奥多摩三山の大岳山。
頂上からJR奥多摩駅へと下る鋸尾根は長く、歩きごたえがあります。
途中、鎖場もあるスリル満点のコース。
点在する史跡をたどる、魅力あるルートです。
目次
駅まで縦走する変化に富んだ、大岳山・鋸尾根登山道
御岳山から、大岳山へ
大岳山から、西へ伸びる鋸尾根を下るコースは、やや長めですが、直接、JR奥多摩駅へ下れるのが魅力。
しかも、青梅線の始発駅、座って帰ることができます。

大岳山へは、いくつか登山道がありますが…
鋸尾根を下るなら、最短で登れる、御岳山ケーブルカーを利用すると楽でしょう。

JR青梅線・御嶽駅からバス・ケーブルカーの乗り継ぎ、山頂駅へ。
駅を降りれば、目の前の御岳平から、大パノラマが広がります。

御嶽神社へと続く参道を歩きます。


初夏ならば、マルバウツギやヒメレンゲが咲きます。

茶店街を抜け、随身門へ。

随身門から石段を少々登ると、大岳山方面の分岐。神社を参拝しないのなら、左折します。
神社へ参拝する方は、下記をご覧ください。

ほぼ、平らな道を往きます。

御岳方面から大岳山へのルートは、いくつかありますが…
天狗の腰掛けの東を通る道が、一番ラクです。それにしても、ホントに腰掛けられそうな杉の木ですね。

この付近、4〜5月上旬にかけては、スミレが咲き誇りますが…さすがに5月も下旬になると、見当たりません。
その代わり、ガクウツギが咲きみだれています。

不思議な形の、ホソバテンナンショウ。20cmほどの大きな花ですが、緑色で目立たず、みんな足を停めず、ちょっと不遇。

源流の沢を渡ると、ロックガーデンの分岐まで、もうすぐです。

分岐から、左へ下るとロックガーデン。5分も下れば綾広の滝です。余裕があれば、立ち寄るのも良いでしょう。

分岐からは、芥場峠(あくばとうげ)への登りです。

ツツジも咲く気持ちの良い道。

芥場峠に到着。サルギ尾根との分岐です。
4月上旬〜中旬にかけて、イワウチワの咲く尾根です。大岳山方面へ右折します。

いつしか尾根道となり、鎖場が登場。

階段も現れます。特に雨の日など、注意が必要ですね。

10数年前、廃業となり、廃屋寸前の大岳山荘ですが…
なにやら、補修をしています。お話を伺うと…
「とりあえず、危険だから直さないとね」
足場も組み、それなりに、お金をかけて工事しています。
営業再開など、期待に胸が膨らみますね。
国立公園内ですし、檜原村や東京都、国立公園管理事務所などへ、問い合わせしたところ…
特に工事の届け出はなく、つまり大規模な修繕ではない模様。
近々の営業再開、とはならなそう。

小屋付近には、ヘリポートとトイレがあります。
ヘリポートからは富士山の大展望!

小屋近くの鳥居をくぐり、大岳山頂を目指します。

鳥居から少し登ると、大嶽神社。日本武尊を祀る神社です。
「鬼滅の刃」の聖地巡りで、大嶽神社の御朱印集めをする人も多いそうな…
ただし、御朱印は麓の里宮でどうぞ。

御嶽神社と同じく、狼信仰(おいぬ様)です。宮の左右に可愛らしい、「子犬様」が鎮座しています。

神社から、岩場もある登山道。慎重に足を運びます。

標高1,266mの大岳山に到着。

頂上からは富士山の大展望。富士山の左に、丹沢の山々が連なります。
休日ならば、山頂には昼食をとる人で賑わっています。
山頂から少し西の平坦地が、比較的空いています。
大岳山から鋸尾根を下り、愛宕山へ
大岳山から、西に伸びる鋸尾根を下り、愛宕山を目指します。

山頂直下は、鎖場もある急坂ですが…

馬頭刈尾根との分岐をすぎると、なだらかな道に。
広葉樹林の静かな森を、漫歩します。

いくつかのピークを巻きながら、緩やかな道が続きます。
なだらかな道を2kmほど歩き、少々登ると鋸山に到着。

鋸山頂から急坂を下ります。

しばらく下ると、大ダワ・御前山方面への道を分けます。

紅一点、広葉樹林にツツジ。

道端には、ギンリョウソウ。
宇宙人みたいな姿の植物です。光合成をせず、菌類に寄生します。
ツツジ科に分類されていますが、似ても似つかない…

鋸山と愛宕山の、ほぼ中間点付近に到着。

近くに開けた場所があり、奥多摩の山々が見渡せます。

木の根がビッシリの道を下ります。

鎖場に鉄ハシゴ。
足元はしっかりしていますが、過去には滑落事故もあったとか。慎重に下ります。

鎖場から少し下ると、天聖神社奥宮の天狗様の石像が現れます。
天聖神社奥宮から、愛宕神社を目指しグングン下ります。

途中、フタリシズカの花が咲いています。
愛宕神社から奥多摩駅へ

急坂を下ると林道が現れ、少し歩くと広場に出ます。
鳥居をくぐり、少し登ると愛宕神社です。

狛犬が祀られた、小さな宮を参拝。

少し下ると、五重塔もあります。
ここから山道を下ると、180段とも188段ともいわれる、石段が登場。

文献によって段数が違い、数えながら下るも、途中で飽きました(笑)
下りだから良いものの、上りが辛そう。踊り場のない階段って疲れますよね。

辺りはコアジサイの花が美しい森。最後まで、楽しめるコースですね。

愛宕神社から20分ほど下ると、登山口に到着です。長かった下りも、ようやくお終い。

登山口前の青梅街道(国道411号)を左折。
途中、昭和橋から、愛宕山が見えます。登った山を回想しつつ、JR青梅線・奥多摩駅へ向かいます。
インフォメーション
マップ
御岳山ケーブルカー山頂駅 …〈50分〉 … ロックガーデン分岐…〈40分〉… 芥場峠 …〈35分〉… 大岳山荘 〈20分〉… 大岳山…〈1時間30分〉 … 鋸山…〈1時間15分〉… 天聖神社奥宮 〈30分〉… 愛宕神社 〈25分〉… JR青梅線・奥多摩駅
ー計6時間5分ー
紙の地図ならば、奥多摩詳細図が断然オススメです!
アクセス
JR青梅線・御嶽駅より、西東京バスにて「ケーブル下」バス停下車
御岳登山鉄道ケーブルカーにて「滝本」駅から「御岳山」駅下車
コースの状況など
- 下り主体だが、6時間強と健脚コース。
- 大岳山上り、鋸尾根に鎖場、ハシゴ等あり。
- 逆コースは、標高差900mの登りでハード。
- トイレは、御岳平、長尾平、奥の院口(ロックガーデン分岐の手前)、大岳山荘、奥多摩駅にある。
- 自己責任での飲料だが、大岳山荘の手前に水場あり。
- 積雪時は、経験者のみのコース。
- 御嶽神社周辺・大岳山周辺以外、鋸尾根の一部以外は、携帯電話(ドコモ)があればが、圏外の場所が大半。
問い合わせ先
●奥多摩ビジターセンター
コースの状況などが、把握できる
https://www.ces-net.jp/okutamavc/
●御岳ビジターセンター
御岳山周辺の状況など
https://www.ces-net.jp/mitakevc/index.html
●西東京バス
https://www.nisitokyobus.co.jp
●御岳登山鉄道(ケーブルカー)
https://www.mitaketozan.co.jp/
●御嶽神社
http://musashimitakejinja.jp/