山里の歴史を辿る、「奥多摩むかし道」を歩く旅

「奥多摩むかし道」は、奥多摩駅から奥多摩湖へ通づるトレッキングコースです。
かつて、江戸と甲州を結ぶ旧青梅街道を整備。
気軽に歩ける、トレッキングコースとなりました。
当時の面影が今も残る歴史の道を、歩いてみました。

●奥多摩の古道を歩き、歴史と自然を満喫

奥多摩湖から、浅間神社へ

奥多摩湖
奥多摩湖(小河内ダム)

「奥多摩むかし道」は、旧青梅街道の氷川(奥多摩駅周辺)〜小河内を整備したトレッキングコースです。
今回は、バスで奥多摩湖へ行き、奥多摩駅まで下ります。
奥多摩駅から歩き、湖からバスで戻っても良いのですが…
下りのほうが楽だし、終点が駅。
バスの時間を気にせずとも良いので、下りをオススメします。

東京の水瓶・奥多摩湖から、国道411号線に向かい、指導標を頼りに、登山口へ向かいます。

奥多摩むかし道登山口の道標
奥多摩むかし道・登山口

水根沢キャンプ場への道を進み、途中分岐する林道を行くと、登山口。

奥多摩むかし道の民家
高台の民家
奥多摩むかし道の民家
民家を縫うように道は伸びる

民家が点々とある、山里の道を進みます。
六ツ石山の登山道を分け、道標に従い奥多摩駅方面へ。
途中、青目立不動尊近くを通りますが、以前あったカフェは、2019年に閉店しました。

奥多摩むかし道の小さな滝
水量が多いのか、沢には小さな滝も

奥多摩むかし道からの、奥多摩湖
右手には、小河内ダムの水門が見える

奥多摩むかし道
雑木林の道

この付近、多摩川は深い渓谷となります。
ここに道を造るのは、さぞ大変だったでしょう。

奥多摩むかし道の森
斜面に生える木々

イヌセンボンタケ

急峻な谷の道に、雑木林が広がります。
この付近は「奥多摩むかし道」で、一番自然の濃い場所です。

野生の梨?

野生梨も転がっていて、食べようかと思ったら…
「これ、不味くて喰えたものじゃない」
と、同行のアマチュア植物博士に、止められます(笑)

奥多摩むかし道の青葉

10月なのに、意外に青葉です。
今年(2020年)は、紅葉が遅いのかな?

奥多摩むかし道のススキ

などと思っていたら、秋らしいススキの穂に出会えました。

浅間神社から、玉堂歌碑へ

奥多摩町・奥多摩むかし道の、浅間神社
浅間神社


比較的、ながらかな森の中を歩くと、浅間神社に到着。
標高600m、素朴で小さな神社です。
ここから、ぐんぐん下り、「西久保の切り返し」へ向かいます。

奥多摩むかし道のヤマハッカ
ヤマハッカ
奥多摩むかし道の、コウヤボウキ
コウヤボウキ
ツタバウンラン

秋の野草が咲き乱れ、ちょっと良い道。

柿の木と民家

どんどん下ると、林道に出ます。
ここから先は、ほぼ舗装道路。
右に曲がり、さらに下ります。

奥多摩むかし道の住居跡
住居跡?

途中、住居跡がありました。
基礎はコンクリート、大昔の建物ではないのに、大きな木が生えている不思議。

奥多摩むかし道のバイオトイレ
休憩所のバイオトイレ

下り切ると、ベンチとトイレがある休憩所に着きます。
トイレはバイオトイレ、山中なのに快適です。

奥多摩むかし道
奥多摩の山々
奥多摩むかし道から、多摩川を望む
眼下には、多摩川

晴れれば、景色も良く見とれてしまいますが…
林道だから、バイクツーリングに気をつけて。

奥多摩むかし道、道所の吊橋
道所の吊橋からの眺め

道所の吊橋を経て、玉堂歌碑へ。
日本画家の、川合玉堂の歌が刻まれたいます。

奥多摩むかし道の、玉堂歌碑
玉堂の歌碑

「山の上のはなれ 小むらの名を聞かむ やがてわが世を ここにへぬべく」


意訳すれば、
「山の上の村、いつかここのようなところで、余生を過ごしたい」
でしょうか?


