イチョウで名高いあきる野・広徳寺から、金剛の滝へ。
かつての修験の場に、春はハナネコノメが咲き誇ります。
滝からカタクリ、シュンランの咲く小峰公園へプチ縦走。
駅からたどれる、花の里山を散策しました。
目次
駅から歩ける、花と滝のトレッキングコース
武蔵五日市駅から、広徳寺へ
あきる野・広徳寺からハイキング道が通じる、金剛の滝。
春はハナネコノメも咲く「手軽な秘境」です。
起点は、JR五日市線・武蔵五日市駅。駅前の檜原街道(都道33号)を西へ向かい、上町交差点を左折します。
秋川へ下る道を行くと、小和田橋の到着。
橋からのどかな秋川の流れが広がります。橋を渡り50mほど登り返し、交差点を右折します。
80mほど歩くと、庚申塚が並ぶ交差点に到着。左折して、坂道を登ります。
この付近、秋は彼岸花の名所です。詳しくは古刹と彼岸花を巡る小旅、あきる野・広徳寺をご覧ください。
坂道の途中で、展望が広がります。
坂を登り切ると、広徳寺の山門前に到着。広徳寺は、イチョウの黄葉で名高い臨済宗の禅寺です。
秋の広徳寺の詳細は、上記をどうぞ。
広徳寺の創建は、1373年・室町時代とされます。戦国時代・後期にこの地を治めた、小田原・後北条氏が中興。本堂の屋根に、後北条氏の家紋が確認できます。
本堂の裏手にタラヨウの木があります。東京都指定天然記念物、幹周2.5m、樹高約19mの立派な木です。
タラヨウの葉は、爪楊枝などで引っ掻くと、文字が書けますが… 天然記念物ゆえ、落書きは厳に慎みましょう。
寺の裏手にはカヤの木も。こちらも、東京都指定天然記念物に指定されています。
遠くの山も見渡せ、開放感あふれる光景です。
カヤの近くには、早咲きの桜も。すっかり春の気分です。
広徳寺から、金剛の滝へ
広徳寺・山門手前左手の道から、金剛の滝方へ向かいます。
蛇行する秋川が眼下に!
新緑間近の雑木林。
しばらく登ると尾根に出ます。左折して少し歩くと道標があります。右折し「金剛の滝」方面へ下ります。
200m程度の短いものの、急な下り。気をつけて歩きます。トレッキングポールがあると楽かもしれませんね。
森の床の、小さな命。
下りきり、右へ進み、金剛の滝方面へ。湿度の高い谷底なのか、木にサルオガセが着生しています。
平らな谷を進むと、金剛の滝・雌滝に到着。落差4mほどの小さな滝ですが、風格があります。
雌滝の右側に、素掘りのトンネルがあります。
その昔、修験者が掘ったと言われるトンネル。中腰で進みます。
トンネルを抜けると、目の前に雄滝が現れます。落差18mの優雅な滝です。
金剛の滝周辺は、ハナネコノメの自生地です。
岩にへばりつくように生えます。
白く小さな花弁と赤いシベ。可憐ながら岩に咲く姿は、力強くも感じます。
金剛の滝から、小峰公園へ
金剛の滝から、小峰公園へ向かいます。
尾根へ戻り返し、東へ右折して、稜線を歩きます。
稜線南側には、巨大な新多摩変電所が見えます。
緩やかなアップダウンの稜線を進むと、都立小峰公園の一角に出ます。
左折し、公園の中心部へ下ります。
「公園」ですが、かなりの急坂です。
テンナンショウの花が咲きます。サトイモの仲間ですが毒草。
球茎が小さな時は雄、大きくなると雄となる、性転換する植物です。
そういえば金剛の滝は、小さいのが雌滝、大きなのは雄滝。雄雌の大小が逆ですね。
シュンランの花も咲いています。意外と目立たないので、ご注意を。
下りきると、谷地の広がる小峰公園の中心部に到着します。
ベンチやトイレも完備し、昼食やひと休みするにも最適です。
名残りのセリバオウレンが咲いていました。
2月中旬が見頃ですが、ひと月以上咲いているようです。
セリバオウレンの近くに、カタクリの花も。こぼれんばかりの花粉を付けています。
小峰公園から、都道32号線を北上し、JR武蔵五日市駅へ。
列車は、日中1時間に2本程度、途中の秋川橋付近の河原で時間調整するのも良いでしょう。
JR五日市線・武蔵五日市駅に到着。通常、立川・新宿方面は拝島駅で乗り換えとなります。
インフォメーション
マップ
JR武蔵五日市駅 …〈40分〉… 広徳寺 …〈25分〉… 金剛の滝分岐 …〈20分〉… 金剛の滝 …〈25分〉…小峰公園最高地点 …〈30分〉… 小峰公園…〈30分〉… JR武蔵五日市駅
ー計2時間50分ー
コースの状況等
- 金剛の滝への上り下りが、やや険しい。トレッキングシューズで歩くのが望ましい。
- トイレは、武蔵五日市駅、小峰公園、広徳寺近くにある。
- コンビニは、武蔵五日市駅改札外のニューデイズ、駅の南東・徒歩2分にセブン-イレブンがある。
- 小峰公園ビジターセンターに駐車場あり
利用時間… 9:00~16:30
休館日… 毎週月曜日(祝日の際はその翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)