青梅市北部の吹上峠。石灰を運ぶ道として、江戸時代より交通の要所でした。
吹上峠から西へ地図にない道を辿り、青梅丘陵まで縦走。
歩く人も僅かな静寂の森を、歩いてみました。
目次
歩く人もまばらな、静かな森の稜線を歩く旅
JR東青梅駅から吹上トンネルへ
起点は、JR青梅線・東青梅駅。成木街道を北上し、「黒沢二丁目」交差点へ向かいます。
歩くと50分程度、約3kmの道のり。
体力を温存したいならば、東青梅駅南口より、都営バス「成木循環(梅74系統)」に乗り、「柳川」バス停で下車します。なお、バスは1時間に1本程度、時間によっては歩く方が早く到着します。
![青梅市・黒沢二丁目交差点](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2070-2023-11-1.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
「黒沢二丁目」交差点から、成木街道(都道53号線)を西へ。
![青梅市・新吹上トンネル](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2073-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
1kmほど進むと、「新吹上トンネル」前に到着します。
![青梅市・旧・吹上トンネル方面の道](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2088-2023-11-1.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
トンネル右側の旧道を進みます。この旧道は、歩行者・自転車のみ通行可能です。
![青梅市・旧・吹上トンネル入り口](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2095-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
200mほど歩くと、旧吹上トンネルの入口。1953年の竣工、新トンネルが1993年に開通するまでは、自動車も通っていました。
![青梅市・旧・吹上トンネル・プレート](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2099-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
トンネル入口上部には「吹上隧道」のプレートが。風格はありますが、最近は「隧道」なんて死語かも?
![青梅市・旧・吹上トンネル](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2109-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
今でも都道として整備され、照明もあります。
![青梅市・旧・吹上トンネル・出口](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2120-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
長さ246mと、歩行者用のトンネルとしては、結構長いですね。
![青梅市・吹上峠・登山道入口](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2135-2023-11-1.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
トンネルを出て150mほど進むと、進行方向左側に、吹上峠へ向かう登山道があります。登山口は目立たず、ご注意を。進行方向右手のガードレール末端が目印です。
![青梅市・吹上峠・登山道](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2145-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
意外としっかりした道が続きます。
![](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2154-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
この付近、路面の所々にワイヤーが横切っています。特に暗い時にはご注意ください。
![青梅市・吹上峠・登山道](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2165-2023-11-1.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
しばらく進むと、小さな橋があります。ここで左折します。
![青梅市・旧・吹上隧道](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2159-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
少し寄り道して… 直進すると、明治時代に造られた旧・吹上隧道。都内では、最初の自動車道路といわれますが、立ち入り禁止で、入口は厳重に閉ざされています。
整備すれば、観光名所になるのでしょうが、金銭的に難しいのでしょうね。
吹上峠から、青梅丘陵へ
![青梅市・吹上峠から青梅丘陵登山道](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2171-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
小さな橋から緩やかに回り込むように進むと、吹上峠付近に到着。
吹上峠は、江戸時代より、成木地区から産出される石灰を運ぶために利用されていました。
江戸時代後期には、峠を掘り下げ、切り通しとなりました。
峠を越えれば、ほぼ平坦な青梅街道をゆけば、江戸の町に到着します。そもそも、青梅街道は、成木の石灰輸送のために、建設されました。
青梅街道の歴史は、上記の関連記事をどうぞ。
また、吹上峠から東側にも登山ルートがあります。詳しくは上記をどうぞ。
![青梅市・吹上峠から青梅丘陵登山道の森](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2174-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
右手(南側)に、青梅丘陵方面への登山道があります。
取り付きはかなりの急登。踏み跡はしっかりとしていますが、手強い坂道です。
ここからは、しばらくは地図(国土地理院)では記されない道。スマホのGPS登山アプリなどで、現在地を確認することをオススメします。
![青梅市・吹上峠から青梅丘陵登山道の、赤テープ](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2177-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
所々に、目印の赤テープもあります。
![青梅市・吹上峠から青梅丘陵登山道・小ピーク](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2180-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
急登を登り詰めると、小さなピークに到着。ここから南へ下ります。
![青梅市・吹上峠から青梅丘陵登山道の稜線](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2187-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
しばらくは、緩やかな稜線を歩きます。
![青梅市・吹上峠から青梅丘陵登山道の、コウヤボウキ](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2191-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
秋ならば、至るところにコウヤボウキの花が。
![青梅市・吹上峠から青梅丘陵登山道・314mピーク](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2217-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
標高314mの基準点ピークに到着。ここへの登り付近から、地図上に道が記されます。
![青梅市・吹上峠から青梅丘陵登山道・314mピークの、基準点](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2211-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
中々立派な2級基準点。
![青梅市・吹上峠から青梅丘陵登山道の森と倒木](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2238-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
低山ながら、あたりは深い山の趣きです。
![青梅市・吹上峠から青梅丘陵登山道の、針葉樹と広葉樹](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2314-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
主に針葉樹林帯ながらも、広葉樹の木も。
![青梅市・吹上峠から青梅丘陵登山道・390mピーク](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2355-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
この付近、国土地理院上の地図では、山腹をトラバースしますが… 地図から外れ、急な尾根道を登ると、標高390mピークに到着します。
![青梅市・吹上峠から青梅丘陵登山道・390mピークの、標識](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2354-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
ピークには「三方山」方面の小さな標識があり、左折します。
気を付けないと見落とすので、ご注意を!
