乳房観音から、奥多摩三大急登を歩き、紅葉と展望の、本仁田山へ

奥多摩駅から直接登れる、本仁田山。
山頂からの好展望と、新緑・紅葉の楽しめる山です。
山裾の乳房観音から急登を歩き、富士山の展望を楽しみます。
秋ならば、でカラマツの黄葉を楽しめます。

駅から駅へ、交通便利な、秋の本仁田山へ

奥多摩駅から、乳房観音へ

JR青梅線・奥多摩駅
JR青梅線・奥多摩駅

本仁田山は、駅から直接登れる山。
しかも、奥多摩駅、鳩ノ巣駅とふたつの駅から登れます。
つまり、バスを使わずに周遊ルートが組める山なのです。
今回は、奥多摩駅から出発し、鳩ノ巣駅へ下るルートを歩きます。

奥多摩湖貨物線の・廃線跡
廃線跡

奥多摩駅から安寺沢登山口まで、1時間弱。
途中、奥多摩湖建設の際、資材を運んだ廃線跡の陸橋をくぐります。
陸橋から少々歩き、右折し、林道を往きます。
要所に道標があるので、見落とさないよう気をつけます。

本仁田山のアプローチの、林道の道標
登山口までの林道

奥多摩町観光協会が、本仁田山登山口マップ(PDF)を用意しているので、参考に。

本仁田山・安寺沢登山口・道標
安寺沢登山口


駅から1時間弱、大休場尾根登山口に到着。

本仁田山・安寺沢登山口

トロッコと並行する道を、登ります。

本仁田山・安寺沢

左手には、小さな沢。
沢に架かる橋がありますが、これは仕事道、渡らずに直進します。

本仁田山の、安寺沢登山口の道標
民家の裏で、右折する

民家の横を通り、右折します。
杉林の急登が、いきなり始まります。

乳房観音を参拝

乳房観音分岐
乳房観音・分岐

しばらく登ると、乳房観音の分岐。
「登山安全祈願」とも記してますが、おっぱいと登山は関連あるの?

本仁田山・乳房観音
乳房観音

少し歩くと、観音堂と看板があります。
鎌倉時代にこの付近に植えた銀杏に、無数の乳根が垂れたとか。
「乳根」とは、幹や枝から垂れ下がった突起物です。
ここだけではなく、とくに珍しくはありません。
鎌倉時代の銀杏は、流石に大正時代に伐採したのですが、切り株から生えた銀杏も大木となりました。

本仁田山・乳房観音の乳根
乳根

現在の銀杏にも、乳根が…

乳房観音には、母乳豊穣の信仰がベースにあります。
粉ミルクのない昔は、母乳が赤子の命綱だった時代もありました。
母親が乳が出ない、さらには出産時に亡くなったりすると、「貰い乳」をする風習もありました。
山里という、人口の少ない共同体では、それもままならなかったのでしょう。

乳房観音から、奥多摩三大急登を歩き、山頂へ

本仁田山・大休場尾根の急登
杉林の急登

分岐点まで戻り、大休場尾根を登ります。
本仁田山・大休場尾根は、奥多摩三大急登のひとつ。
わずか2kmで、約700mの標高差があります。
平均勾配が、35%を超えます!

これは、建築基準法で定められている、中学校や映画館等、公共施設などの階段の最大勾配と同じ。
例えていえば、スカイツリーのてっぺんまで、その階段で登るようなものです。
なんて、考えるとめげるので、やめましょう…

本仁田山・大休場尾根の雑木林
雑木林が眩しい

標高800mほどで、小規模ですが、雑木林となります。

本仁田山・大休場尾根の急登
あくまで、急登は続く

尾根は左に折れ、また杉林となり、急登を登ります。

急登の道には、どんぐりも。

本仁田山・大休場尾根の岩場
岩場を通過

標高950m付近に、岩場があります。
岩場そのものは困難ではありませんが、落ち葉で滑りやすく、気をつけて通過します。

本仁田山・大休場尾根の広葉樹
大休場尾根の広葉樹

登るにつれ、広葉樹林が増えます。
秋は紅葉が、美しい道です。
相変わらず、急登が続きますが…
標高1,000m、1,050m付近に束の間、なだらかな登りとなります。
休憩しにくい急登、適当に休むのが吉。

本仁田山・大休場尾根の森
落ち葉フワフワ

広葉樹が増えるにつれ、フワフワ落ち葉も増えます。
カサカサと踏みしめ、歩きます。

急登に次ぐ急登は、続きますが…
やがて、花折戸尾根の分岐に達します。
ここまでくれば、頂上の一角。

筑波山を望む

左手に筑波山を観つつ、緩い登りを少し歩くと、本仁田山頂です。

本仁田山頂

頂上からは、富士山も見えます。

マユミの実?

