山好きなら移住もアリ? 地元民がデータで紐解く、青梅の「山国度」

御岳山など、広大な山地が魅力の、東京都・青梅市。
山が好きな人ならば、気になる都市です。
新宿からの直通列車もあり、利便性も中々。
青梅がどの程度「山国」なのか、地元民ならではの視点とデータで紐解きました。

東京の区市で、いちばん緑の多い青梅市

青梅はすべて山の中である?

東京・西部の青梅市。都内ながら、山の多い都市です。
特に市内西部は御岳山を始め、山の中。島崎藤村の「夜明け前」的にいえば

青梅はすべて山の中である

でしょうか?

国土地理院・電子国土より引用・加工

空中写真を見ると一目瞭然。青梅市の大部分は森林帯です。

武蔵野市自然環境等実態報告書及び、東京都建設局資料よりデータ引用・加工

東京都内・区市の緑被率のグラフを見ましょう。
「緑被率」は、森林や公園、草地などに被われた場所の割合。農地なども含まれます。
青梅市の緑被率は80.3%とダントツに高い
便利さを享受しつつも、自然豊かな都市といえます。

グラフの水色の線は人口密度です。
あきる野市に次いで、青梅市は2番目に低く、1平方メートルあたり1,270人。東京23区の、12分の1程度の人口密度です。

武蔵野市自然環境等実態報告書及び、東京都建設局資料をもとに作図

なお、緑被率が高いと、総じて人口密度は低くなります。(相関係数 -0.8)
余談ですが…
各国・首都と比べ緑被率の低い東京。人口密度が高いため、抜本的な解決は難しいのでしょう。

青梅は、公園も自然豊か

東京都建設局資料よりデータ引用・加工

緑の多い都市だから、ざぞ公園が広いかなと思いきや… 意外や意外、公園面積は狭い!
都内の広い公園は、水害対策も兼ねた河川敷などが中心。ある意味、渓谷の多い青梅は、豊かな自然なゆえ、都市公園が少ないのです。

釜の淵公園

公園面積こそ狭いものの… 雑木林の残る都市公園が多く、気軽に里山気分が味わえます。

釜の淵公園のニリンソウ

山野草の自生する公園も多いのが特徴。たとえば、JR青梅駅徒歩15分の釜の淵公園などにも、数多くの野草が咲きますよ!

標高も高い青梅

標高が高いのも青梅の特徴。青梅市の最高地点は、御岳山付近の鍋割山。
東京の市部では、もっとも高い標高1,084mです。なお、東京都の最高地点は奥多摩町・雲取山の2,017mです。

青梅・最高地点鍋割山・登山は御岳山から大滝へ、森と神社と滝を巡る、大岳山登山をどうぞ!

青梅市役所

山間部だけではなく、市街地も標高が高いです。青梅市役所の標高は186mと、これまた東京の都市では一番高い! 群馬・栃木県庁よりも高い位置にあります。

御岳山の山上集落

もっとビックリなのは、御岳山上・標高860mの集落があること。高尾山より高い所に、通年暮らしています!かつては、小学校の分校もあったほどの集落でした。
2024年6月現在、40世帯・120人が在住。子供たちは麓の学校まで、ケーブルカーで通います。

御岳山の詳細は、上記をどうぞ。

都内唯一の温泉郷も?

岩蔵温泉

青梅には、都内唯一の温泉郷も。かつては5軒もの温泉旅館があった、岩蔵温泉です。
現在は、1軒のみと、少々寂しくなりましたが… 風情あふれる温泉地が今も残ります

大岩

付近には、日本武尊ゆかりの岩壁もあり、地質学マニアにも人気。疫病や悪霊から村を守るため、大きなワラジを吊るす民俗行事が、今も続きます。

詳しくは青梅市・岩蔵温泉|愛宕神社・大岩とフセギを巡る小旅をどうぞ。
付近には里山も点在し、低山ならではのエッセンスが味わえるのも青梅の魅力です。

霞丘陵の桜

ツツジで有名な塩船漢音寺からの、トレッキングコースもあります。静かな山歩きが楽しめるエリアです。

市街地から、歩いて登れる山もある

青梅の森

青梅には、市街地から歩いて登れる山も数多くあります。
休日の朝、登山日和ならばコンビニに立ち寄ってそのまま登山口へ、なんて芸当も可能。
極端な話、タダで山登りが出来ちゃいます!

日の出山・愛宕尾根付近からの朝焼け

行程の短い山ならば、日の出前に出かけて、夜景やご来光も楽しめます。これは、地元ならではのメリットでしょう。

御岳山・七代の滝

御岳・奥多摩方面の山に行きやすいのもメリット。朝早起きすれば、他の登山者がいない時間から歩けます。時間に余裕があり、結果として安全な山歩きとなります。

ちなみに青梅駅→御岳駅の運賃は178円、青梅→奥多摩駅でも318円。(IC乗車券の場合)
青梅→東京駅は945円と、都心へ遊びに行くより安上がりです。
立川まで30分ほど、中央線に乗り換えれば、八ヶ岳や北アルプスなどへのアクセスも良好です。

北アルプス・槍ヶ岳

裏技的ですが… 中央道日野のバス停は、多摩モノレール・甲州街道駅から歩けます。つまり、都心の渋滞を避けつつも、中央高速バスが利用可能です。

マイカー登山ならば、圏央道インターが市内にあります。比較的渋滞の少ない圏央道から、中央道、関越自動車道などのアクセスは良好です。

青梅・下奥多摩橋からの光景

最後に…
青梅市に住めば、居ながらにして、山が楽しめる家も多いです!特に、西側に開けた立地ならば、奥多摩が望めます。多摩川沿いのマンション、市街地の高層マンションなどは、大展望の物件も多いです。
山好きならば、青梅に移住するのもアリですよ!

インフォメーション

青梅市内のトレッキングコース