奥多摩の秘境・百尋ノ滝から、川苔山へ登る登山道は、2019年の台風19号で、登山道が崩落。
長らく通行できませんでしたが、2020年11月に通行可能となりました。
新緑の季節、コースの状況なども踏まえつつ、川苔山へ登りました。
目次
秀麗な滝から、奥多摩の名山を登る
台風で橋が流された、登山道
2019年10月に、関東地方に上陸した、台風19号。
奥多摩でも、大きな被害をもたらしました。
奥多摩町・日原への生活道路も崩落、翌年5月にようやく仮復旧となるまで、車での通行出来ませんでした。
![奥多摩町・川苔山の登山口の台風19号被害](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC5057-2020-08.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
集落でさえ、復旧に時間がかかった災害、この付近の山、特に沢沿いの道は、軒並み崩落しました。
川苔山の代表的な登山道、百尋ノ滝コースも通行不能。
知らずに入山するのを防ぐため、登山口のバス停は、通過する処置が取られたほど。
百尋ノ滝コースが復旧したのは、2020年秋。
その状況もリポートしつつ、2021年4月に川苔山へ登ってみました。
![奥多摩町・川苔山の登山口](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC5933-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
JR青梅線・奥多摩駅からバスで、「川乗橋」バス停へ。
バス停すぐ近くが登山口、林業の町・奥多摩町らしく、立派な木製看板が出迎えてくれます。
![奥多摩町・川苔山の登山道](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC5945-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
しばらくは、林道を歩きます。
![奥多摩町・川苔山の登山道の滝](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC5977-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
小さな滝もある沢沿いの道、せせらぎを聴きながらノンビリと。
![奥多摩町・川苔山の新緑と、ヤマザクラ](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC5995-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
新緑の季節ならば、ヤマザクラとの競演も楽しめます。
![奥多摩町・川苔山の小型水力発電所](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6086-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
林道を1時間弱歩くと、細倉橋に到着。
可愛い、ミニ水力発電所の横から、登山道へ入ります。
なお、昔ここにあったトイレは、撤去された模様。
![奥多摩町・川苔山の登山道](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6096-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
復旧したての登山道ですが、不安なく歩けます。
![奥多摩町・川苔山の登山道の、台風19号で付け換えられた橋](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6117-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
![奥多摩町・川苔山の登山道の、台風19号で付け換えられた桟道](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6181-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
数箇所、渡渉しますが、全て橋が架けられています。
台風で流された橋は、真新しい木橋に、付け換えられました。
桟橋も、かなり付け換えられたようです。
整備してくださった方に、感謝!
![奥多摩町・川苔山のヨゴレネコノメソウ](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6129-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
![奥多摩町・川苔山のハナネコノメ](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6174-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
沢沿いらしく、ネコノメソウの仲間も自生。
![奥多摩町・川苔山の滝](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6204-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
一枚岩を流れる、美しい滝も。
![奥多摩町・川苔山の登山道の、オリンピック記念造林地の看板](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6329-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
オリンピック記念造林地、なる不思議な看板。
1964年の東京オリンピック、それとも札幌オリンピック?
![奥多摩町・川苔山の登山道のアカヤシオ](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6337-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
新緑の季節は、アカヤシオも美しい道です。
![奥多摩町・川苔山の登山道の、湧水](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6476-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
百尋ノ滝の少し手前の、湧水。
飲んでみると、まろやかな味です。
百尋ノ滝から、川苔山山頂へ
![奥多摩町・川苔山の百尋ノ滝](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6588-2021-04.jpg?resize=513%2C768&ssl=1)
細倉橋から1時間ほどで、今回の目玉スポット、百尋ノ滝に到着します。
落差40mの、優雅な滝です。
![奥多摩町・川苔山の百尋ノ滝と新緑](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6609-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
やはり、新緑や紅葉の季節がオススメです。
![奥多摩町・川苔山の百尋ノ滝](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6529-2021-04-1.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
山登りは辛いけれど、という方は、この滝を観るだけのトレッキングもオススメします。
奥多摩では、払沢の滝や三頭大滝と並ぶ名瀑です。
![奥多摩町・川苔山の百尋ノ滝近くの道標](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6627-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
百尋ノ滝から、ほんの少し戻り、川苔山へ登る道へ左折します。
![奥多摩町・川苔山の百尋ノ滝近くの登山道の鎖場](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6629-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
登り始めは、急登です。
鎖場もあり、慎重に登ります。
沢から離れ、山を巻くようになると、次第に登りは緩やかとなります。
![奥多摩町・川苔山の苔](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6667-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
いったんは尾根道となるも、長くは続かず、山を巻くように。
湿度が高いのか、美しい苔も楽しめます。
道を進むと、沢に着きます。
百尋ノ滝を経由するよう造ったルートは、かなり変則的。
迷うと厄介なので、スマホのGPSなどを、併用したほうが良いでしょうね。
