荒川・入間川の支流、霞川。
青梅丘陵を源流とし、入間川へ注ぐ一級河川です。
雑木林、茶畑、富士山展望、城跡…
源流から合流地点まで、変化に富んだ川沿いの道を散策しました。
目次
武蔵野台地の縁を流れる、霞川を歩く
かつて多摩川は、霞川だった?
全長約16kmの霞川。東京都・青梅市の丘陵が源流です。
狭山市・広瀬で入間川、さらには川越で荒川と合流し、東京湾へ注ぎます。
かつて多摩川は、青梅付近から北東方向へ流れていた、との説があります。
霞川は、昔の多摩川のなごり、いわゆる「古多摩川」とされます。
立川断層の活動で武蔵野台地が隆起し、現在の流れとなりました。
2万年前の「古多摩川」を源流から辿り、入間川の合流地点まで歩いてみました。
前編、後編の2回に分けて連載します。
約20kmでの行程。源流部以外はほぼ平坦ですが、歩き応えがあります。
青梅駅から、青梅丘陵へ
源流の最寄り駅は、JR青梅線・青梅駅。駅から永山公園を目指して歩きます。
途中、桜見本園では、春はもちろん、秋の寒桜なども見逃せません。
青梅鉄道公園近くから、永山丘陵の散策路を歩きます。
永山丘陵には、富士山の展望ポイントも。
第二休憩所の手前を右折し、「青梅の森」へ。心地よい雑木林の道を往きます。
緩やかな道を少々歩き、「風の子 太陽の子広場」への分岐を右折しますが…
分岐の少し先に、日の出も望める高台があります。早起きして、ご来光を拝むのも良いでしょう。
都心方面に開け、スカイツリーも見えます。
日の出は、冬ならば朝6時台。駅から歩いて30分程度、都心方面、間に合う方も多いかと。街に近い丘陵ならではの「お楽しみ」です。
霞川の源流
「風の子 太陽の子広場」方面へ下ります。
付近は、扇型上の谷で、この付近が霞川の源流のひとつです。
少し下ると右側に、チョロチョロと水の流れが! この流れが、霞川の源流。
か細い流れが川となり、入間川と合流し、さらには荒川、そして東京湾に注ぎます。
長さ40cmくらいでしょうか、霞川・最上流の橋?
道は緩やかとなり、「風の子 太陽の子広場」に到着。キャンプ場もありますが、2023年現在、倒木の危険性があり利用停止中です。
かつて谷地だった地形を活かした、池があります。
広場南側には、霞川源流の沢。
広場はコナラなどの雑木林で、古き良き里山の風情です。
永山公園通りから、霞川遊歩道へ
広場のゲートを出て、少し下ると永山公園通りと合流。
永山公園通りを進むと、進行方向右手に北向観音があります。
北極星など、「北」は進路を示す方角。北向観音は進路、つまりは、迷える者を導く意味もある、といわれます。
川沿いに沿って東へ。
少しずつ、川らしくなります。
「風の子 太陽の広場」から1kmほど歩くと、成木街道(都道28号)「鉄道公園入口」交差点に到着。
横断歩道を渡ると、「東京都西多摩建設事務所」の標識があります。
ここから都県境まで都が管理、霞川沿いに遊歩道が続きます。
ここから、1kmほど北に、天寧寺があります。境内には、霞川の水源のひとつ、霞ヶ池が水をたたえます。時間があれば寄り道すると良いでしょう。
報恩寺を経て、報恩寺へ
霞川に沿って、東へ進みましょう。
右手の丘は、雑木林の美しい大塚山公園。
春には、希少植物のキンランなども咲く公園です。
茶畑と新興住宅地。ここ30年ほどで、急速に都市化が進みました。
振り返れば、大岳山が見渡せます。
成木街道「鉄道公園入口」から2kmほど歩くと、都道194号線・霞橋に到着。
橋の南には、霞川遊歩道では貴重なカフェ、POT BELLYがあります。コーヒーブレイクするのも良いでしょう。
霞橋から700mほど進むと、西浦橋に到着。橋の南を少し登ると、報恩寺があります。
青梅唯一の真言宗の寺院。平安時代創建の、歴史ある古刹です。
境内には日本庭園もあります。
11月下旬〜12月上旬にかけては紅葉も見事です。
報恩寺は、春のしだれ桜も見事。四季折々訪れたい寺です。
報恩寺から、入間川の合流地点までは、後半を是非どうぞ。
インフォメーション
マップ
JR青梅駅 …〈30分〉… 展望台 …〈5分〉… 霞川源流 …〈5分〉 … 風の子 太陽の子広場 …〈15分〉… 成木街道 …〈40分〉… 報恩寺 …〈35分〉… 今寺天皇塚水田 …〈10分〉… 藤橋城址公園 …〈35分〉… 都県境 …〈45分〉… 圏央道 …〈1時間〉… 万世橋 …〈35分〉… 入間川合流地点 …〈25分〉… 西武線・入間市駅
ー計5時間40分ー
コースの状況など
- 源流部以外は平坦な道。
- 全行程は約20km、歩きやすい靴が吉。
- 源流部付近・風の子太陽の子広場にトイレあり。
- 霞川沿いは、レストラン、コンビニ等は少ない。多少の水や軽食を持参すると良い。