青梅市・柚木町の、吉川英治記念館。
「宮本武蔵」「私本太平記」など歴史小説のベストセラー作家・吉川英治の自宅を記念館です。
1977年に開館するも、惜しくも2019年3月に閉館しました。
しかし、2020年9月7日、英治の命日である9月7日に、市営として再オープン。
オープン当日、出かけてみました。
目次
見ごたえある建造物と庭園の、文学記念館
昭和のベストセラー作家、吉川英治
吉川英治は1892年(明治25年)、神奈川県生まれ。
大正末期より頭角を現し、1935年(昭和10年)から新聞連載された「宮本武蔵」が大ヒットします。
戦後も「新・平家物語」「私本太平記」などを発表。
激動の昭和を駆け抜け、惜しくも1962年に亡くなります。
![青梅市・吉川英治記念館・入口](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7299.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
ちなみに看板は、東山魁夷作
青梅市に9年ほど住み、その邸宅が吉川英治記念館として、1977年にオープンします。
個人邸としては、かなり広い敷地です。
それもその筈、何度も文化人の長者番付1位になるほどの、流行作家だったのです。
例えば、1949年(昭和24年)の年収は250万円。
大学初任給が4千円程度の時代、現在でいえば1億円以上となるでしょう。
今で言えば、東野圭吾や宮部みゆきのようなポジション、でしょうか。
![青梅市・吉川英治記念館](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7447-1.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
作品はまだ読んだことがない、という方へ。
英治の作品は、2012年に著作権が切れ、現在では青空文庫やアマゾンで無料で読めます。
是非ご一読を。
一般公開された、母屋を探検
![青梅市・吉川英治記念館](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7358-1.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
再オープンにあたって、母屋が一般公開となりました。
以前はイベントなどでの特別公開はありましたが、基本、入れませんでした。
母屋は、木造2階建て。
1階のみ、公開されています。母屋は江戸時代の建築を明治時代に建て替えたもの。
元々は、養蚕農家の民家を、英治の手で改築しています。
![青梅市・吉川英治記念館・母屋](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7305.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
農家としては、かなり大きな建物ですね。
養蚕農家の場合、家で蚕を飼うため、大きな建物が必要。
1階は住居、2階は蚕部屋となります。
屋根の上に、窓がありますが、これで温度や湿度を調節していたのでしょう。
![青梅市・吉川英治記念館・母屋内部](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7312.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
![青梅市・吉川英治記念館・母屋内部](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7317.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
母屋の内部は、畳敷き。
ひとつひとつの部屋がかなり広い、ゆったりとした間取りです。
![青梅市・吉川英治記念館・母屋縁側](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7321.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
![青梅市・吉川英治記念館・母屋の囲炉裏](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7334.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
縁側や、囲炉裏もあります。
100年以上前の民家なのに、手入れが良いのか、今でも住めそうなコンディションです。
![青梅市・吉川英治記念館・母屋のキッチン](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7340.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
台所は、モダンです。
年表を見ると1953年(昭和28年)には、品川へ引っ越したと記されていますが、その後、別荘として使っていたのでしょうか。
日本でのステンレス製キッチンは、公団が昭和30年代に導入したのが始まり。
つまり、普及し始めの時期に据え付けたと推定されます。
英治は、新しいもの好きなのですかね。
書斎と展示室、そして庭園
![青梅市・吉川英治記念館の書斎](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7351.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
母屋に繋がる洋風建築物は、書斎。
こちらは、明治時代中期の建築。
日本家屋と洋館があるあたり、英治の家に対する情熱を感じます。
![青梅市・吉川英治記念館](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7412-1.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
庭は、地形を活かした起伏があります。
![青梅市・吉川英治記念館の展示館](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7385.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
丘の上には、展示館があります。
展示物は撮影禁止なので、写真はありませんが…
英治の軌跡を辿る資料や自筆原稿の見学、またビデオ鑑賞なども出来ます。
![青梅市・吉川英治記念館のシイノキ](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7377.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
庭には、大きなシイノキが…
樹齢5〜600年とのこと、貫禄があります。
![](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7388.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
![青梅市・吉川英治記念館の庭](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7422.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
![青梅市・吉川英治記念館の庭](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7398.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
![青梅市・吉川英治記念館の庭](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7365.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
季節の花はもちろん、石像などもあります。
シャクナゲ、モミジも植えてあり、春や紅葉シーズンは、さぞかし綺麗でしょうね。
![青梅市・吉川英治記念館の井戸](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7441-1.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
ぐるりと一周し、入口付近に戻ると…
昔懐かしき、井戸がありました。
![青梅市・吉川英治記念館の井戸](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7439.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
飲用禁止、のようですが、水は出ます。
山の近くで、地下水が豊富なのでしょうか。
![](https://i0.wp.com/ometsu.net/wp-content/uploads/2020/09/DSC7444.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
ひととおり、見学が終わったら、出入り口横のミュージアムショップ?を冷やかしましょう。
紅梅苑の羊羹や、ホットマンのタオルなど、青梅市内の名品も売っています。
あっ、もちろん記念館のオリジナルグッズも、ありますよ。
吉川英治記念館は、吉野梅郷もすぐ近くです。花の季節などは、足を伸ばすのも良いでしょう。
インフォメーション
アクセス・営業案内
JR青梅線・青梅駅より、都営バス「吉野」行にて「柚木」バス停下車、徒歩1分
または、JR青梅線・二俣尾駅より、徒歩18分
駐車場… あり
●青梅市 吉川英治記念館
Webサイト… https://ome-yoshikawaeiji.net/
観覧時間… 10:00〜17:00
休館日… 毎週月曜日(祝休日の場合は翌平日)・年末年始(12/29〜1/3)
※その他、臨時休館日あり
住所… 東京都青梅市柚木町1丁目101−1
電話… 0428-74-9477
当日料金 | 団体料金(20名以上) | |
---|---|---|
大人(高校生以上) | 500円 | 400円 |
小・中学生 | 200円 | 150円 |
以下の方は無料でご観覧いただけます。
- 障がいのある方とその付添者1名(障がい者手帳を提示)
- 未就学児
- 土・日曜日・祝日に来館する青梅市内の小・中学生