![奥多摩町・川苔山のハナネコノメ](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6736-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
沢を渡り、いったんは沢から離れますが、何時しか、沢沿いの道となります。
ハナネコノメの咲く道で、標高は1,200m程度。
この花の自生地としてはかなり高く、例年だと、4月下旬でも咲いているでしょう。
![奥多摩町・川苔山の霧の森](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6762-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
滝をキレイに撮ろうと思い、曇の日を選んで登りましたが…
登るにつれ、霧が濃くなってきました。
![奥多摩町・川苔山の霧の針葉樹林](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6783-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
![奥多摩町・川苔山の霧の森](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6826-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
頂上に近づくにつれ、どんどん霧は濃くなります。
尾根道となり、頂上直下の十字路に着きます。
十字路を左折し、10分ほど登ると頂上です。
川苔山の頂上付近は、道が入り組んでいますが…
要所に道標が整備されているので、登り道に関しては、迷うことはないでしょう。
![奥多摩町・川苔山の山頂](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC6995-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
天気が悪い平日、誰もいません。
奥多摩のメジャーな山でも、こんな事があるのですね。
頂上から、赤杭尾根を経て、古里駅へ
霧で見えない山頂、早々と下山することにします。
下山道は、いくつかありますが、今回は、地形の分かりやすい、赤杭尾根を下り古里駅へ向かいます。
![奥多摩町・川苔山の山頂付近の道標](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC7024-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
山頂から、先程通った十字路に戻ります。
十字路の道標には「鳩ノ巣駅」方面への案内がありますが、これは「舟井戸」経由で下る道。
赤杭尾根を下るには、「蕎麦粒山」方面へ、東へ数分歩くと、分岐点があります。
![奥多摩町・川苔山の赤久奈山方面の道標](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC7031-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
分岐の道標の「古里駅・赤抗山」方面が、下山道です。
やや急な坂道を、ひたすら下ります。
![奥多摩町・川苔山・赤抗尾根の展望](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC7039-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
木々の間から展望も効く、歩いて楽しい尾根道。
![奥多摩町・川苔山・赤抗尾根の雫の付いたカタクリ](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC7119-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
途中、カタクリの自生地もあります。
標高から察するに、例年だと4月下旬が見頃でしょう。
カタクリは晴れないと、中々花が開きませんが、なぜか開いています。
雫のカタクリを愛で、得をした気分に。
![奥多摩町・川苔山・赤抗尾根のニリンソウ](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC7152-2021-04.jpg?resize=513%2C768&ssl=1)
山の上のニリンソウ。
里と比べ、ひと月ほど遅い開花です。
![奥多摩町・川苔山・赤抗尾根の登山道の崩落](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC7171-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
途中、崩落箇所がありますが(2021年4月現在)、注意すれば、問題ないでしょう。
![奥多摩町・川苔山・赤抗尾根の林道](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC7185-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
グングン下り、道が緩やかとなると、林道に合流。
しばらく、ノンビリ歩きますが、このまま林道を下ると、川井駅方面でかなり遠回り。
![奥多摩町・川苔山・赤抗尾根の林道から古里駅への分岐の道標](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC7187-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
進行方向右手を注意しつつ歩くと、「古里駅」の表示があります。
緩やかな下りをしばらく歩き、赤久奈山の山頂を巻き、更に下ります。
![奥多摩町・川苔山・赤抗尾根の古里駅方面の道標](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC7282-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
途中、川井駅との分岐がありますが、古里駅方面へ。
![奥多摩町・川苔山・赤抗尾根の霧の杉林](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC7288-2021-04-1.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
杉林の道を、里に向かって下ります。
![奥多摩町・川苔山・赤抗尾根・登山口](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC7293-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
眼下に里が近づくと、やがて登山口。
右折して、古里駅へ向かいます。
古里駅は無人駅ですが、北と南に改札口があります。
線路にぶつかったら、左折すれば駅に入れますし、上り東京方面へは跨線橋を渡らず直接入場でき、急いでいる時は、こちらへ。
![奥多摩町・古里の町並み](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC7302-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
駅近くの繁華街へ寄るには、踏切を渡ります。
繁華街、といっても、食堂数軒とコンビニ、農協の直売店などですが、列車の時間によっては、有り難い存在。
時折、テレビなどでも紹介される、プリンも美味しい、卵焼き専門店「卵道」も駅近くにあります。
営業時間が午後3時まで、早めに下ったら是非どうぞ。
もっとも、行列がすることもしばしばですが…
奥多摩周辺だと、鳩ノ巣渓谷付近、倉沢林道・白岩の滝などにも咲きます。
インフォメーション
登山地図・アクセス
![](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/3cbf89c632c4d3385a68f13d05ffb963.jpg?resize=728%2C492&ssl=1)
西東京バス「川乗橋」バス停 …〈50分〉… 細倉橋…〈1時間〉… 百尋ノ滝 …〈2時間〉… 頂上直下の十字路 …〈10分〉… 川苔山…〈2時間30分〉… 古里駅・川井駅分岐 …〈50分〉… 赤抗尾根登山口 …〈10分〉… JR青梅線・古里駅
ー計7時間30分ー
●アクセス
JR青梅線・奥多摩駅から西東京バス「東日原」「鍾乳洞」行にて「川乗橋」下車
コースの状況
- 登山口〜百尋ノ滝は、沢沿いの道。整備された道だが、降雨時は気をつけて。
- 百尋ノ滝からの登りは、岩場や鎖場もあり、要注意。
- 川苔山頂上周辺は道がやや複雑、地図は必須、出来ればスマホのGPSアプリで現在地を確認すると良い。
- 下りは意外とロングコース。日没時間を考慮しつつ行動するのが吉。
- 積雪時は、経験者向けのルート。
- コース中、トイレはない。以前設置されていた、細倉橋付近の公衆トイレは撤去されていた。