標高929mの青梅市・御岳山。
ケーブルカーも通り、手軽なハイキングコースとして親しまれています。
とはいえ、大雪直後はケーブルカーは運休し、山の上の集落は、陸の孤島となります。
絶景を求めて、歩いて山を目指しました。
目次
絶景と不便さは裏腹?御岳山の冬景色を求めて
観光だけではない、生活に密着したケーブルカー
東京で大雪警報の出た翌日、雪山気分を求めて青梅市・御岳山へ出かけました。
JR青梅線・御嶽駅から、バスに乗のうとすると…
「ケーブルカーは運休中ですよ」
と運転手さん。事前に注意喚起してくれます。
普段は、ケーブルカー駅までのバスも、手前の琴平橋までの運行。15分ほど歩き、ケーブルカーの麓駅へ。
「ケーブルカーは除雪のため、運休中です。運転時間は未定です」
なるほど、ケーブルカーの線路には、大量の雪が…
「除雪は、人力なのですよ」
と鉄道の方。
最大傾斜25度のケーブルカー、除雪が大変なのは、想像に難くないでしょう。
参道を歩いて、御岳山頂へ
運転再開の目処もなく、参道の林道を歩いて登ります。
大鳥居をくぐると、地元の方がシャベルカーなどで、除雪していますが…
少し進むと、道には大量の雪。狭いながらも舗装道路ですが、登山道のように様変わり。
到底、車が走れる状態ではありません。
御岳山は信仰の山。山頂に御嶽神社があます。
山には御師と呼ばれる、参拝者の世話をする神職の方の集落があります。
今でも宿坊が20数軒あり、山の上で生活しています。
そのアクセス手段は、この林道とケーブルカーのみ。天候不順でこのふたつが途絶えると、陸の孤島となります。
雪に埋もれた参道は、信仰の山らしく、御神木の杉林が続きます。
森に陽が射し、神々しい光芒。
雪がタップリ積もる林は、まるで八ヶ岳みたいな雰囲気。
木に積もった雪が散り、ダイヤモンドダストのように輝きます。
路傍にはお地蔵さんも。写真は「団子堂」と呼ばれ、その昔、お堂もあり、八大地蔵も安置されていたとか。
1時間半ほど林道を歩くと、山の集落へ到着。優に30cmの積雪。
集落総出で雪かきしています。
山の上には子供も住んでいます。里にある学校へは、行けるのかな?
「山の子供は、リモート授業でしたよ」
山の上とはいえ、光ケーブルも引かれ、GIGAスクール構想で、ひとり1台PC配布。
陸の孤島でも、そこら辺の頭の硬い会社などより、IT化が進んでいたりします。
有形文化財の馬場家御師住宅にも、タップリ雪が積もっています。
神代ケヤキにも雪が。高さ30m・幹囲8.2mの、日本武尊(やまとたけるのみこと)ゆかりの巨木です。
門前茶店街を抜けると、雪の随神門。明治の神仏習合以前は、仁王門でした。
青空と雪のコントラストが見事です。
神社の方が除雪し、降雪翌日なのに歩きやすい参道階段。
湿った雪が、木にまといます。
山頂の拝殿に到着。神社の人が、懸命に除雪しています。
「おいぬ様」も雪に埋もれています。日本オオカミがルーツのおいぬ様、これくらいならノープロブレム?
長尾平で雪山気分
折角なので、展望に優れた長尾平まで、足を伸ばしました。
日の出山、遥か都心方面もくっきり見えます!
ベンチの雪。東京・大手町では2cmの積雪でしたが、同じ都内でも、山ではご覧の通り。
枝の雪も、少しずつ緩み始めました。
雪原を歩きます。この近くにヘリポートがありますが、下界と遮断されたこの地には、イザという時必要ですね。
ちょこんと頭を出した灌木。
雪原に落とす、木の影。
優しい日差しに雪が温まり、霧となります。
日の出山あたりまで足を伸ばそうとも思いましたが、雪も深く、時間も遅いので、往路を引き返します。
懸命の除雪で、明日からは車も通れそうになった林道。(許可車以外は通行禁止ですが)
ケーブルカーは、午後4時くらいに運転開始。当日・運転再開は、公共交通機関の矜持でしょうか?
下で足止めされた人、山の上に取り残された人たちも、無事、戻れたことでしょう。
雪が積もる前ならば、御岳山で氷華(シモバシラ)も見られますよ。
インフォメーション
ハイキングマップ
ケーブルカー御岳山駅 …〈25分〉 … 御嶽神社 …〈15分〉… 長尾平展望台…〈30分〉… ケーブルカー御岳山駅
ー計1時間10分ー
※ケーブルカー運休時
ケーブル下(滝本駅)バス停…〈1時間30分〉 … 御岳山集落 …〈20分〉… 御嶽神社 …〈15分〉… 長尾平展望台…〈30分〉… 御岳山集落 …〈1時間〉 … ケーブル下(滝本駅)バス停
ー計3時間35分ー
※JR青梅線・御嶽駅より、西東京バスにて「ケーブル下」行にて、終点下車。
コースの状況など
- 積雪時は滑りやすので注意。防寒具等、冬山装備が必須。
- 軽アイゼン、ストックがあると良い。
- 朝夕はアイスバーンとなることもある。