まだダムに沈む前の小河内で、玉堂はこの歌を詠みました。
歌の通り、青梅の御岳で生涯を終えました。

玉堂歌碑から、白髭神社へ

玉堂歌碑から虫歯地蔵・縁結び地蔵尊を経て、しだくら吊橋へ。

奥多摩むかし道の、廃屋

荒れ果てた、廃屋。
オロナミンCの看板があり、万屋か、それとも茶屋だったのか…
少し歩くと、しだくら吊橋に到着します。

橋からは、惣岳渓谷の絶景!
目を奪わるるような、渓谷美を堪能します。

奥多摩むかし道の、惣岳不動尊
惣岳不動尊

5分少々で、惣岳不動尊へ到着。
明治時代に、成田山不動尊を勧請したとされます。
近くに神社もあり、一種の神仏習合?
明治時代といえば、神仏習合が禁止された微妙な時期ですが…
人里離れた山では、ある意味、治外法権だったのでしょうか?

平坦な舗装道路を歩くと、所々に人家が。
たっぷりと、薪が積まれています。

耳神様

古道らしく、様々ないわれを持つ地蔵があります。
虫歯に効く虫歯地蔵、縁結びの地蔵、耳神様。
耳神様は、穴の空いた石を供え祈った、と言われます。
町でも満足な医療インフラのない時代、無医村どころではなかったのでしょうね。

奥多摩むかし道の、弁慶の腕抜き岩
弁慶の腕抜き岩

腕が入るほど、大きな穴が空いている「弁慶の腕抜き岩」を経て、白髭神社へ。

奥多摩むかし道の、白髭神社の石段
白髭神社の石段
奥多摩むかし道の、白髭神社の参道
白髭神社への参道

むかし道から、石段の参道を登り、緩やかな山道を歩きます。

奥多摩むかし道の、白鬚神社
白髭神社

オーバーハングの大岩のたもとに、社殿があります。
この社殿を建てた宮大工、命がけだったのでは?
これは、一見の価値があります。

琵琶湖に鳥居のある、猿田彦命を祀る白鬚神社の、分社でしょうが…
祭神は猿田彦命ではなく、塩土老翁。
塩土老翁は、白い髭でしょうし、何となく納得します。

白髭神社から、奥多摩駅へ

白髭神社を参拝したら、一途、奥多摩駅へ。

奥多摩むかし道から、橋詰トンネル
橋詰トンネル

現在の青梅街道・国道411号は、橋詰トンネルでショートカットしますが…
「むかし道」は、愚直に渓谷沿いを大回りします。

奥多摩むかし道の、不動の上滝
不動の上滝

不動の上滝を経て、檜村の集落へ下ります。
集落から登り返して、境集落槐木(さいかちぎ)を経てしばらく歩くと、廃線跡に出ます。

東京都水道局小河内線の廃線跡

小河内ダムの建設資材を運ぶため、東京都が敷設した鉄道です。
ダムが完成し、西武鉄道へ譲渡され、観光鉄道として運行する予定も虚しく頓挫。
今は、石灰の発掘をする奥多摩工業が所有していますが、事実上の廃線です。

線路の幅は、JR在来線と同じ。
黒部渓谷鉄道のような軽便鉄道ではなく、フル規格です。
何だか勿体ないですね。

奥多摩むかし道からの、愛宕山
ピョコンと尖った、愛宕山

廃線跡から、駅へ下ります。
奥多摩のマッターホルンと呼びたくなる、愛宕山の展望を楽しみ、石畳を下ると、奥多摩の町へ。

むかし道の登山口

「むかし道」と大きな看板のある、国道411号線に出ます。

奥多摩駅

左折すればまもなく、奥多摩駅です。

●お役立ち情報

アクセス

JR青梅線・奥多摩駅より、西東京バス「奥多摩湖」「峰谷」「留浦」「鴨沢西」「丹波」「小菅の湯」行バスにて「奥多摩湖」バス亭下車

ハイキングマップ

電⼦地形図(国⼟地理院)を加⼯して作成

奥多摩湖バス停  …〈20分〉…  登山口 …〈40分〉… 浅間神社 …〈30分〉… 西久保の切り返し
〈15分〉… 道所吊橋 …〈20分〉… しだくら吊橋 …〈40分〉… 白髭神社 …〈30分〉… 檜村集落 …〈30分〉… 廃線跡 …〈15分〉… 登山口 …〈10分〉… 奥多摩駅
ー計4時間10分ー

コースの状況など

  • 舗装道路が多いが登山道もある。
    トレッキングシューズを履くほうが良い。
  • 白髭神社から下った境集落に、湧き水がある。
  • 春や秋がベストシーズン。夏は熱中症対策、積雪時はそれなりの装備が必要。
  • トイレは数ヶ所ある。

問い合わせ先

●奥多摩ビジターセンター
コースの状況などが、把握できる
https://www.ces-net.jp/okutamavc/

●奥多摩観光協会
奥多摩むかし道のコースマップあり
https://www.okutama.gr.jp/site/walking/

●西東京バス
http://www.nisitokyobus.co.jp

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