です。
分岐から500m少々歩くと、ムササビ広場に到着します。
辺りは湿地帯。春には、ネコノメソウ科の花も咲きます。
ムササビ広場から、おにぎり岩を経て、ふたつの展望台へ
今回は、「おにぎり岩」方面へ。湿地帯に設置された木道を歩きます。
フユイチゴの果実。野生のイチゴは、不味いモノも多いですが…
これは、結構イケます。
晩秋でも花を付ける、ノハラアザミ。
沢沿いに山腹を巻きながら、犬谷津峠へ向かいます。
犬谷津峠に到着。おにぎり岩まで50mほど、すぐ近くです。
おにぎり岩は、硬い石(チャート)。風化せずに、ここだけ岩が残っています。
元々は、海底の生物の骨や殻が堆積してできた岩です。
硬く利用範囲の広いチャートは、縄文人は石器として使っていたのだとか。
ここで、おにぎりを食べたい気分ですが、ベンチはありません。
おにぎり岩から、犬谷津峠へ戻り、そのまま南の稜線を歩きます。
秋は落ち葉を踏みしめる、ゴキゲンな道。
杉林の、緩やかなアップダウン。
送電線の下を潜ります。
送電線からほんの少しで、「リスの展望広場」。
都心方面の展望に優れ、スカイツリーも望まれます。ベンチもあり、休憩するのも良いでしょう。
落ち葉の絨毯を踏みしめる、至極の時。
しばらく歩くと、標高288mの「マツボックリ山展望台」。木の階段を登ると…
錦織なす森の向こうに、多摩川方面のパノラマが広がります。
青梅の森ですが、最近、立ち入り禁止エリアが増えています。少し前(2022年10月くらい)は、通れた道も閉鎖。土地の権利関係か、それともキノコの盗掘など、あったのでしょうか?
マツボックリ山展望台から、石動神社へ
展望台から、永山方面へ南下します。
足元は、色鮮やかな落ち葉。
雑木林の中を漫歩します。
落ちてもなお、輝く木の葉。
「青梅の森」入口に到着。東に進路をとり、「風の子太陽の子広場」方面へ。
このルートは、歩く人も少なく、静かな散策が楽しめます。
倒木のキノコ。
しばらく歩くと、名もないピークに到着。森の中のベンチ、なんとも良い佇まいですね。
逆光に輝くモミジ。
紅葉も独り占めする、贅沢。
木を這うツル植物も、赤く染まります。
コロコロと、どんぐりも。
錦織りなす、雑木林を往きます。
途中、「風の子太陽の広場」へ下る道がありますが… あくまで尾根伝いを歩きます。
尾根を下ると、集落の手前の石動(いするぎ)神社に到着します。
平安時代初期の創建と云われ、歴史ある神社。
石川県能登市の、伊須留岐比古(いするぎひこ)神社の分社です。
急な石段を上ると、小さな拝殿があります。
地元の方が手入れしているのか、無人にも関わらず、綺麗な境内です。
少し苔むした狛犬は、亀に乗っていますね。
北向地蔵尊を経て、東青梅駅へ
石動神社から、集落へ出て、川沿いの道を歩きます。
永山公園通りと合流し、しばらく東へ歩くと、北向地蔵尊があります。
文字通り、北に向いたお地蔵さんです。
地蔵様や観音様は、一般的に南向きです。
位の高い方は南を向く、「天子南面す」という思想が、古来からあります。
それに反し北を向く。
つまり、権威性よりも、弱者救済を旨とする、お地蔵さんなのです。
この北向地蔵は、将軍地蔵(勝軍地蔵)。よく見ると、鎧を被っています。
台座には、元文2年(1737年)と刻まれ、江戸中期の作とされます。
将軍地蔵は、「悪業煩悩の賊軍に勝つ地蔵」。
武士のみならず、防火神としても、広く信仰されました。
山茶花咲く道を通り、JR東青梅駅へ。徒歩10分ほどで到着します。
近くには、室町時代創建の天寧寺も。時間があれば是非立ち寄りたいですね。
青梅の森の春は、シュンランなども咲きます。
インフォメーション
マップ
JR東青梅駅 …〈25分〉 … ムササビ広場 …〈25分〉 … おにぎり岩…〈25分〉… マツボックリ山展望台 …〈30分〉 … 石動神社…〈30分〉JR東青梅駅
ー計2時間15分ー
コースの状況など
- 全体に緩やかな上り下り
- 成木街道にファミリーマートあり
- コース上、トイレはない