台風から復興した、百尋ノ滝から川苔山のクラシックルートを登る

奥多摩の秘境・百尋ノ滝から、川苔山へ登る登山道は、2019年の台風19号で、登山道が崩落。
長らく通行できませんでしたが、2020年11月に通行可能となりました。
新緑の季節、コースの状況なども踏まえつつ、川苔山へ登りました。

秀麗な滝から、奥多摩の名山を登る

台風で橋が流された、登山道

2019年10月に、関東地方に上陸した、台風19号。
奥多摩でも、大きな被害をもたらしました。
奥多摩町・日原への生活道路も崩落、翌年5月にようやく仮復旧となるまで、車での通行出来ませんでした。

奥多摩町・川苔山の登山口の台風19号被害
川苔山登山口のバス停(2020年8月)

集落でさえ、復旧に時間がかかった災害、この付近の山、特に沢沿いの道は、軒並み崩落しました。
川苔山の代表的な登山道、百尋ノ滝コースも通行不能。
知らずに入山するのを防ぐため、登山口のバス停は、通過する処置が取られたほど。

百尋ノ滝コースが復旧したのは、2020年秋。
その状況もリポートしつつ、2021年4月に川苔山へ登ってみました。

奥多摩町・川苔山の登山口
川苔山登山口

JR青梅線・奥多摩駅からバスで、「川乗橋」バス停へ。
バス停すぐ近くが登山口、林業の町・奥多摩町らしく、立派な木製看板が出迎えてくれます。

奥多摩町・川苔山の登山道

しばらくは、林道を歩きます。

奥多摩町・川苔山の登山道の滝

小さな滝もある沢沿いの道、せせらぎを聴きながらノンビリと。

奥多摩町・川苔山の新緑と、ヤマザクラ

新緑の季節ならば、ヤマザクラとの競演も楽しめます。

奥多摩町・川苔山の小型水力発電所
細倉橋付近のミニ水力発電所

林道を1時間弱歩くと、細倉橋に到着。
可愛い、ミニ水力発電所の横から、登山道へ入ります。
なお、昔ここにあったトイレは、撤去された模様。

奥多摩町・川苔山の登山道

復旧したての登山道ですが、不安なく歩けます。

奥多摩町・川苔山の登山道の、台風19号で付け換えられた橋
奥多摩町・川苔山の登山道の、台風19号で付け換えられた桟道

数箇所、渡渉しますが、全て橋が架けられています。
台風で流された橋は、真新しい木橋に、付け換えられました。
桟橋も、かなり付け換えられたようです。
整備してくださった方に、感謝!

奥多摩町・川苔山のヨゴレネコノメソウ
ヨゴレネコノメソウ
奥多摩町・川苔山のハナネコノメ
ハナネコノメ

沢沿いらしく、ネコノメソウの仲間も自生。

奥多摩町・川苔山の滝

一枚岩を流れる、美しい滝も。

奥多摩町・川苔山の登山道の、オリンピック記念造林地の看板

オリンピック記念造林地、なる不思議な看板。
1964年の東京オリンピック、それとも札幌オリンピック?

奥多摩町・川苔山の登山道のアカヤシオ

新緑の季節は、アカヤシオも美しい道です。

奥多摩町・川苔山の登山道の、湧水

百尋ノ滝の少し手前の、湧水。
飲んでみると、まろやかな味です。

百尋ノ滝から、川苔山山頂へ

奥多摩町・川苔山の百尋ノ滝
百尋ノ滝

細倉橋から1時間ほどで、今回の目玉スポット、百尋ノ滝に到着します。
落差40mの、優雅な滝です。

奥多摩町・川苔山の百尋ノ滝と新緑

やはり、新緑や紅葉の季節がオススメです。

奥多摩町・川苔山の百尋ノ滝

山登りは辛いけれど、という方は、この滝を観るだけのトレッキングもオススメします。
奥多摩では、払沢の滝や三頭大滝と並ぶ名瀑です。

奥多摩町・川苔山の百尋ノ滝近くの道標

百尋ノ滝から、ほんの少し戻り、川苔山へ登る道へ左折します。

奥多摩町・川苔山の百尋ノ滝近くの登山道の鎖場

登り始めは、急登です。
鎖場もあり、慎重に登ります。
沢から離れ、山を巻くようになると、次第に登りは緩やかとなります。

奥多摩町・川苔山の苔

いったんは尾根道となるも、長くは続かず、山を巻くように。
湿度が高いのか、美しい苔も楽しめます。
道を進むと、沢に着きます。
百尋ノ滝を経由するよう造ったルートは、かなり変則的。
迷うと厄介なので、スマホのGPSなどを、併用したほうが良いでしょうね。

奥多摩町・川苔山のハナネコノメ

沢を渡り、いったんは沢から離れますが、何時しか、沢沿いの道となります。
ハナネコノメの咲く道で、標高は1,200m程度。
この花の自生地としてはかなり高く、例年だと、4月下旬でも咲いているでしょう。

