里よりひと月遅い春、御前山の、山の上のカタクリ

奥多摩三山のひとつ、御前山。
カタクリの自生地でも、有名な山です。
里ではすっかり終わったカタクリですが、例年ゴールデンウィークが満開。
遅い春を満喫する山旅、出かけませんか?

カタクリ咲く、奥多摩の名山

奥多摩湖から、カタクリ自生地の尾根道へ

奥多摩町、奥多摩湖の展望
奥多摩湖

奥多摩の名峰、御前山。
登山ルートはいくつかありますが、今回は奥多摩湖から登ります。
ダムサイトの堤防を渡ると、広場があります。
右手には慰霊碑。
奥多摩湖(小河内ダム)は、東京都が水源を確保するために建設、87名の尊い命が失われました。

奥多摩町、奥多摩湖の御前山・登山口の道標
御前山登山口

御前山の登山口は、広場左手。
道標に従い、尾根に取り付きます。

登り始めは急登ですが、次第になだらかに。
雑木林の、美しい尾根を往きます。

奥多摩町・御前山のサス山展望台からの奥多摩湖と山
サス沢山展望台

1時間30分ほどで、サス沢山に到着。
この辺りが、頂上までの、ちょうど中間地点くらいです。
山中なのに、やたらと立派な、ウッドデッキの展望台が…

奥多摩町・御前山のサス山展望台からの奥多摩湖と山

眼中には奥多摩湖、右から奥武蔵、奥多摩、奥秩父、大菩薩の山々。
御前山まで登らず、ここを目指してピストンする人もいますよ。

カタクリ咲く道を経て、頂上へ

奥多摩町・御前山のカタクリの葉
カタクリの葉

標高1,000mほどから、斑点がある、カタクリ独特の葉を見かけますが…

奥多摩町・御前山の、しぼんだカタクリ
花の命は短くて

もう、花の盛りは過ぎてします。
しかし!
御前山の良いところは、標高差のある尾根に、カタクリが分布しています。
つまり、花の見頃が長いのですね。
里と比べ、山頂はひと月ほど遅い開花。
ちなみに、奥多摩・西多摩方面だと、大体3月下旬から4月上旬、ソメイヨシノとほぼ同じ時期にカタクリが咲きます。

気軽に野草とお花見を、奥多摩・海沢カタクリ山と、向雲寺

絶賛開花中、青梅・天祖神社のカタクリが見頃!

【ニュース】瑞穂町・さやま花多来里の郷 カタクリ開花しました!

御前山では、4月中旬から、ゴールデンウィークくらい。
大体、標高30m上がると1日遅い春、となる計算です。

奥多摩町・御前山のカタクリと森

今回の山歩きでは、惣岳山付近から、満開。

奥多摩町・御前山のカタクリ

つまり、花の見頃が長いのですね。
青空をバックに、カタクリを…
春の陽気に、青春しています。

奥多摩町・御前山のコバイケイソウ
コバイケイソウの自生

御前山には、コバイケイソウも自生しています。
花期は、初夏〜夏にかけて。
暑い時期なので、登る人は少ないですが…

奥多摩町・御前山のコバイケイソウ

大きく独特の葉が、美しい。
サンチュみたいに、焼肉に巻いて、食べたい気分ですが…
アルカロイドを含む毒草で、山菜のオオバギボウシと間違え、中毒死する人もいるのだとか。

奥多摩町・御前山のカタクリ

昔に比べ、カタクリの花が減っている気がしますが…
林床が荒れていなく、独りぼっちでも美しいのが、救いです。

奥多摩町・御前山から富士山の展望

頂上まであと一息の場所で、富士山の大展望。
ベンチもあり、富士山は、ここが一番良く見えるから、食事するなら特等席でしょう。

ほどなく、御前山山頂。

新緑のカラマツ越しに、東京都・最高峰の雲取山も望めます。

避難小屋を経て、境橋へ下山

奥多摩町・御前山避難小屋
御前山避難小屋

頂上から東へ下り、鋸山方面へ道を別け、北へ進みます。
頂上から15分程度で、避難小屋に到着。
近くには沢が流れ、水場もある、絶好のロケーションです。

奥多摩町・御前山避難小屋の室内・内部

避難小屋なのに、悔しいことに、自分の家よりもずっとキレイ(笑)
トイレ付きで見晴らしもよく、快適そのものでしょう。
東京都・謹製ですが、コロナ前は予算が潤沢だった、のでしょうね。
無料で利用できますが、小屋の外に靴を置いて、動物に持ち去られた人もいるので、注意して!

