東京都・昭島市・拝島の大日堂と、日吉神社。
「拝島」の由来となった寺と、その守護神の神社です。
境内には、樹齢800年ともいわれる藤の木も。
東京近郊で、花と歴史の小旅が楽しめます。
目次
樹齢800年の藤と、安土桃山時代の神社仏閣
拝島ゆかりの古刹、大日堂・普明寺
東京西部に昭島市・拝島。
JR青梅線・五日市線・八高線、西武拝島線が乗り入れ、交通の要です。
「拝島」の地名は、平安時代に遡ります。
日原鍾乳洞に安置された大日如来像が、多摩川の中洲に流れ着きます。
大日像は、近くに建てた大日堂に安置。大切な仏像として拝まれ、「拝島」の由来となります。
16世紀前半に、小田原・北条氏が滝山城(現・八王子市内)築城。大日堂は、鬼門除けとして、現在の場所へ移転します。
その後、天正元年(1573年)に、大日堂の別当寺として、普明寺が創建されました。
現在の大日堂は、普明寺の境外仏堂となります。
普明寺は天台宗の寺院。比叡山が総本山です。
日吉大社は、元々「ひえ」と呼ばれ、比叡山の地主神。最澄が延暦寺を建立した際、日吉大社を守護神とします。
その後、天台宗と日吉神社の神仏習合が進み、日吉神社に祀る寺院も広がります。拝島・大日堂も、そのひとつです。
明治時代の「神仏分離令」で、各地の神社、別当寺(神社を管理する寺)が仏教色を排除。廃寺が相次ぎました。
拝島大日堂・日吉神社は、同じ敷地内に寺と神社が共存する、貴重な文化財となりました。
都天然記念物の、拝島の藤
大日堂近くの、都天然記念物「拝島の藤」。
付近は公園として整備され、憩いの場として親しまれています。
別名「千歳の藤」とも呼ばれ、推定樹齢800年!
木々の緑との対比も美しい藤。
パープルのスダレが、目に眩しいですね!
公園には、湧き水の池も。今でも、多摩川の崖線から水が湧き出ます。
水面にも彩るツツジ。
大日堂・参道の右には、「おねいの井戸」。
滝山城主北条氏照・家臣の石川土佐守が、眼病の娘「おねい」を祈願。井戸水で目を洗ったところ、治ったとの言い伝えがあります。
昭島市の水道は深層地下水。水源が深層地下水のみと、水の美味しい街として知られています。井戸が豊富なのも納得です。
市内の駅前には、給水スポットも。水筒を持参すれば、無料でミネラルウォーターが楽しめます。
装飾も美しい、拝島日吉神社
藤の見物を終え、日吉神社へ。
藤棚近くの鳥居。
崖線の石段を往きます。
振り返ると、眼下に藤棚が望めます。
石段を上りきると、狛犬様。
安政二年(1855年)に再建と、歴史と風格あふれる、本殿。
本殿横には、お守り、おみくじも。運試し、厄除けにどうぞ。
社殿の彫刻が見事です。
本殿・後ろの彫刻も素晴らしい! 一見の価値があります。
上部には、様々な動物の彫刻が施されています。今年の干支を探すのも面白いですね。
日吉神社・右手が大日堂。塀もなく、同じ敷地に神社とお寺が共存しています。
大日堂、日吉神社境域は貴重な歴史的建造物として、1992年東京都史跡に指定。
「拝島の藤」と共に、見ごたえのある小旅が楽しめるでしょう。
インフォメーション
アクセス
拝島駅より、徒歩28分
または、拝島駅南口より立川バス「立川駅北口」行にて「拝島大師」バス停下車・徒歩3分
問い合わせ先
●拝島日吉神社・大日堂
Webサイト… https://hiyoshi-jinja.or.jp/
参拝時間… 特に制限なし
住所… 東京都昭島市拝島町1-10-19
電話… 042-544-0636
●普明寺
Webサイト… http://www.tendaitokyo.jp/jiinmei/fumyoji/
参拝時間… 特に制限なし
電話… 042-541-1009(本院)