セリバオウレン咲く小峰公園から阿伎留神社へ、早春のあきる野を散策

早春の花・セリバオウレン咲く小峰公園。
丘陵の稜線をたどり、金剛の滝、広徳寺を経て、阿伎留神社へ。
平安時代の延喜式神名帳に載る、由緒正しき古社を参拝します。
駅から歩ける、気軽な散策コースです。

希少植物・セリバオウレンと古社を巡る、春のあきる野

JR武蔵五日市駅から、小峰公園へ

武蔵五日市駅
JR武蔵五日市駅

起点はJR五日市線の終点、武蔵五日市駅。

2025年7月からは、アウトドアの拠点となるフレア五日市もオープン予定。24時間使用可能な更衣室など、登山やハイキングなどでも便利な施設です。

都道32号・秋川渓谷入口

駅前の秋川街道(都道32号)横断歩道を渡り右折、陸橋を渡ると「秋川渓谷」の看板があります。看板手前の階段を下ります。

小峰公園入口
小峰公園 入口

秋川橋を渡り、秋川街道を南下します。道なりに1.2kmほど進むと、都立小峰公園の入口に到着。

小峰公園の梅

春は梅も見事な公園です。

小峰公園の谷地

里山の尾根と、谷地を活かした小峰公園。園内には、湿性植物と森林植物が生息します。

あきる野・八坂神社
八坂神社

折角なので、公園東部の尾根にある八坂神社に寄り道。公園から往復10分程度です。
旧留原村の総鎮守で「天王さま」と親しまれる神社。見晴らしのも良く一見の価値があります。

早春の花、セリバオウレン

小峰公園の、セリバオウレン
セリバオウレン

早春の小峰公園といえば、セリバオウレン。2月から3月にかけて、谷地と森林の境目に咲きます。

小峰公園の、セリバオウレン

セリバオウレンは、キンポウゲ科の日本の固有種です。主に山地や林の湿った場所に生育します。

小峰公園の、セリバオウレン

被子植物ながら、種子が完全に包み込まれていません。いわば裸子植物→被子植物への、進化の過程。被子植物では原始的な植物とされます。

小峰公園のセリバオウレンが、完全に自生なのかは分かりませんが…
付近の山にも自生していますし、元々この谷地に自生していても不思議はありません。

小峰公園から、金剛の滝へ

小峰公園の、登山道

小峰公園から、西側の尾根方面へ。木製の階段を登ります。

小峰公園の、尾根道

尾根に取り付き、ホッとするも…

小峰公園の、急登

公園という名とは裏腹に急登となります。

小峰公園の、分岐の道標

登り切ると、道標のある三叉路に到着。あきる野と八王子の境界尾根で、ここを右折します。

小峰公園から金剛の滝間の、雑木林

進行方向左側には、巨大な変電所もありますが…雑木林なども点在する尾根を往きます。

小峰公園から金剛の滝間の、鉄塔

送電線の真下も歩いたり…

金剛の滝・分岐

緩やかなアップダウンの道を往くと、「金剛の滝」方面の分岐に到着。

金剛の滝への登山道

分岐から沢へ下る道は中々の勾配です。転ばぬよう、慎重に足を運びます。

金剛の滝付近の沢

堤防のある窪地を右折します。沢状の地形で、地図にも沢が記載されていますが、水は流れていません。上流に滝があるのに、ちょっと不思議です。

金剛の滝・雌滝
金剛の滝 雌滝

落ち葉の道を進むと、金剛滝・雌滝に到着。落差は小さいものの優雅な滝です。

金剛の滝・雌滝とトンネル

雌滝右の、手掘りのトンネルを潜ります。

金剛の滝のトンネル

短いものの滑りやすく、ご注意を。鎖を頼りに、トンネル内を進みます。

金剛の滝・雄滝
金剛の滝・雄滝

トンネルを抜けると、雄滝。落差14m、雅な風情の滝です。

金剛の滝でから、広徳寺へ

滝見物を終えたら、分岐まで戻ります。復路は中々の急登で息が切れそう…

あきる野・広徳寺付近の登山道

分岐を左折し、広徳寺方面へ向かいます。森を抜け、道はやがて明るい雰囲気になります。

「この箇所はふるさと納税で整備しました」という旨の看板も。意外な所にふるさと納税が役だっているのですね!