![青梅市・吹上峠から青梅丘陵登山道・390mピークの、下り坂](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2356-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
しばらく急な坂道を下ります。右からの道と合流すると、なだらかになります。
![青梅市・吹上峠から青梅丘陵登山道の森](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2363-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
林床に、照葉樹の茂る道を往きます。
![青梅市・吹上峠から青梅丘陵登山道](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2370-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
道はしっかりあるものの、狭い道。
![青梅市・吹上峠から青梅丘陵登山道の、送電線](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2372-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
送電線の下を通ります。
![青梅市・栗平林道](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2378-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
送電線から150mほど歩くと、栗平林道に出ます。
![青梅市・栗平林道から、青梅丘陵の登山道](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2379-2023-11-1.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
林道を横切ると、2本の登山道があります。今回は、左の巻き道を進みます。
![青梅市・青梅丘陵の登山道の標識](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2392-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
100mほど進むと、青梅丘陵・主稜線に到着。ここからは整備された道となります。
青梅丘陵を漫歩し、青梅駅へ
![青梅市・青梅丘陵の登山道](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2395-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
指導標に従い、青梅丘陵を東へ進み、青梅駅方面へ。整備された道は、まさに漫歩気分です。
![青梅市・青梅丘陵の登山道の針葉樹](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2422-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
歩きやすい道を進みます。
![青梅市・青梅丘陵の、木に根の張る、登山道](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2432-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
とはいえ、木の根の張る箇所もあり、注意しつつ歩きます。
![青梅市・青梅丘陵の406m・鷹ノ巣山の標準点](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2439-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
406mの鷹ノ巣山に到着。ベンチの近くに、ひっそりと基準点が。
![青梅市・青梅丘陵の登山道の、木漏れ日](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2448-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
木漏れ日を踏みしめ、先を急ぎます。
![青梅市・青梅丘陵の登山道・日向和田駅方面分岐の道標](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2460-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
日向和田駅方面へ道を分け、青梅駅方面へ。
![青梅市・青梅丘陵の、矢倉台休憩所](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2475-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
東屋のある矢倉台に到着。ゆっくり休憩するのも良いですね。
![青梅市・青梅丘陵の、アキノキリンソウ](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2499-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
道ばたには、アキノキリンソウも。
![青梅市・青梅丘陵の、登山道](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2507-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
整備された、心地よい道が続きます。
![青梅市・青梅丘陵からの、展望](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2512-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
遠く山並みも望めます。
![青梅市・青梅丘陵の、第四休憩所](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2539-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
第四休憩所に到着。
![青梅市・青梅丘陵の、第四休憩所からの、多摩川](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2535-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
眼下には、蛇行する多摩川も。
![青梅市・青梅丘陵の、道標](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2599-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
なにげに可愛い道標。
![青梅市・青梅丘陵の、叢雨橋](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2604-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
叢雨橋(むらさめばし)を渡ります。
百人一首・寂蓮法師の歌が由来の、雅な名前です。
村雨(むらさめ)の 露もまだひぬ 槇(まき)の葉に
霧立ちのぼる 秋の夕暮れ
この近くで詠んだ歌とも云われ、霧こそたちのぼりませんでしたが… 秋の夕暮れに相応しい橋です。
青梅市内の金剛寺、梅岩寺の住職を務めた寂蓮法師。
両寺とも桜の名所として知られています。梅岩寺は青梅駅からもほど近く、帰りに寄り道すると良いでしょう。
![青梅市・青梅丘陵かあrの、青梅駅](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2023/11/DSC2619-2023-11.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
木間から青梅駅が見えれば、先は長くありません。JR青梅線の始発駅、座って帰れます。
インフォメーション
マップ
JR青梅線・東青梅駅 …〈50分〉… 黒沢二丁目交差点 …〈25分〉…吹上隧道 …〈20分〉… 吹上峠付近…〈35分〉… 314m基準点ピーク …〈40分〉…標高390mピーク …〈20分〉… 栗平林道…〈15分〉…矢倉台…〈50分〉… 永山丘陵登山口 …〈15分〉… JR青梅線・青梅駅
ー計4時間30分ー
コースの状況など
- 吹上隧道〜青梅丘陵間は、歩く人も少なく道も不明瞭な、中級者向けのコース
- スマホの登山地図アプリ等のGPSで、現在位置を要確認
- 一部、急登があり、できればトレッキングポールがあると良い
- トイレは、JR東青梅駅前(北口・南口)、矢倉台の手前、永山公園、JR青梅駅前にある
- 成木街道沿いのファミリーマート、セブン-イレブン、青梅駅前にセブン-イレブンあり