羽村市・羽加美の、一峰院
室町時代創建の禅寺です。
境内には、多摩川段丘の湧き水。
鐘撞き堂を兼ねる「鐘楼門」も、見どころです。
目次
多摩川段丘の古刹、一峰院を訪ねる小旅
チューリップ畑にほど近い、一峰院
![羽村市・根がらみ前水田](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/09/DSC0695-2023-09.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
東京都羽村市、根がらみ前水田。多摩川・河川敷からほど近い水田です。
休耕期を活かし、東京最大級のチューリップとして有名です。
夏は、蓮の花も見事です。
![羽村市・根がらみ前水田の、かかし](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/09/DSC0786-2023-09.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
9月中旬には穂も実り、新米の旬も近いでしょうか。
![羽村市・根がらみ前水田からの、一峰院](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/09/DSC0648-2023-09.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
今回訪ねる一峰院は、水田の北西に位置します。
有形文化財の鐘楼門
![羽村市・一峰院の、山門](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/09/PXL_20230914_022717600-2023-09.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
立派な赤松の参道を進み、山門へ。
![羽村市・一峰院の、鐘楼門](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/09/DSC0426-2023-09.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
山門は鐘撞き堂を兼ねた、鐘楼門(しょうろうもん)。建築年代は江戸時代後期、1819年とされます。
切妻造り茅葺き屋根の、重厚な山門です。
鐘楼門は、全国に400ヶ所程度と貴重な建造物。羽村市の有形文化財に指定されています。
かつては、玉川上水の出水を知らせていたとか。今ならば、洪水警報みたいな感じでしょうか?
西多摩では、ツツジで有名な青梅市薬王寺にも、鐘楼門があります。併せて訪れるのも良いでしょう。
境内には、多摩川段丘のハケも
![羽村市・一峰院の、本堂](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/09/DSC0723-2023-09.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
本堂は1766年に建設。本尊の十一面観音が祀らます。
一峰院は、室町時代(1424年)に創建された、臨済宗建長寺派の禅寺。三田将定が開基しました。
三田氏は、鎌倉時代末期から戦国時代にかけ、西多摩を支配した豪族です。
戦国時代に後北条氏の侵略により滅亡。終焉の城跡が青梅西部にあります。
三田将定もその一族とされ、この付近に住んでいたとされますが、生没年などは不明です。
三田氏は、平将門の後裔と名乗っていました。もっとも確証もなく、かなりの眉唾モノ。
絶大な人気の将門にあやかった、と考えるのが妥当ですが… それも含め歴史であり、一峰院もまた、「将門由来の寺」なのでしょう。
![羽村市・一峰院の、ハケの池](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/09/DSC0563-2023-09.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
境内奥の池。小さな端が架かります。
![羽村市・一峰院の、ハケの湧き水](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/09/DSC0559-2023-09.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
断崖から、湧き水が流れます。夏の渇水期ですが、中々の水量です。
![羽村市・一峰院の、段丘の地図](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/09/ipoin.jpg?resize=728%2C413&ssl=1)
一峰院の境内は、多摩川の段丘地帯。水田(氾濫平野)と台地の境目にお寺です。
その段丘から、水が湧きます。
![羽村市・一峰院の、水流](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/09/DSC0553-2023-09.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
「羽村」の由来は諸説ありますが…
河岸段丘地の「ハケ」がハケ村となり羽村となったという説と、武蔵野台地の西端、中世における三田氏領の東端にあったため、「ハシ」がハシ村となり、羽村となったという説があります。
羽村市Webサイトより引用
「ハケ」由来説、「三田氏領のハシ」由来説が有力です。
境内には湧き水(ハケ)、三田氏由来の一峰院。どちらに転んでも、羽村らしい寺院といえます。
![羽村市・一峰院の、萩の花](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/09/DSC0448-2023-09.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
![羽村市・一峰院の、芙蓉の花](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/09/DSC0468-2023-09.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
![羽村市・一峰院の、サルスベリの花](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/09/DSC0550-2023-09.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
初秋の境内は、花に彩られます。
![羽村市・一峰院の、大乗妙典一字石塔](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/09/DSC0525-2023-09.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
境内の、大乗妙典一字石塔。
「一字石塔」とは、数え切れないほどの小石に、お経の一文字ずつ書いた写経の一種です。その小石を土埋めた供養塔です。
付近には、中里介山ゆかりの禅林寺もあります。こちらも湧き水のあるハケの寺。
のどかな郊外の羽村、多摩川段丘・ハケの寺の小旅も良いですね。
インフォメーション
アクセス
JR青梅線・羽村駅西口より、徒歩25分
または、羽村駅西口より、羽村市コミュニティバス「羽村西コース」にて「一峰院」バス停下車、徒歩1分
●一峰院
住所… 東京都羽村市羽加美4-12-30
電話… 042-554-2128