映画も公開され、ますます人気の「鬼滅の刃」。
主人公・炭治郎の出身地が、奥多摩・雲取山で、にわかに注目されています。
物語の序盤、雪山を駆け下りる場所を、ひとめ観てみたいと思うファンも多いでしょう。
果たして、雲取山は標高2,017mの山、気軽に「聖地巡り」が出来るのでしょうか?
目次
初心者には難しい?鬼滅の刃・聖地の雲取山
奥多摩は、鬼滅の刃の聖地?
いよいよ、映画興行収入も歴代1位間近な(2020年12月9日現在)鬼滅の刃。
主人公の炭治郎の出身地は、奥多摩・雲取山。
物語の冒頭で、家族を皆殺しにされ、唯一生き残った妹を救うために、雪山を下ります。
テレビアニメを制作する際、制作スタッフは雲取山でロケハンしたのだとか。
確かに、このシーン、冬の奥多摩を彷彿させます。
炭治郎だけではありません。
他の登場人物も奥多摩が出身地、とされています。
大岳山(嘴平伊之助)
御岳山から登るのが、比較的ラクです。
新緑や紅葉のシーズンがオススメです。
詳しくは、下記のリンク先で。
日の出山(悲鳴嶼行冥)
吉野梅郷から登るか、御岳山から縦走するのがオススメ。
やはり、梅の時期や、秋がオススメです。
景信山(時透無一郎)
![](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/12/DSC5629-2011-05.jpg?resize=728%2C483&ssl=1)
影信山は、奥多摩というよりも、どちらかというと、高尾の山ですが…
高尾山から、比較的ラクに縦走できます。
社会現象になるほどの人気作品、「聖地巡り」で登山する人も増えています。
実際、奥多摩のビジターセンターには、問い合わせが増えているとのこと。
雲取山の冬って、危ないの?
さて、本題に入ります。
聖地巡りで「雪の雲取山」に入山するのは、危険でしょうか?
結論から書くと、初心者の方は、謹んだほうが良いでしょう。
誇張された話かもしれませんが、冬の雲取山でロケハンしたスタッフは、遭難しかけた、とか…
上の写真は、12月下旬の雲取山です。
年によって違いますが、12月〜3月の雲取山は、雪山です。
4月に入っても、残雪があることも多いです。
また、標高は2,017m。
平地に比べ、10度以上も低い気温となります。
特に、朝晩は、霧氷ができるほどの寒さの日も。
まるで、北海道の光景みたいですよね…
山頂付近の稜線。
風も強く、雪紋が出来るほど…
ということで…
冬の雲取山は、雪山に準じる装備が必要です。
ピッケルまでは要らないけれど、アイゼンはあったほうが良い。
また、防寒・防風の衣服なども必要。
緊急時のためのツエルトも必須でしょう。
春の奥多摩の気分で入山すると、危険です。
と、ネガティブなことばかり、書きましたが…
逆に言えば、しっかりと準備と装備と、ある程度の登山経験があれば、難しい山ではありません。
もちろん、天気の見極めも必要ですが。
北アルプスなどに比べれば、リクスは低く、冬山の入門的な山、な位置づけです。
どうしても、冬の雲取山へ行きたいのなら
でも、どうしても、あの冬山に「聖地巡礼」したい、という方は…
要は、山に登らなければ良いのです。
エッ、それじゃあ意味がない?
でも、どうみても、炭治郎の実家って山頂ではないですよ。
山の中腹でしょう、あれは。
雲取山の山梨県側の山小屋、「三条の湯」。
林道をテクテク3時間ほど歩き、更に登山道を30分ほど。
人里離れた、沢沿いの山裾に、三条の湯があります。
例年、年末年始は、まだ雪がありませんが、温泉付きの山小屋で気分は最高。
炭治郎の実家、みたいな雰囲気?
短いとはいえ、冬の登山道を歩きます。
滑りにくいトレッキングシューズ、防寒具、雨具などの装備が必須。
冬は凍結することもあり、くれぐれも注意して、歩いて下さい。
ストックがあると、バランス取りやすいでしょう。
また、山小屋は消灯となると、真っ暗。
懐中電灯がないと、トイレにも行けませんので、ご注意を。
三条の湯
JR青梅線・青梅駅より西東京バス「丹波」行にて「お祭」下車、徒歩約3時間30分
または、青梅駅より西東京バス「鴨沢西」行終点下車、徒歩約3時間45分
※宿泊は要予約
登るなら、春か秋に一泊二日で
初心者の方が、いきなり冬の雲取山に登るのは危険ですが…
雪が融けた、陽の長くなった5月ならば、比較的安全に登れます。
ただし、山慣れしていない人は、経験者と登ることをオススメします。
行程が長いので、一泊二日が現実的です。
詳しくはこちらを…
雲取山には、現在、4軒の山小屋があります。
昔は、東京側から登るのに最適な奥多摩小屋がありましたが、2019年3月で閉鎖しました。
- 雲取山荘(埼玉県側)
食事の用意あり
雲取山頂まで、登り30分程度の好立地 - 七ツ石小屋(東京側)
素泊まり専門
雲取山頂まで、登り2時間30分程度 - 三条の湯(山梨県側)
食事の用意あり
雲取山頂まで、登り3時間程度 - 雲取山避難小屋(山頂直下)
避難小屋
食事や寝具、飲料水もない
建前上、緊急時のみの利用
ロケーションは、避難小屋が一番なのですが…
寝袋や食料、飲料水も担ぎ挙げなければならならず、どう考えても、初心者向けではありません。
景色もよく無料、山なれた人には人気があり、休日は意外と混みます。
2日目の行程や、頂上からの展望を楽しむならば、雲取山荘へ1泊するのが、一番良いでしょうね。
もしくは、温泉に浸かりたいのなら、三条の湯ですが…
二日目は長丁場となり、天気が安定していないと辛いでしょう。
インフォメーション
問い合せ先
●奥多摩ビジターセンター
https://www.ces-net.jp/okutamavc/
●三条の湯
https://www.taba-kan.co.jp/blank-9
●雲取山荘
http://kumotorisansou.com
●七ツ石小屋
http://www.tabayama.jp/nanatsuishi/