あきる野・広徳寺
広徳寺

緩やかに下ると、広徳寺に到着します。遠くには山並みの借景、山寺の風情を醸し出します。

あきる野・広徳寺山門

立派な山門の後ろには、イチョウの巨木。広徳寺のイチョウは、まさに絶景。秋も是非訪れたいですね。

秋の広徳寺の詳細は上記をご覧下さい。

あきる野・広徳寺

広徳寺は、臨済宗建長寺派の禅寺。南北朝時代・1373年の開山です。その後、戦国時代末期、この地を統治した後北条氏に援護されます。

あきる野・広徳寺の、後北条氏の家紋

屋根には、後北条氏の家紋が印されています。

あきる野・広徳寺の池

本堂の裏には池も。湧水でしょうか?

あきる野・広徳寺のロウバイ
あきる野・広徳寺の椿

ツバキ、ロウバイなど、冬も彩りのある境内。

あきる野・広徳寺のタラヨウ

本堂裏手には、都内最大のタラヨウの大木。

あきる野・広徳寺のカヤの木

境内北には、これまた都内最大級のカヤの木も。是非、境内を一周することをオススメします。

広徳寺から、阿伎留神社へ

あきる野・広徳寺付近の集落

参拝を終えたら、阿伎留(あきる)神社へ向かいます。石垣のある坂道に旅情を覚えます。

あきる野・広徳寺付近の、ホトケノザ

休耕地一面の、ホトケノザ。もうすぐ春ですね。

あきる野・小和田橋からの光景
小和田橋からの光景

里へ下り、小和田(こわだ)橋を渡ります。秋川の彼方に馬頭刈山(まずかりやま)が望まれます。

あきる野・阿伎留神社入口

橋の先の道を右折し、50mほど進むと、阿伎留神社の入口に到着します。

あきる野・阿伎留神社・拝殿

拝殿と、右手には神輿殿。

あきる野・阿伎留神社・神楽殿

拝殿手前・左手には、神楽殿も。

あきる野・阿伎留神社・社殿

拝殿奥の本殿。立派な石垣の上に鎮座しています。

あきる野・阿伎留神社・小取り狛犬

子取りの狛犬。子供は恥ずかしいのか、親に隠れています。

あきる野・阿伎留神社の提灯

阿伎留神社の創建は、正確な年代は不詳ですが…
平安時代中期に朝廷が編さんした「延喜式神名帳」には、武蔵国多摩郡の筆頭社として記載。いわば、朝廷公認も由緒ある「式内社」です。

お隣、青梅市にも式内社が点在。併せて訪れるのも良いですね!
多摩川の上流部に式内社が多いのは…
武蔵国府(現在の府中市)を建設する際に木材を提供したから、という説もあります。

あきる野・阿伎留神社・社殿の屋根

「延喜式神名帳」より更に古い、9世紀「日本三代実録」にも記載。菅原道真も編さんに関わった、という由緒正しき、平安の公文書です。

あきる野・阿伎留神社の、白光稲荷神社

本殿裏には、白光稲荷神社。

あきる野・阿伎留神社の、白光稲荷神社

一般に「白光」は白蛇を指しますが…

あきる野・阿伎留神社の、白光稲荷神社のキツネ

お稲荷様らしく、キツネが祀られています。
阿伎留神社から、JR武蔵五日市駅へ戻ります。1.2kmほどの距離で15分程度です。

インフォメーション

マップ

合計距離: 7051 m
Download file: 202502-akiru.gpx

JR武蔵五日市駅  …〈35分〉… 小峰公園 …〈25分〉… 小峰公園最高地点 …〈40分〉… 金剛の滝分岐 …〈20分〉… 金剛の滝 …〈25分〉… 金剛の滝分岐 …〈20分〉… 広徳寺 …〈20分〉… 阿伎留神社 …〈15分〉… JR武蔵五日市駅JR武蔵五日市駅
ー計3時間20分ー

コースの状況等

  • 金剛の滝への上り下りが、やや険しい。トレッキングシューズで歩くのが望ましい。
  • 冬季や増水時の金剛の滝は、登山の領域。安易に入らない方が良い。
  • トイレは、武蔵五日市駅、小峰公園、広徳寺近くにある。
  • コンビニは、武蔵五日市駅改札外のニューデイズ、駅の南東・徒歩2分にセブン-イレブンがある。
  • 小峰公園ビジターセンターに駐車場あり
    利用時間… 9:00~16:30
    休館日… 毎週月曜日(祝日の際はその翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)

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