2024年10月よりサービス開始の「うめクル」。
高低差のある青梅でもラクラクな、電動アシストのレンタサイクルです。
機動性を活かし、市内・成木から、県境を越えた飯能・名栗まで、神社仏閣を巡りました。
目次
うめクルで、山麓の神社仏閣を散策
1日500円のレンタサイクル、青梅で開始!
2024年10月よりサービスが開始した、「うめクル」。
青梅市内の駅前3ヶ所で貸し出しするレンタサイクルです。
貸出場所は駅前の自転車駐車場。受付時間中は、係員が常駐します。
返却は3ヶ所どこでもOKです。
貸出場所には、コインロッカーも完備。利用者は無料で使えます。市外からの旅行で使う場合、便利です!
自転車は電動アシスト自転車。筆者が借りた機種は、信頼の日本メーカー・パナソニック製でした。
アシストは3段階。メーカー公称値では、ロングモードでは80km、オートマチックモードは40km、パワーモードは42km程度走れます。
3段変速ですが、坂道でも楽な電動アシスト、ほとんど使用しませんでした。
「うめクル」では、ヘルメットも無料貸出。なお、貸出時に、免許証、マイナンバーカード等の身分証明書が必要です。
うめクルで、成木・名栗の神社仏閣巡り
東青梅から、吹上トンネルへ
「うめクル」で青梅・上成木から飯能・名栗を回り、岩蔵温泉経由で河辺まで走りました。30km強のサイクリング。ただ走るだけなら3〜4時間程度ですが、現地で楽しむならば、早めの出発がオススメです。
起点は、東青梅駅北口自転車等駐車場。
貸出の手続きで10分程度。係員は、自転車駐車場の仕事を兼ねています。忙しい朝夕は余裕を持って、出かけるのが吉です。
東青梅から成木街道(都道53号)を北へ。田畑も点在する道を往きます。
町から10分も走れば、辺りは山間の装いです。これは青梅ならではの爽快さ!
黒沢交差点付近。山里らしい、風情のある光景です。
黒沢から少し上ると、新吹上トンネル。自転車・徒歩の場合は、右の旧トンネルを行くと楽しいでしょう。
旧吹上トンネル。1953年竣工、1993年に新吹上トンネルが開通するまで、車も通っていました。
今も現役の都道、古いトンネルながら、照明があります。
トンネルを抜けると、まるで林道のような道となります。落ち葉で滑らないよう、注意しつつ下ります。
路傍には、お地蔵様。ホウキ・ちり取りもあり、地元で愛されているのでしょう。
成木街道・新道と合流し、「成木八丁目」交差点を右折します。
交差点近くには割烹うらしまがあります。成木では数少ない料理店。
自家製蕎麦も堪能できる貴重な店です。
特にこの先、上成木エリアには飲食店がほぼなく、ここでランチするのも良いでしょう。
吹上トンネルから、上成木へ
「成木五丁目」交差点を左折し、成木街道を進みます。
交差点から800mほど進むと、慈福寺に到着。
慈福寺は曹洞宗の禅寺。
青梅・天寧寺の隠居寺として、江戸時代前期に創建しました。川沿いの長閑な寺で、確かに隠居向きな趣きかも?
慈福寺から100mほど西の、新福寺。手前に児童公園もあり、地域に根ざした印象のある雰囲気です。
新福寺は、戦国時代末期・1580年の創建。曹洞宗の禅寺です。手入れの良い境内は古刹の風格が漂います。
青梅・二俣尾の海禅寺六世住職・栄芝順富和尚が開山。この付近は、里に近い寺の住職が創建した寺が多いです。
新福寺から奥へ登ると、八雲神社。ジブリのアニメに、出てきそうな雰囲気?
青梅市内には、他にも7ヶ所ほど八雲神社があります。産土(うぶすな)の神・スサノオを祀る神社。郷土愛の強い山間部で、根強い信仰なのでしょうか?
新福寺から2km弱西へ進むと、慈眼院。新福寺と同様、曹洞宗の禅寺です。開山時期もほぼ同時代の、戦国時代末期です。
寺近くには、「成木石灰所久保遺跡」も。寺の創建と同時期に、石灰の採掘、焼成が行われていました。
石灰は漆喰の原材料。これに目をつけたのが徳川幕府で、江戸城建築のため、青梅街道が敷設されます。
成木の石灰と、青梅街道については四つの顔を持った青梅街道、江戸・二百余年の歴史をたどるをご覧下さい。
慈眼院の西には、子安神社。安産祈願の神社でしょうか?
