青梅市・柚木町の久石山不動尊。
ツツジで有名な愛宕神社近くの、小さな不動堂です。
背後にそそり立つ大岩と、一体化した御堂。
岩窟に不動明王が祀られた、知る人ぞ知る古刹です。
目次
吉野梅郷近くの、知る人ぞ知る不動尊
Snow Manで有名な、愛宕神社近くのお不動さん
吉野梅郷にほど近い、青梅市・柚木町。
小説「宮本武蔵」で知られる、吉川英治ゆかりの地です。
柚木町の旧宅敷地内は、吉川英治記念館として見学できます。
歴史ある柚木町の山麓に「久石山不動尊」が祀られています。
起点は、吉野街道(都道45号)沿いの愛宕神社参道。
せっかくなので、ツツジで有名な愛宕神社を参拝しましょうか。
階段を上りきると、拝殿のある境内に到着。春ならば、ツツジと絶景のコラボレーション!
拝殿には、以前、愛宕神社で動画配信したSnow ManのCDも飾られています。
愛宕神社の詳細は、ツツジの花道は出世階段、青梅・愛宕神社に、春色を訪ねてをどうぞ。
愛宕神社参道へもどり、神社北にある沢沿いの道を往きます。
参道は約100m、昼なお暗い森を歩きます。
夏はツリフネソウなど、野草も咲き乱れます。
ツツジの季節ならば、ニリンソウが見事です。
小さな、苔むした橋を渡ります。
1960年頃の地図では「真如橋」との表記されています。
橋を渡れば、岩にバックにした小さな不動堂に到着します。
岩に染み入る、久石山不動尊
久石山不動尊は、慶長年間(安土桃山時代〜江戸時代初期)に、鎌倉より勧請されたとされます。1911年(明治時代)に、近くの古刹・即清寺に編入され、今に至ります。
即清寺は、真言宗の寺院。寺の裏山には、八十八ヶ所霊場もあります。
即清寺と八十八ヶ所霊場の詳細は、上記リンクをどうぞ。
不動堂の背後には、巨岩が!
横から見ると… 不動堂が、岩にのめり込んでいます。御堂の後ろは岩で支えられているのでしょう。
沢沿いで湿気がるのか、苔が美しい!
苔むした岩と、不動堂。一見の価値があります。
巨岩そのものも、見応えがあります。不動堂と一体化した岩以外にも、岩が聳え圧巻。
不動堂の中です。普段は非公開ですが、毎年4月・第1日曜日に、御開帳の護摩供養されます。
今回、許可をいただき、不動明王を撮影させて頂きました。
くりぬいた岩に鎮座する、不動明王立像。 銅製で身長33.2cm、19世紀の製作といわれています。
小さな像ですが、背後には迦楼羅炎(かるらえん)が描かれています。
煩悩や悪を焼き尽くす力を象徴とされます。
不動堂右側の岩に、清水を溜める石があります。
その昔、岩を流れる水で、眼を洗うと眼病が治るとの言い伝えが… 今は衛生上宜しくなく、止めた方が無難ですが。
近くに住んでいた吉川英治さんが病気になった際、地元の方が水を汲み、一升瓶に入れて届けた、という逸話もあります。
さて「久石山不動堂」の由来ですが…
かつて、この近辺の集落だった、久戸沢(くとざわ)、石原(いしはら)の頭文字を組み合わせて、命名したとか。
かつては、不動堂近くの沢が集落の水源でした。東京都の水道が整備された今も、簡易水道として供給されています。
巨岩をバックに佇む山麓の不動堂。都区内からのアクセスも良く、吉野梅郷など、付近の観光スポットと併せた小旅を楽しめますよ!
インフォメーション
JR青梅線・二俣尾駅より、徒歩20分
または、JR青梅線・青梅駅より都営バス「吉野」行にて「柚木」バス停下車・徒歩10分
駐車場… 即清寺付近に、吉野園地駐車場(無料)あり
近くのオススメスポット
参考文献
- 青梅市 文化財保護指導員連絡協議会活動報告書 第23号(平成18年度)
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000106414 - 東京都 1:3,000地形図
https://info.qchizu.xyz/qchizu/tile/tokyo3000/