奥多摩町・川苔山の霧の森

滝をキレイに撮ろうと思い、曇の日を選んで登りましたが…
登るにつれ、霧が濃くなってきました。

奥多摩町・川苔山の霧の針葉樹林
奥多摩町・川苔山の霧の森

頂上に近づくにつれ、どんどん霧は濃くなります。
尾根道となり、頂上直下の十字路に着きます。
十字路を左折し、10分ほど登ると頂上です。
川苔山の頂上付近は、道が入り組んでいますが…
要所に道標が整備されているので、登り道に関しては、迷うことはないでしょう。

奥多摩町・川苔山の山頂

天気が悪い平日、誰もいません。
奥多摩のメジャーな山でも、こんな事があるのですね。

頂上から、赤杭尾根を経て、古里駅へ

霧で見えない山頂、早々と下山することにします。
下山道は、いくつかありますが、今回は、地形の分かりやすい、赤杭尾根を下り古里駅へ向かいます。

奥多摩町・川苔山の山頂付近の道標
頂上直下の十字路

山頂から、先程通った十字路に戻ります。
十字路の道標には「鳩ノ巣駅」方面への案内がありますが、これは「舟井戸」経由で下る道。
赤杭尾根を下るには、「蕎麦粒山」方面へ、東へ数分歩くと、分岐点があります。

奥多摩町・川苔山の赤久奈山方面の道標

分岐の道標の「古里駅・赤抗山」方面が、下山道です。
やや急な坂道を、ひたすら下ります。

奥多摩町・川苔山・赤抗尾根の展望

木々の間から展望も効く、歩いて楽しい尾根道。

奥多摩町・川苔山・赤抗尾根の雫の付いたカタクリ
カタクリ

途中、カタクリの自生地もあります。
標高から察するに、例年だと4月下旬が見頃でしょう。
カタクリは晴れないと、中々花が開きませんが、なぜか開いています。
雫のカタクリを愛で、得をした気分に。

奥多摩町・川苔山・赤抗尾根のニリンソウ
ニリンソウ

山の上のニリンソウ。
里と比べ、ひと月ほど遅い開花です。

奥多摩町・川苔山・赤抗尾根の登山道の崩落

途中、崩落箇所がありますが(2021年4月現在)、注意すれば、問題ないでしょう。

奥多摩町・川苔山・赤抗尾根の林道

グングン下り、道が緩やかとなると、林道に合流。
しばらく、ノンビリ歩きますが、このまま林道を下ると、川井駅方面でかなり遠回り。

奥多摩町・川苔山・赤抗尾根の林道から古里駅への分岐の道標

進行方向右手を注意しつつ歩くと、「古里駅」の表示があります。
緩やかな下りをしばらく歩き、赤久奈山の山頂を巻き、更に下ります。

奥多摩町・川苔山・赤抗尾根の古里駅方面の道標

途中、川井駅との分岐がありますが、古里駅方面へ。

奥多摩町・川苔山・赤抗尾根の霧の杉林

杉林の道を、里に向かって下ります。

奥多摩町・川苔山・赤抗尾根・登山口
川苔山・赤抗尾根登山口

眼下に里が近づくと、やがて登山口。
右折して、古里駅へ向かいます。
古里駅は無人駅ですが、北と南に改札口があります。
線路にぶつかったら、左折すれば駅に入れますし、上り東京方面へは跨線橋を渡らず直接入場でき、急いでいる時は、こちらへ。

奥多摩町・古里の町並み
古里の街並み

駅近くの繁華街へ寄るには、踏切を渡ります。
繁華街、といっても、食堂数軒とコンビニ、農協の直売店などですが、列車の時間によっては、有り難い存在。
時折、テレビなどでも紹介される、プリンも美味しい、卵焼き専門店「卵道」も駅近くにあります。

王道の卵道 多摩産の極上食材の、だし巻き卵と濃厚プリン

営業時間が午後3時まで、早めに下ったら是非どうぞ。
もっとも、行列がすることもしばしばですが…

インフォメーション

登山地図・アクセス

電⼦地形図(国⼟地理院)を加⼯して作成

西東京バス「川乗橋」バス停 …〈50分〉… 細倉橋…〈1時間〉… 百尋ノ滝 …〈2時間〉…  頂上直下の十字路 …〈10分〉… 川苔山…〈2時間30分〉… 古里駅・川井駅分岐 …〈50分〉…  赤抗尾根登山口〈10分〉… JR青梅線・古里駅
ー計7時間30分ー

アクセス
JR青梅線・奥多摩駅から西東京バス「東日原」「鍾乳洞」行にて「川乗橋」下車

コースの状況

  • 登山口〜百尋ノ滝は、沢沿いの道。整備された道だが、降雨時は気をつけて。
  • 百尋ノ滝からの登りは、岩場や鎖場もあり、要注意。
  • 川苔山頂上周辺は道がやや複雑、地図は必須、出来ればスマホのGPSアプリで現在地を確認すると良い。
  • 下りは意外とロングコース。日没時間を考慮しつつ行動するのが吉。
  • 積雪時は、経験者向けのルート。
  • コース中、トイレはない。以前設置されていた、細倉橋付近の公衆トイレは撤去されていた。

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