4月の声を聴くと、花咲くイワウチワ。
御岳山近くの大塚山への尾根道に、奥多摩では最大級の群生地があります。
新緑やヤマツツジも、眩しい山々。
人知れず咲く花を求めて、春を満喫しました。
目次
イワウチワ咲く、静かな尾根を歩く山旅
古里駅から、鉄五郎新道登山口へ
![JR青梅線・古里駅](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC3933-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
洒落たログハウス風のJR青梅線・古里駅。
駅前を通る、青梅街道へ出ます。
近くには、奥多摩町で唯一24時間営業のコンビニもあり、何かと助かります。
![奥多摩町・寸庭・奥多摩ウォーキングトレイル標識](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC3937-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
青梅街道を西へ往き、しばらく歩くと、左手に「奥多摩ウォーキングトレイル」の標識。
ここから、寸庭橋へ行く道を下ります。
![奥多摩町・寸庭の桜](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC3941-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
4月には、都心よりも少し遅い桜が咲きます。
![奥多摩町・寸庭の清見滝](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC3939-2021-04.jpg?resize=684%2C1024&ssl=1)
しばらくすると、小橋を渡ります。
橋からは、清見滝が望め、小さいながらも中々の風格です。
![奥多摩町・寸庭橋からの新緑](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC3963-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
カーブを下ると、寸庭橋。
橋の近くには、公衆トイレもあります。
![奥多摩町・寸庭のお地蔵さん](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC4008-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
橋から登り返すと、寸庭の集落。
右へ折れ、登山口へと向かいます。
この付近は梅も美しい、素朴な山里、季節折々訪れたいですね。
詳しくは、下記リンクを。
一般地図には載っていない、鉄五郎新道
![奥多摩町・寸庭の、大塚山・御岳山の道標](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC4017-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
寸庭集落を西へ歩くと「大塚山・御岳山」の道標があります。
道標に従い、登山口を目指します。
今回登る「鉄五郎新道」は、国土地理院や、昭文社の「山と高原地図」には、記載されていません。
吉備人出版の「奥多摩登山詳細図/東編」には記載されていますので、これを読図しながら登ることをオススメします。
![奥多摩町・寸庭のネコノメソウ](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC4067-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
登山口付近には、終わりかけのネコノメソウ。
![奥多摩町・寸庭のワサビの花](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC4054-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
沢沿いに生えているのは、もしかして、ワサビの花?
だとしたら、正真正銘、天然モノですね。
登山口からは、右側の道を採ります。
急登の続く道、ノンビリ登ります。
![奥多摩町・大塚山・御岳山の黒五郎新道の標識](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC4117-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
地図にも載らないマイナーな道ですが、比較的明瞭です。
3月終わりから、4月中旬にかけては、イワウチワ目当ての登山者が、結構歩いています。
イワウチワ咲く尾根を歩き、大塚山へ
しばらく、越沢の右岸を巻きながら歩きますが、次第に沢から離れるようになります。
支流の小沢を渡ると、金毘羅神社の鳥居が現れます。
![奥多摩町・大塚山・御岳山の黒五郎新道の金比羅神社の鳥居](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC4127-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
鳥居のすぐ先に分岐があります。
大塚山は左、金毘羅神社は右です。
![奥多摩町・大塚山・御岳山の黒五郎新道の金比羅神社](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC4143-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
神社、といっても奥社のような感じですが、断崖絶壁にあります。
写真を撮る際は、慎重に…
分岐まで戻り、大塚山方面へ道を採ります。
![奥多摩町・大塚山・御岳山の黒五郎新道のヤマザクラの散り花](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC4160-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
山桜の花が、散り積もる道を往きます。
![奥多摩町・大塚山・御岳山の黒五郎新道のイワウチワ](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC4808-2021-04-2.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
イワウチワは、岩場に咲く小さな花。
葉っぱが、団扇のような形で、岩団扇、なのですね。
![奥多摩町・大塚山・御岳山の黒五郎新道のイワウチワ](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC4787-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
生育環境からすると、もっと盛大にあっても、おかしくありませんが…
