奥多摩湖南岸の「いこいの路」。
全長12kmの、湖畔沿いを歩くトレッキングルートです。
登山ルートでもなく、さりとて気軽な散歩道でもなく、静かに楽しめる穴場。
紅葉や新緑の時期でも、意外なまでに静かな散策を楽しめます。
目次
湖畔の森のロングトレイル「いこいの路」を歩く
小河内ダムから、いこいの路へ
「いこいの路」は、東京の水瓶、奥多摩湖南岸のトレッキングルートです。
全長12km、歩き通すと約5時間と、中々のロングトレール。名前から想像するよりも、本格的な山道です。
JR青梅線の終点、奥多摩駅から、バスで奥多摩湖へ。
堤高148m・小河内ダムの堤防へ向かいます。
朝霧が舞うことも。
水道用の貯水池としては、日本一。巨大なダム湖です。面積は1,150 ヘクタール、あの黒四ダムの3倍弱、広大なのも頷けます。
堤防を渡ります。途中、展望台の横を通ります。
展望台は朝10時から、開いていれば、寄るのも良いでしょう。
堤防からの眺め。朝焼けが、霧に霞みます。
堤防を渡り切ると、右手に慰霊碑。ダム建設で殉職した、87名の尊い命を慰霊しています。
いこいの路から、ふるさと村へ
慰霊碑の左が、いこいの路の入口。
ここから、12km程度の「ふるさと村」まで、エスケープルート(避難路)はありません。天候の悪いは、無理をしないほうが良いでしょう。
しばらくは、保安用の林道を歩きます。いこいの路は、東京都水道局の管理。土砂を防いだり、気の遠くなるような、メンテナンスをしているのですね。
対岸の峰と集落を眺めつつ、歩きます。
エメラルドグリーンの湖面。
毛づくろいする、お猿さん。
餌を求めて、金網を駆け上ります。速さとバランス感覚にビックリ。
林道の終点。ここからは、登山道となります。
湖に流れ込む沢。苔も美しい、ちょっと良い風景です。
斜面の道を往きます。多少、狭い所もあり、慎重に。
時には、沢も渡ります。
紅葉と、蒼い湖。水面の色も、場所や条件によって、七変化です。
ベンチのあるポイントに到着。遠く、ダムの堤防が望めます。
雲と空を映す、神秘的な光景。
モミジの木も多く、秋は美しい!
山からの水を集めて湖へ。これが、家の蛇口から出る水のもと、ありがたい山の恵みです。
なだらかな沢の近くで、湖畔が間近に。東京にも、このような絶景があるのですね!
陽を浴びた、黄葉。小春日和の穏やかな小景。
紅葉の路を、踏みしめ歩きます。
トイレと東屋のある「いこいの広場」に到着。
大体、ここが中間地点です。ひと休憩するのも良いです。
いこいの広場から、少々歩くと、「大むぞ沢の滝」。小さな滝ですが、中々キレイです。
やや開け、遠くの山並みも、チラチラと見えてきます。
路傍の苔。
よく整備されていますが、山の斜面を切り開いた道。滑落には注意しましょう。
陽が高くなったのか、水面も心なしか、明るくなります。
対岸の集落も、見え始めたら、そろそろ終盤です。
いこいの路の終着「都立ふるさと村」に到着。小河内ダムから12km、長い道のりでした。
「ビジターセンター」「クラフトセンター」方面へ歩きます。
「ふるさと村」は、東京都が開設した、自然体験施設。ビジターセンター、散策路、キャンプ場などが整備され、ケビンでの宿泊もできます。
ひと休みを兼ね、ビジターセンターを見学しましょう。
また、園内には、キーマカレーの美味しいごはんcafeやませみもあります。
ここで、昼食するのも良いですよ!
ふるさと村から、ドラム缶橋を経て、下山
「ふるさと村」から、ドラム缶橋(麦山浮橋)を渡り、対岸のバス停へ向かいます。
12km歩いた後だと、すぐ近くのように感じますが… 2km以上あり、侮れません。
ビジターセンター前から、右へ下り、湖畔へ向かいます。車道を歩くと、ドラム缶橋へは行けず、ご注意を。
また、ドラム缶橋は、天候や水位によっては、通行止めとなる場合があります。事前にビジターセンターで、ご確認を。
ビジターセンターから、少々下り、沢を渡り、登り返します。
奥多摩湖の展望。近くを走る、奥多摩周遊道路の音が聞こえます。
ドラム缶橋へは、ともかく登山道を歩きます。
しばらく歩くと、ドラム缶橋(麦山浮橋)が眼下に望まれます。ここは、ちょっとした観光スポット、急に賑やかになります。
橋を渡り、対岸へ。
浮橋なので、水面ギリギリで、一種独特の光景が広がります。
通称「ドラム缶橋」と呼ばれる、麦山橋。
かつては、ドラム缶の上に板を並べた橋でしたが…
現在は、ポリエチレン・発泡スチロールの浮きを使っています。もっとも、当時の名残りで「ドラム缶橋」のほうが、通りが良かったりします。
橋を渡り、階段を登り、青梅街道へ。
最寄りのバス停は、「小河内神社前」です。バスの本数が少ないので、待ち時間があるならば、左手のトンネルをくぐり、峰谷橋を渡った「峰谷橋」バス停へ向かいましょう。
近くにトイレや東屋などがあり、帰り支度もできます。
インフォメーション
地図
奥多摩湖バス停 …〈10分〉… いこいの路入口 …〈40分〉…林道終点 …〈2時間30分〉… いこいの広場 …〈2時間〉… ふるさと村 …〈40分〉… 麦山浮橋(ドラム缶橋) …〈10分〉… 峰谷橋バス停
ー計6時間10分ー
アクセス
JR青梅線・奥多摩駅より、西東京バス「奥多摩湖」「峰谷」「留浦」「鴨沢西」「丹波」「小菅の湯」行バスにて、「奥多摩湖」バス停下車
※自家用車の場合、奥多摩湖近くに無料の「奥多摩 水と緑のふれあい館駐車場」あり。
※土・日・祝日の15:40に、山のふるさと村→奥多摩駅までの無料送迎バスを運行。電話(0428-86-2324)にて確認。
コースの状況等
- 整備されているが、山道。トレッキングシューズで歩くのが望ましい。
- 「いこいの路」は、12月〜4月上旬までは、通行止め。
- 平坦だが、長いコースなので、雨具・非常食などを。
- 麦山浮橋(ドラム缶橋)は、天候や水位によっては、通行止め。東京都水道局にて要確認。
- 起点・終点の高低差はほとんどなく、逆コースでも、ほぼ同じ時間で歩ける。
問い合わせ先
●東京都水道局
「いこいの路」の管理・運営
Webサイト… https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/kouhou/pr/ikoi/
●東京都立奥多摩湖畔公園 山のふるさと村
Webサイト… https://www.yamafuru.com
開園時間… 9:00~17:00 ※各施設は16:30に閉館。
休園日:年末年始(12/29~1/3)
住所… 東京都西多摩郡奥多摩町川野1740
電話… ビジターセンター 0428-86-2551 キャンプ場・送迎バス 0428-86-2324
※車でのアプローチの場合、奥多摩周遊道路通行時間は、9:00~18:00