慈眼院から西へ1.6kmほど進むと、上成木神社。都道から急坂の参道を登ります。
上成木神社の創建年代は不明ですが、江戸時代後期に改修された記録があります。
鳥居から石段を登ると、神楽殿。
更に登り詰めると、狛犬も鎮座する拝殿があります。山麓の急斜面に造られた、山里ならではの神社です。
上成木神社から西へ向かい、松ノ木トンネルからの道と合流し、200mほど進むと、延命寺に到着。一見の価値がある古刹です。
「鎌倉殿の13人」に登場した、畠山重忠の開基とされます。山門は市指定有形文化財です。
青梅周辺には、畠山重忠ゆかりの地。畠山重忠が、武蔵御嶽神社に奉納した「赤絲威鎧」は国宝です。
付近には立派な蔵も。石灰や林業で栄えた歴史を物語ります。
延命寺から500mほど西へ進むと、成木7丁目(上成木)の集落。集落の「上成木」バス停は、都バス最高地点です。
高水山の山頂にある、常福院本坊に参拝するのも良いでしょう。
花祭り(4月8日)前後の土・日曜日には古式獅子舞も披露され、見応えがあります。
春の上成木は、桃源郷のような景色が広がります。
都県境を超え、名栗から岩蔵温泉へ
上成木から、往路を戻っても良いのですが… 坂道に強い電動アシスト自転車の「うめクル」。
埼玉県・飯能市の名栗を廻ることにします。
都道53号線を進み、小沢トンネルへ。成木川と入間川の分水嶺を貫く、長さ約470mのトンネルです。
国境の短いトンネルを抜けると埼玉であった。
気持ちの良い下り道が続きます。これぞ自転車の醍醐味ですが… スピードの出し過ぎには要注意です。
下り道を往くと、入間川沿いの飯能下名栗線(県道70号)に到着。
左折すれば、日帰り温泉施設もある名栗湖周辺ですが… 時間がないので右折し、川沿いの道を下ります。近くには開運橋があり、公衆トイレもあります。
入間川の清流。川越で荒川と合流し、東京湾に注ぐ一級河川です。
観光地の名栗湖に通ずる道、飲食店も点在します。適当な店でランチ休憩するのも良いでしょう。
緩い下り道を3kmほど進むと、金錫寺に到着。
臨済宗の禅寺で、鎌倉時代・1318年に元から来朝した古心鏡の創建とされます。
14世紀初めといえば、元寇(モンゴル帝国・日本侵略戦争)の30数年後。
「反元感情」がなかったのか、ちょっと不可思議ですが…
境内には、手入れの行き届いた庭園があります。
金錫寺から約1,4km進み、県道221号へ右折。山王峠へ向かう坂道となりますが…
電動アシスト自転車で楽々サイクリングです。
峠道らしく、路傍には庚申尊も。
山王峠に到着。ここからは、ノンビリ下り道を往きます。
沿道には、蔵もある立派な家も。
山王峠から約3.5km進むと、長光寺。立派な山門のある寺です。
1366年に創建された、曹洞宗の禅寺。青梅を始め、西多摩には禅寺が多いですが…
お隣の飯能にも点在しています。
本堂は、埼玉県指定有形文化財。
鎌倉末期に作られた雲版(合図のために使用される打楽器)は国指定重要文化財です。
長光寺前の道を南東へ進み、県道193号を左折すると、ファミリーマートが併設された「畑の蔵」に到着。農産物の直営店で、埼玉・東京の地場野菜も豊富です。
「畑の蔵」西側の橋を渡れば、東京都・青梅市です。橋から100mほど進み、日影林通りを右折します。
近くには、内沼きのこ園があります。原木しいたけを使用した、パスタやピザが楽しめるカフェも併設。時間があれば是非どうぞ!
日影林通りを2kmほど進むと、岩蔵温泉付近に到着。さらに日影林通りを南下します。
長閑な光景の広がる道を、サイクリング。
しばらく進み、岩蔵街道(都道44号)を左折。ダラダラとした上り道を走り、笹仁田峠を越えます。
笹仁田峠から、南西方向へ下る道を進むと、霞川に到着。川沿いの遊歩道を走ります。
秋はコスモスの咲く遊歩道。大岳山も望まれます。
付近の「今寺天皇塚水田」は、富士山の展望地。晩秋から冬にかけてよく見えます。
霞橋付近で川を離れ、河辺駅へ向かいます。
河辺駅北口自転車等駐車場で自転車を返却。借りた場所以外でも返却可能なのは便利です。
19時までが返却時間となります。
河辺駅北口駅前には、日帰り温泉「梅の湯」があります。ひと風呂浴びて、自慢のラーメンを食べるのも良いでしょう。
インフォメーション
マップ
移動距離:約33.5km 累積高低差:約630m
コースの状況等
- コンビニは、成木街道・青梅第四小学校付近に、ファミリーマート、セブン-イレブン。
成木・名栗にはない。なお、河辺駅周辺に数軒あり。 - スーパーは、東青梅駅北口にマルフジ、河辺駅周辺に数軒あり。
- トイレは、東青梅駅北口前、新福寺横・成木5丁目児童遊園、名栗・開運橋公衆トイレ、名栗・赤沢観光公衆トイレ、成木1丁目児童遊園、青梅・鳥井戸公園、霞川近く・大門稲荷下児童遊園、河辺駅北口前等
貸出場所
受付・返却時間
7:00〜19:00(要身分証明書)
料金
1日500円(現金のみ)
返却
受付場所以外の貸出場所でも返却可能