やはり、盗掘も多いのでしょうか。
とはいえ、これだけまとまって見られるのは、貴重です。
![奥多摩町・大塚山・御岳山の黒五郎新道のイワウチワ](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC4642-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
イワウチワは、日本の固有種。
残念ながら乱獲などで存続が危ぶまれ、東京都では準絶滅危惧種に指定されています。
![奥多摩町・大塚山・御岳山の黒五郎新道の尾根道の木](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC4647-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
尾根道は、次第に急登となります。
![奥多摩町・大塚山・御岳山の黒五郎新道のヤマツツジ](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC4685-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
![奥多摩町・大塚山・御岳山の黒五郎新道のヤマツツジ](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC4960-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
イワウチワの咲く頃は、ヤマツツジも見事です。
![奥多摩町・大塚山・御岳山の黒五郎新道の広沢山頂上の標識](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC4965-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
登りが緩やかとなり、広沢山の山頂に到着。
ちょっとカッコいい標識があります。
ここから先、大塚山までは緩やかな尾根となり、一安心。
![奥多摩町・大塚山・御岳山の黒五郎新道の展望と広葉樹の新緑](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC4977-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
さっきまでと打って変わって緩やかな道を、漫歩します。
右手には、御岳・大岳山方面も望まれます。
![奥多摩町・大塚山・御岳山のNTT無線中継局の鉄塔](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC4986-2021-04-1.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
やがて、NTTの無線中継局・鉄塔下に出ます。
大塚山の頂上は、目と鼻の先です。
![奥多摩町・大塚山・御岳山のonnsi no
boti](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC5023-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
大塚山からは、富士峰園地方面の途中に、かなり大きな墓地が出現します。
浅田次郎氏の小説「神坐す山の物語」。
御岳山の、御師の話です。
氏の母方の実家が御師、実体験を交えた小説なのです。
御師とは、霊山・御岳山での信仰を深めるため、宿を提供やご祈祷をする神職。
今も、多くの御師が山の上に住み、宿坊を営んでいます。
小説には、御岳山の平らな場所に御師たちの墓がある、と記されています。
山の上で生活する御師にとって、骨を埋めるのも山なのでしょう。
御岳山の、どこにお墓があるのかと思いきや、ここなのですね。
![](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC5175-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC5209-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
さほど、起伏もない道を歩くと、富士峰園地の一角に出ます。
カタクリの自生地ですが、もう終わりかけ。
代わりに、と言ってはなんですが、スミレの花々が咲いていました。
余談ですが、富士峰園地近くで、郵便配達のスーパーカブを見かけました。
麓から標高差700m、本当にお疲れさまです。
山の上に住む御師も凄いけれど、山へ手紙を配達する人も凄い!
![](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC5312-2021-04.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
余裕があれば御嶽神社へ参拝したいのですが、道草を喰いすぎました。
ミヤマキケマンの咲く道を通り、直接、ケーブルカー駅へ向かいます。
![](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/DSC5323-2021-04-1.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
富士峰園地から、ケーブルカー駅はすぐ。
駅周辺には、里より半月遅い桜が咲いています。
花見を楽しみながら、列車を待ちましょう。
ケーブルカーとバスを乗り継ぎ、JR青梅線・御嶽駅から帰路につきます。
なお、奥多摩では、他にサルギ尾根・御岳山奥之院付近、天地山などもイワウチワの自生地です。
インフォメーション
登山地図
![](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2021/05/9003b47dd49e2f61a613ab3cf3448ab5.jpg?resize=615%2C1024&ssl=1)
JR青梅線・古里駅 …〈30分〉 … 登山口…〈50分〉…金比羅神社 …〈1時間20分〉… 広沢山 …〈30分〉… 大塚山 〈25分〉… 御岳山ケーブルカー駅
ー計3時間35分ー
コースの状況等
- 地図に載っていないが、道は明瞭。
- 登山口から金毘羅神社にかけて、枝道に入り込まないよう、注意。
- 広沢山まで、急登が続く。
- トイレは、古里駅、寸庭橋、富士峰園地にある。
- 沢はあるが、水場は期待出来ない。
- 古里駅近くにセブン-イレブンあり。
問い合わせ先
●御岳登山鉄道(ケーブルカー)
https://www.mitaketozan.co.jp
●御岳山ビジターセンター
御岳山周辺の登山道などの情報
https://www.ces-net.jp/mitakevc/index.html
●奥多摩ビジターセンター
奥多摩周辺の登山道などの情報
https://www.ces-net.jp/okutamavc/