奥多摩で富士山の展望を、気軽に楽しみたい!
富士山の東にある奥多摩では、午前中の澄んだ時間がベストです。
見晴らしの良い頂上まで、短時間で登れる槇寄山(まきよせやま)。
そこから、景色の良い尾根をプチ縦走する山旅を、ご紹介します。
目次
富士山の展望が魅力の、槇寄山
数馬バス停から、九頭竜神社を経て、九頭龍の滝へ
槇寄山(まきよせやま)は、東京と山梨の県境にある山。
三頭山から縦走し、頂を踏むことが多い山ですが…
こと、富士山の展望に関しては、350mほど標高の低い槇寄山のほうが優れています。
登山ルートはいくつかありますが、今回は九頭竜の滝を見学し、そこから登ります。
JR五日市線・武蔵五日市駅から、バスで数馬へ。
東京の最奥ともいえる、檜原村・最奥の集落です。
林業が盛んなのか、バス停が無垢の木!
バス停から西は、10分弱歩くと右手に、九頭龍神社が現れます。
神社の歴史は、南北朝時代まで遡ります。
当時、この地を開拓した、中村数馬守小野氏経が、南朝の守護神、九頭龍大神を祀ったのが始まり。
手水舎は、龍の口から水が湧き出ています。
神社を拝観したら、檜原街道を少し西へ歩きます。
橋を渡り、右手に九頭龍の滝へ通ずる道があります。
道を下ると、程なく滝に到着。
落差10mの小さな滝ですが、中々迫力があります。
滝行道場なども行われていますが、夏以外は辛そう。
本来ならば、滝見橋から眺められますが、豪雨で流されたのか、橋脚が1本折れています…
当然、危なく、立ち入り禁止。
橋の横から、滝を眺めます。
九頭龍の滝から、西原峠を経て、槇寄山へ
滝を見学したら、道に戻ります。
道の向かい側に、登山口があります。
歩き始めは、いきなり急登です。
無理やり尾根に取り付く道で、今回のルートで一番キツイ登り。
急登は長くないので、ご安心を。
急登が一段落すると、杉林、そしてカラマツ林の道となります。
11月には、もう黄葉、蒼い空に映えます。
登山口から30分程で、仲の平からの道と合流。
道は、やや緩やかとなります。
途中、見晴らしの良い場所も。
スカイツリーからの電波を拾う、共同アンテナでしょうか。
登るにつれ、雑木林となります。
秋には落ち葉を踏みしめる、ご機嫌な道。
尾根を外れ、山を巻くように進むと、西原峠。
東京と山梨の、県境の峠です。
尾根を右へ登ると、間もなく標高1,188mの、槇寄山の頂です。
槇寄山頂からは、富士山の大展望!
登山口から頂上まで、2時間弱。
朝8時に出発すれば、10時前には到着します。
秋のカラッとした晴天時ならば、クリアな富士山と出会えます。
山頂は比較的広く、テーブル付きのベンチもあります。
しばし、ノンビリするのも良いでしょう。
槇寄山から、笛吹峠へ
山頂から西原峠に戻り、笛吹峠方面に尾根伝いに進みます。
雑木林の道は、なだらかで快適です。
モミジもあり、秋には紅葉も楽しめます。
落ち葉の道を、ノンビリと。
小春日和の醍醐味です。
さしたるアップダウンもなく、田和峠に到着します。
田和峠からも、富士山が。
富士山の右には三つ峠、目を凝らすと、山頂の電波塔も見えます。
田和峠から、数馬峠を目指します。
左手には、大岳山も。
道は、尾根のやや北を通り、いくつかのピークを巻きます。
数馬からの道と交わると、数馬峠。
ここからも、富士山が見えます。
数馬峠から、少し下ると、山梨県側の藤尾への分岐。
この分岐は、左へ曲がります。
まっすぐ進むと、藤尾へ下ってしまい、注意します。
分岐から、小さなピークを超えて下ると、笛吹峠(うずしきとうげ)です。
笛吹峠から、笛吹集落へ下山
笹の茂る森に囲まれた、笛吹峠。
昔ながらの、峠の風情が漂います。
笛吹峠は、「大日峠」とも言います。
大昔の道標、でしょうか。
真ん中に「大日」、「みぎ かづま」「ひだり さいはら」と刻まれています。
笛吹峠から、笛吹バス停への道を下ります。
最初はやや緩い下り、ブナなども生える綺麗な森です。
山を巻く道は、やや細く、気をつけながら下ります。
やがて巻道は、杉の植林帯へ。
伐採したばかりの、ハゲ山を横切ります。
谷側はネットがあり、それに沿って道が付いています。
やや複雑な気分ですが、ハゲ山だから、展望は抜群。
大岳山、その奥は川乗山方面でしょうか。
巻道を進むと、丸山からの道と合流します。
合流点から、ほんの少し下ったところで、ネット沿いの道から別れ、右の道へ進みます。
気をつけないと、真っ直ぐ進んでしまい、気を付けます。
まだまだ、植えたばかりの植林を進みます。
この木が育ち、伐採するのにいったいどのくらいかかるのか…
林業って、気の長い仕事です。
植林で変わったのか、尾根のやや東に道があります。
国土地理院の地図とズレてますが、それも束の間、地図通りのトレースに収まります。
正面に大岳山、揺れるススキの道を進みます。
道はやがて、鬱蒼とした杉林となります。
植林とは別なのか、杉の巨木も。
道がやや急となり、やがて笛吹の集落に出ます。
山間に、家々が点在しています。
路傍に、お地蔵さん。
山から、少しずつ、里らしくなります。
丸太を積んだトラックに、追い越されながら…
舗装された道を歩けば、バス停はもうすぐです。
笛吹の集落には、美味いピザを食べさせるお店もあります。
時間があれば、是非どうぞ。
インフォメーション
アクセス
JR五日市線・武蔵五日市駅より、西東京バス「数馬」「東京都民の森」行バスにて、「数馬」バス停下車
登山地図
数馬バス停 …〈10分〉… 九頭龍の滝・登山口 …〈30分〉… 仲の平分岐…〈1時間10分〉 … 西原峠 …〈5分〉… 槇寄山 …〈30分〉… 田和峠…〈20分〉… 数馬峠 …〈40分〉… 笛吹峠…〈25分〉… 丸山分岐…〈1時間〉… 笛吹バス停
ー計4時間50分ー
コースの状況など
- 九頭龍の滝の橋は、立入禁止
- 登りは北斜面の急登、積雪時は、それなりの装備が必要
- 携帯電話は、圏外の場所が多い
- トイレはバス停のみ、登山道上にはない
- 自家用車の場合は、数馬峠から数馬へ下ると、周遊コースとなる
問い合わせ先
奥多摩ビジターセンター
東京側のコースの状況など
https://www.ces-net.jp/okutamavc/
西東京バス
http://www.nisitokyobus.co.jp/rosen/pocket.html