御岳山から大滝へ、森と神社と滝を巡る、大岳山登山

奥多摩三山のひとつ、大岳山。
御岳山から縦走し、山上のふたつの神社を結びます。
秋川側の大滝へ下れば、渓谷歩きも楽しめます。
森と神社と滝を巡る山道を、歩いてみました。

神宿る、ふたつの霊山を結ぶ山旅

御岳山から、奥の院へ

御岳山ケーブルカー
御岳山ケーブルカー

大岳山への登山道はいくつかありますが、一番ラクなのは、御岳山からのルート。
まずは、ケーブルカーで山頂駅へ。

御岳山の紅葉
御岳平の紅葉

ケーブルカーの山頂駅付近の御岳平は、少しずつ色づいてきました。
ここの紅葉は、里より、概ねひと月ほど早いです。

御嶽神社の参道

参道を歩き、御嶽神社を目指します。
御嶽神社までのコースの詳細は、こちらで紹介しています。

武蔵御嶽神社の参道

朝早いからなのか、人もまばらな参道。

武蔵御嶽神社の狛犬
本殿前の狛犬
武蔵御嶽神社
武蔵御嶽神社
武蔵御嶽神社

程なく、御嶽神社。
神社は御岳山の山頂にありますが…
本堂左奥のほうが、ほんの少し高いので、行ってみます。

武蔵御嶽神社の大口真神社
大口真神社

「お犬様」を祀った、大口真神社があります。

武蔵御嶽神社の大口真神社の狛犬

日本武尊が御岳山の山中で狼に難を救われ、「おいぬ様」と崇められた、とのこと。
この辺りが、御岳山で一番、標高があります。
といっても、本殿と5mくらいしか違いません。

この大口真神社から、奥の院へ向かう道が、登山地図などには描かれていますが…
下る場所にロープが張られ、通行できない模様。

御岳山・大岳山縦走路の道標

一旦、引き返し、縦走路へ戻ります。
長尾平小屋を経て、ロックガーデン・天狗岩方面への道を分け、さらに進むと、程なく「天狗の腰掛け杉」に到着。

天狗の腰掛け杉

樹齢350年、高さ60mの巨杉。
天狗が腰掛け、人々を見下ろしていると言われますが、ホントに腰掛けられそう。

御岳山・奥の院方面の道標


杉の右の鳥居をくぐり、奥の院へ向かいます。

御岳山・奥の院の杉林

付近は鬱蒼とした、太い杉林の森。

御岳山・奥の院の杉林

杉には、ナンバリングのプレートが。
御神木の数を、管理しているのでしょうか。
それにしても、いったい何本あるのだろう…

御岳山・奥の院の参道の森

杉林の狭間には、雑木林も。
次第に急登となり、まもなく奥の院に到着します。

奥の院・男具那社
奥の院・男具那社

2005年に修復された、男具那社。
日本武尊を、祀った神社です。
一説によれば、奥の院に、日本武尊が武具を納めたことが、「武蔵」の由来とも云われています。

御岳山・奥の院の紅葉

紅葉の落ち葉の石段を登れば、程なく奥の院山頂。

御岳山。奥の院山頂
御岳山・奥の院

山頂には、石祠があります。
男具那社が奥の院で、この石祠は「奥の奥の院」とのこと。
ちゃんと、お神酒が備わっていました。

春の奥の院早そうの宝庫。イワウチワの花も自生しています。

奥の院から、大岳山へ

御岳山〜大岳山の縦走路

奥の院をあとに、鍋割山を目指します。
木間から、大岳山も望まれます。

御岳山〜大岳山の縦走路の大木

この辺り、結構大木も多く、歩いて楽しい道です。
鍋割山の手前はやや急登ですが、さして標高差はありません。

奥多摩・鍋割山頂

標高1,084mの、鍋割山頂に到着。
森に囲まれ展望はないけれど、青梅市の最高地点です。
いちおう、筆者は青梅市民、ちょっと感激。
鍋割山登頂者は、住民税半額、とかならないかな。