奥多摩町・御前山の、ヨゴレネコノメソウ
ヨゴレネコノメソウ
奥多摩町・御前山の、コガネネコノメソウ
コガネネコノメソウ

小屋近くの沢には、ネコノメソウの仲間が。
ここだけだなく、下山途中にも、たくさん咲いていました。

途中、カラマツ林もある登山道を下ります。
この登山道にも、カタクリは自生しています。

ハシリドコロ

毒草のハシリドコロが、いたるところに。
新芽がフキノトウと似ていて、間違って中毒死する人も多い毒草です。
自信がなければ、山菜採りはやめたほうが良さそう。
コバイケイソウも毒草だし、この山だけで、何人殺せるのか…

エイザンスミレ
シロバナタチツボスミレ

里に近づくにつれ、スミレも多くなってきました。
3回ほど林道を横切り、下り続けると、「トチノキ広場」に到着。
東屋、ベンチ、トイレもあり、ひと休憩するには良い場所です。

ヒメレンゲ


沢沿いの広場には、ヒメレンゲの花が、そこかしこに咲いています。

下山道の林道

ここから、境橋のバス停へは、林道を4km強。
沢沿いには登山道もあるのですが、2021年4月現在、橋が没落して通行止めです。

境橋

都立・栃寄森の家の前を通り、ひたすら下ると、境橋に着きます。
橋の両端がすぐトンネルで、バス停はなんと橋の上。
ここから、バスで奥多摩駅へ出ます。

奥多摩町・多摩川の新緑の渓谷美
多摩川の渓谷

体力と時間に余裕があれば、駅まで歩くのも良いかも。
40分少々、多摩川の渓谷美を眺めながらの、車道歩きとなります。

インフォメーション

登山地図

電⼦地形図(国⼟地理院)を加⼯して作成

西東京バス・奥多摩湖バス停 …〈10分〉… 登山口 …〈1時間30分〉…サス沢山 …〈1時間10分〉… 惣岳山 …〈25分〉… 御前山 …〈15分〉…御前山避難小屋 …〈1時間〉… トチノキ広場…〈40分〉…栃寄森の家…〈40分〉西東京バス・境橋バス停
ー計5時間50分ー

アクセス

JR青梅線・奥多摩駅より、西東京バス「奥多摩湖」「峰谷」「留浦」「鴨沢西」「丹波」「小菅の湯」行バスにて、「奥多摩湖」バス停下車

コースの状況等

  • 登りは、前半がやや急登
  • やや長めのコースなので、きちんとした登山装備で
  • 道は整備されているが、地図は必須
  • 下山は、都民の森の歩道が多く、道標を見つつ行動する
  • トイレは、奥多摩湖バス停近く、避難小屋、トチノキ広場、栃寄森の家にある
  • 水場は御前山避難小屋近くの沢、基本、煮沸消毒をすること

問い合わせ先

●奥多摩ビジターセンター
奥多摩地域の、登山道の状況などの情報
https://www.ces-net.jp/okutamavc/
●東京都奥多摩 都民の森
栃寄森の家を始め、御前山北部を管理
https://www.tomin-no-mori.jp/

近くのオススメスポット

山里の歴史を辿る、「奥多摩むかし道」を歩く旅

乳房観音から、奥多摩三大急登を歩き、紅葉と展望の、本仁田山へ

奥多摩町のメイフライ、絶品スペアリブを、豪快にかぶり付く

紅葉の海沢渓谷で、ちょっとショッパイ、滝巡り