頂上の一角には、マユミと思しき実が、種を吊り下げています。

山頂のベンチ

山頂には、ベンチもあります。
急登で疲れた身体、ひと休憩しましょうか。

カラマツの黄葉を楽しみ、鳩ノ巣駅へ下山

本仁田山頂の道標

山頂からは、川乗山方面へ向かい、鳩ノ巣駅を目指します。

本仁田山のカラマツ林
本仁田山のカラマツ林

カラマツ林を歩きます。
下り始めはやや急ですが、さっきまでと打って変わり、稜線漫歩の趣き。

モミジも鮮やか
雑木林の道
ブナの木

秋は、モミジも鮮やかな雑木林。
数は少ないけれど、ブナも生えています。

瘤高山の分岐

緩やかに登ると、瘤高山(こぶたかやま)。
左は川乗山方面、右に折れ、杉ノ尾根を下り、鳩ノ巣駅へ向かいます。

東京都心方面の展望

杉ノ尾根上部は、展望抜群。
遠く、東京スカイツリー、西武ドーム、圏央道の多摩川橋も見えます!

本仁田山のカラマツの黄葉
黄金色のカラマツ

秋には、カラマツが黄金色に輝きます。

本仁田山・杉ノ尾根の杉林
本仁田山・杉ノ尾根の雑木林

大休場尾根に比べれば、だいぶ緩やかですが、グングン下ります。
杉林が主体ですが、時折、雑木林も残る道です。

本仁田山・杉ノ尾根、大ダワ方面との分岐
大ダワ方面との分岐

大ダワ方面からの道と、合流します。
どんどん下ると、林道を横切り、大根ノ山ノ神に到着。

本仁田山の、大根ノ山ノ神
大根ノ山ノ神

杉の巨木に、大根ノ山ノ神の祠が鎮座しています。
鬱蒼とした森を更に下り、鳩ノ巣駅へ。

やがて、集落が見下ろせる地点を通過。

本仁田山の杉ノ尾根登山口近くの柚子の無人販売
柚子の無人販売

間もなく民家の裏を、通ります。
登山口手前には、柚子の無人販売が。
青梅や奥多摩は、柚子の産地なのですよね。

杉ノ尾根登山口

コンクリートの階段を下ると、杉ノ尾根登山口に到着。

奥多摩町、棚沢の集落
棚沢の集落

棚沢の集落の舗装道路を、下ります。
静かな山里は、登山のフィナーレに相応しい。

JR青梅線・鳩ノ巣西踏切
鳩ノ巣西踏切

踏切を渡り左折すると、間もなく鳩ノ巣駅。

JR青梅線・鳩ノ巣駅
JR青梅線・鳩ノ巣駅

中々風情のある鳩ノ巣駅に付けば、無事下山です。

インフォメーション

登山地図

電⼦地形図(国⼟地理院)を加⼯して作成

奥多摩駅 …〈1時間〉… 大休場尾根登山口 …〈10分〉… 乳房観音…〈1時間〉 … 岩場 …〈50分〉… 本仁田山 …〈20分〉… 瘤高山 …〈55分〉… 大根ノ山ノ神 …〈25分〉… 杉ノ尾根登山口…〈10分〉… 鳩ノ巣駅
ー計4時間50分ー

コースの状況など

  • コース上、水場はない。
  • 登りの岩場は、落ち葉でスリップしやすく、気をつけて通過。
  • 登りは、仕事道に入り込まないよう、注意する。
  • 登りは急登。逆コースを取る場合、スリップに注意。

問い合わせ先

奥多摩ビジターセンター
東京側のコースの状況など
https://www.ces-net.jp/okutamavc/

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