奥多摩のピカピカトイレ清掃集団「オピト」。
代表の大井朋幸さんの著書が2025年6月24日に発売されます。
大井さんの半生、オピトの来た道と、そしてこれから。
一度読み始めたら止まらない、トイレ&奥多摩愛あふれるノンフィクションです!
「日本一トイレが綺麗な町」のトイレから見える光景
奥多摩のトイレ清掃集団オピトとは?

東京最西端の町、奥多摩。
数年前より「日本一観光用公衆トイレがきれいな町」を標榜しました。
その原動力は、ピカピカトイレ清掃集団「オピト」。

かつてはお世辞にもキレイとはいえないトイレでしたが、ビックリするほどピカピカとなりました。
テレビ、雑誌、新聞等のメディアにも取り上げられ、ご存じの方も多いかと。
2025年4月にスピンアウトし、株式会社オピトを設立。清掃業務を引き継ぎました。
ボクは日本一かっこいいトイレ清掃員
オピトの代表メンバー、大井朋幸(おおい ともゆき)さんが「ボクは日本一かっこいいトイレ清掃員」を上梓。
刊行日は2025年06月20日・販売開始は6月24日、すでにネットや店頭での予約も可能です。
なんと、あの岩波書店の出版。広辞苑の岩波書店ですよ、岩波!
「岩波ジュニア新書」シリーズの一冊、難しい漢字にはルビも振られ、小学校高学年でも読めるかと。
もちろん大人の方にもオススメ。文字が大きめで、老眼気味でも読みやすいです。
ある意味、自慢話タップリな自伝
今回、出版元・岩波書店のご厚意で、見本誌を贈呈いただきました。
ザックリいうと、大井さんの出生〜トイレ清掃員〜株式会社オピト設立までの半生を描いた、自伝的ノンフィクションです。
得てして「自伝」は、鼻持ちならない自慢話になりますが… 某新聞の「私の履歴書」にありがちな、ナゾの武勇伝みたいな。
表紙写真の「自己主張強めな風貌」からすると、地雷な予感ですが…

読み始めると、イヤな予感は吹っ飛びました!
実は結構、自慢話が盛々ですが… ナゼか不快ではない。
ふと気が付きましたが、「自分自慢」でなくて「トイレ自慢」なんですね。
要はピカピカなトイレの自慢で、これなら嫌味でない。むしろ奥多摩へ、自慢のトイレを訪ねる旅をしたくなりますよ!
まるで冒険小説みたいなストーリー

夜11時くらいから読み始めて結局、夜更かしして一気に読み切りました。
大井さんの人生は波瀾万丈。元々はコックさんでしたが紆余曲折の末、トイレ清掃員に。
最初はイヤイヤモードでしたが、ある事件をキッカケに「やる気スイッチ」オン。
そこからは大ばく進、ワクワク・ドキドキな展開です。

「やる気スイッチ」以後、大井さんの中では目標が明確となります。「信念」と言い換えても良い。その信念が周りの人を巻き込み、飲み込んでいく様が、克明に描かれています。
でも、かな〜り目茶苦茶です。
例えば、いい大人がアポなしで大阪の小学校へ。
オンラインで交流する子供たちを訪ね、奥多摩から車で行きます。
サプライズで喜ぶ、子供たちの顔を思い浮かべながら。

フツーに考えたら相当、ぶっ飛んでいます。そもそも課外授業で居なかったら、徒労に終わるし。
門番の警備員さんに訝しがられ、絶体絶命のピンチに!果たして想いは通じるのか!
このフィーリング、なんか覚えがあります。 そう、子供の頃読んだ冒険小説やRPGに近しい感覚。
テンポのよい展開で、はやる気持ちを抑えつつ、ページをめくります。
うどんのように、お子さんでもスルスル読めます。うどんは消化いいしね。

どうやら大井さんには「奥多摩のトイレ清掃」の枠を越えた、大きな夢があるらしい。エピローグでその一片を、ちょっぴり語ります。
「アポなし大阪訪問」をスケールアップしたような、サプライズを企んでいるのか。なんて思うと、ちょっとワクワクしますね!
オピトのトイレについては、下記の記事をどうぞ。
奥多摩町内数ヶ所のピカピカトイレを巡る旅です。
風光明媚な奥多摩湖〜鳩ノ巣渓谷を往く、気持ちの良い散策路です。
本の中で、娘さんと出かけた百尋ノ滝。四季折々、美しい名瀑です。
こちらも本で紹介された奥多摩フードコート。絶品ラーメンが頂けます。

そういえば…
本のカバーは、青梅の印刷会社「精興社」が印刷。「ぐりとぐら」など絵本印刷でも定評ある会社です。青梅は奥多摩のすぐお隣、ご縁を感じますね。
ボクは日本一かっこいいトイレ清掃員
(岩波ジュニア新書)
著者:大井 朋幸
出版社:岩波書店
新書・224ページ
価格:¥1,034(税込)
ISBN : 9784005010011