中世城郭・最高傑作と呼ばれる滝山城。
その城跡を自転車で訪ねました。
羽村の堰から多摩川サイクリングロードを走り、高月城跡へ。
田んぼの残る道を往き、滝山城跡を目指しました。
目次
多摩川サイクリングロードから、城跡へ旅する
羽村の堰から、多摩橋へ
戦国時代・後期、多摩地方を支配した、後北条氏。
最盛期は小田原を拠点に、現在の東京・埼玉・千葉・伊豆など支配しました。
多摩川の西岸には、後北条氏の支城・滝山城がありました。規模も大きく、中世の城では最高傑作ともいわれています。
多摩川サイクリングロード起点、羽村の堰から、滝山城跡までサイクリングしました。
起点は、JR青梅線・羽村駅。西口から、羽村の堰を目指します。
途中、アジサイの綺麗な禅林寺も。『大菩薩峠』の作者、中里介山の菩提寺です。
禅林寺の詳細は上記をどうぞ。
禅林寺から坂を下り、玉川上水に架かる「羽村橋」を渡り、多摩川の堤防を南東へ進みます。
堤防の上には、一直線に伸びる、多摩川サイクリングロード。通称「多摩サイ」です。
ロードバイクのメッカでもある多摩サイ。結構、飛ばす自転車も走り、要注意です。歩行者の邪魔にならないよう、スピードの出し過ぎは厳禁。
芝生が綺麗な、福生かに坂公園を通ります。時間が許せば、昼寝をしたくなりますね!
永田橋をくぐり、羽村の堰から3kmほどの、多摩橋を渡ります。
多摩橋から、高月城跡へ
橋からの大岳山は見事。なお、展望に優れた歩道は右側、自転車は押して歩きます。
このまま、五日市街道(都道7号線)を進んでも良いのですが…
多摩橋の先にある、多西橋を渡って左折。交通量の少ない川沿いを進みます。
せっかくなので、多摩川河川敷の「あきる野市グラウンド」付近を散策。JR五日市線の鉄橋もある、長閑な光景です。
原っぱには、ネジバナの花が咲き乱れます。見頃は6月中旬くらいでしょうか? 珍しい花ではありませんが、野生ランの一種です。
河川敷を後にして、秋川方面へ南に向かいます。
秋川沿いの遊歩道を右へ左折。大岳山もよく見えます。
しばらく進むと、東秋川橋に到着。左折し、橋を渡ります。ここからは八王子市となります。
橋の先を左折し、路地裏を進みます。付近は狭い路地が点在し、長閑な雰囲気です。
狭い路地を往くと、高月八幡神社に到着。高月城を築城した大石氏が、守護神として崇めた神社です。
神社の境内から西へ進むと、都道166号線。横断歩道を渡ると、何やら妖しい「ホテル高月城」の看板。戦国武将もビックリなネーミングですが、右折して西へ進みます。
少し進むと「ホテル高月城」。営業していないようで、「立入禁止」の看板もあります。
廃墟マニアの人気スポットらしく、不法侵入も多いようです。
ホテル高月城から。石垣の道を少し進むと…
左手に高月城跡の入口があります。
入口から高月城跡を往復します。雨上がりなのか、道がぬかるんでいました。
標高差約35m登ると、高月城跡に到着。遊歩道以外は、私有地のため立ち入り禁止です。
展望はありませんが、長閑な雰囲気です。
諸説ありますが…
高月城は、地元の豪族・大石氏が築城。戦国時代、大石氏は養子縁組で後北条氏の軍門に下ります。その後、高月城は、後北条氏の支配下となりました。
大石氏は、あきる野市・戸倉城山に隠居。戸倉城山の詳細は上記をどうぞ。
高月ツリーを経て、滝山城跡へ
高月城跡を下り、先ほど訪れた高月八幡神社を通り、交通量の少ない農道を往きます。
辺りは田んぼの広がる長閑な光景。白鷺が羽休めしています。都内・区市町村で米の生産量は、八王子がトップ。対岸のあきる野と併せて、秋川流域は、東京の米どころです。
秋川の土手の「高月ツリー」。美しいシルエットが、田んぼに映ります!
道標に従い、滝山城跡へ向かいます。
酪農農家の近くを通り、滝山城跡への上り坂を進みます。
「都立滝山公園」の入口。ここからは車両乗り入れ禁止、自転車を押して歩くのがルールです。
苔むす石畳の道を歩きます。
坂道を登り切ると、本丸と中ノ丸に架かる橋に到着。
この谷自体「堀切」で、人工的に掘った城の防御設備です。
都立公園らしい丁寧な案内板。なんと八王子市では、滝山城跡ARアプリも用意、かなり力が入っています!
徒歩で本丸へ。広場の先には、霞神社の参道があります。
滝山城は、高月城と同様、地元の豪族・大石氏が築城。16世紀中頃に後北条氏の城となります。
多摩川を挟んだ北側は、敵対関係のある三田氏の領地。三田氏の要塞・辛垣城を攻めるための、足がかりとして、この城が活躍したのでしょう。
辛垣城など、戦国時代・西多摩の山城については、歴史のあだ花? 青梅・あきる野で散った、戦国の山城をどうぞ。
霞神社は、明治時代の創建。日露戦争の戦没者を祀る神社です。
霞神社の奥には、金比羅神社。社殿は近年再建されましたが、江戸時代の創建と、歴史ある神社です。多摩川と秋川の合流点近く、水害も多かったのでしょう。
江戸時代、付近の多摩川は御用地に指定され、徳川幕府に鮎が献上されました。豊かな自然と災害は、隣り合わせなのですね。
金比羅神社奥のは櫓台。多摩川の奥には拝島方面の街並み、更には西武ドームも見えます。
本丸へ戻り、橋を渡って中の丸へ向かいます。
中の丸も平地。本丸よりひと回り大きな広場です。
中の丸から、南へ下ります。辺りは気持ちの良い雑木林。
随所の堀もあります。
滝山街道(国道411号)へ下ります。近くを並行する都道・新滝山街道より狭い、三桁国道です。
滝山街道を離れ、交通量の少ない谷地川沿いへ。橋から大岳山も見渡せます。
谷地側沿いの遊歩道を東へ進みます。
川沿いを2kmほど進むと、新滝山街道・国道16号線の「左入橋」交差点に到着。
左折し、国道16号を進み、拝島橋へ。多摩川を渡り、昭島市へと進みます。
拝島橋の橋長は527m。河口付近の大師橋・550mとさして変わず、下流の丸子橋や堤政橋より長い!
広い川幅で、中流ならではの自然豊かな様相で、四季折々楽しめます。
大岳山の光景も見事です。
橋を渡り、土手沿いの多摩川サイクリングロードを西へ。起点の羽村駅へ戻ります。
そのまま、サイクリングロードを走っても良いですが… 永田橋の先で宿橋通り進むほうが、市街地への上りが緩やかで楽です。
JR青梅線と並行する道を西へ。信号もなく、サイクリングロード並みに快適な道が、JR羽村駅まで続きます。
インフォメーション
マップ
コースの状況など
- 滝山街道は、交通量も多く狭い。並行する路地が快適。
- 多摩川サイクリングロードは、歩行者優先。スピードの出し過ぎに注意。
- ほぼ平坦も、多摩川と市街地には高低差がある。