奥多摩・鍋割山

山頂から下り、しばらくはなだらかな道となります。
落ち葉も多く、好い雰囲気。

鍋割山付近の、大岳山方面の道標

御岳山・ロックガーデンからの道と、合流します。

御岳山から大岳への山登山道

しばらくは、なだらかな道ですが…

御岳山から大岳への登山道の岩場

「滑落注意」の看板と共に、岩場となります。
柵もあり、比較的安全ですが…

御岳山から大岳への登山道の階段

階段もあります。

大岳山の水場

途中、沢の源頭を横断するところに、水場が。
飲んでみると、まろやかな味ですが、自己責任でどうぞ。

荒れ果てた、大岳山荘

水場から5分程度で、大岳山荘。
2008年に閉鎖し、荒れ果てています。
小屋付近のトイレは、使用可能。

小屋から鳥居をくぐり、大岳山山頂を目指します。

大岳山の、大嶽神社・本社
大嶽神社・本社

鳥居からすぐ、大嶽神社の本社があります。
この神社も、狼信仰の山。
本社の近くに、小さな狛犬が鎮座しています。

大岳山の、大嶽神社

本社の裏には、宝物殿?

大岳山の紅葉

紅葉の森の急登を、進むと…

大岳山の岩場

岩場が続く道と、なります。
注意して歩くと、まもなく山頂です。

大岳山山頂
大岳山・山頂

大岳山の山頂。
最近の奥多摩の山、妙に綺麗な標識ですね。
天気が良ければ、富士山も見えますが、この日は展望効かず。

晴れた日だと、こんな感じで見えます。

大岳山から、大滝を経て、上養沢へ下山

大岳山・馬頭刈尾根の道

大岳山から一旦、大岳山荘へ戻り、馬頭刈尾根へ。
大岳山を巻く辺り、落石が多いです。
お気をつけを。

大岳山・馬頭刈尾根の道のキノコ
道端にはキノコ
馬頭刈尾根の展望

尾根道からは、檜原の山里も見えるポイントもあります。
白倉へ下る道を分け、尾根を進みます。
ちなみに、白倉には、山頂付近にある大嶽神社の里社があります。

大岳山・馬頭刈尾根の、上養沢の分岐

白倉の分岐から数分で、上養沢への分岐に到着。
ここから、大滝を経て、下ります。

最初は緩やかな雑木林ですが、やがて、急坂を下ります。

飛び石での渡渉地点

やがて、左手からの大岳沢と合流し、沢沿いの道となります。
比較的整備されていますが、飛び石で渡渉するところもあり、増水時は危険。

途中、無名の滝などもあり、目の保養。

大岳沢の桟橋

桟橋なども歩き、やがて大滝に到着します。

大岳沢の大滝
大岳沢・大滝

大滝は落差30mで、見ごたえがあります。
昔はもっと苔むした岩でしたが、台風の影響なのか、随分と苔が少なくなりました。

大岳沢の林道

大滝から600mほどで、林道に到着。
ここから、「大滝鍾乳洞入口」バス停を目指します。約45分の道のりです。

途中、天然記念物の大岳鍾乳洞があります。観光地らしからぬスリリングな洞窟です。時間が許せば是非どうぞ。

インフォメーション

アクセス

JR青梅線・御嶽駅より、西東京バスにて「ケーブル下」バス停下車
御岳登山鉄道ケーブルカーにて「滝本」駅から「御岳山」駅下車

登山地図

大岳山登山地図
電⼦地形図(国⼟地理院)を加⼯して作成

ケーブルカー御岳山駅 …〈35分〉… 御嶽山神社 …〈50分〉… 奥の院…〈25分〉 … 鍋割山 …〈1時間〉… 大岳山荘…〈20分〉… 大岳山…〈15分〉… 大岳山荘 …〈30分〉… 大岳鍾乳洞分岐…〈40分〉 … 大滝…〈5分〉… 林道出合 …〈45分〉… 大岳鍾乳洞入口バス停
ー計5時間25分ー

コースの状況など

  • 大岳沢は増水時には、行動しないほうが良い。
  • 積雪時等は、慎重に。
  • 御嶽神社周辺・大岳山周辺以外は、携帯電話(ドコモ)が、圏外の場所が大半。
  • 逆コースは、ややハード。
  • トイレは、御岳平、御嶽神社、長尾平、大岳山荘にある。

問い合わせ先

奥多摩ビジターセンター
コースの状況などが、把握できる
https://www.ces-net.jp/okutamavc/
御岳ビジターセンター
御岳山周辺の状況など
https://www.ces-net.jp/mitakevc/index.html
西東京バス
https://www.nisitokyobus.co.jp
御岳登山鉄道(ケーブルカー)
https://www.mitaketozan.co.jp/
御嶽神社
http://musashimitakejinja.jp/

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