展望に優れた、畑中からのマイナールートを通って頂上へ。
カタクリの自生地が点在する、梅郷へと下山しました。
希少なシュンランも咲き誇り、春爛漫な山歩きを楽しめます。
マイナールートから往く、春爛漫な青梅・赤ぼっこ
JR青梅駅から、万年橋を経て畑中へ
青梅市南部の赤ぼっこは、標高400m前後の日の出山の東に広がる丘陵地帯。
数ある登山ルートのうち、今回はマイナーな畑中ルートを登ります。

起点はJR青梅線・青梅駅。大正建築のレトロな駅舎が好ましい駅です。
駅前から青梅街道(都道28号)渡り南へ。市立美術館(2025年現在・休館中)方面へ進み、吉野街道(国道411号線)を左折します。

常保寺に到着、寄り道するのも良いでしょう。

赤いマフラーの「猫地蔵」が人気の禅寺です。
常保寺の先の三叉路を左折、万年橋方面へ下ります。
道すがらには和菓子店梅菓匠 にしむらは、梅が丸ごと入った「梅大福」が名物。
春はイチゴ大福も人気です。山旅のお供にどうぞ。
「にしむら」を少し過ぎたところで右に下ると、桜の名所・釜の淵公園。寄り道してお花見を楽しむのも良いでしょう。

国道411号を南西に進み、多摩川に架かる万年橋を渡ります。

万年橋を渡ると、鉄骨製のモニュメントが現れます。
1907〜2001年まで使用された、2代目・万年橋の支承(橋を支える部材)です。
初代・万年橋は1897年に架橋。それ以前、この付近には常設の橋はありませんでした。
「万年橋」の名は、地元住民の願いを込めたものかと。

橋を渡りしばらく進むと、吉野街道(都道45号)の「畑中一丁目」交差点に到着。
吉野街道を渡り、正面の路地を進みます。

長閑な光景を楽しみつつ、散策します。

吉野街道と合流する手前で、路地に左折します。

30mほど進むと、沢沿いの細い道があります。道標はありませんが、ここが登山口です。
右側の広場からも登れますが… 私有地と思われます。

登山口近くには山桜が咲き、ソメイヨシノよりも一足早く開花します。
畑中から、赤ぼっこへ

登山口付近こそ狭い悪路です。滑落に注意して慎重に歩きます。登るにつれ歩きやすい、穏やかな道となります。

尾根に取り付き、やや急な登りを進むと、明るい広葉樹林が広がります。

「蹟表社」と記された、碑のあるピークに到着。

ピークを過ぎると、右側の展望が開けた尾根道が続きます。

目に青葉。

途中、梅郷、二俣尾方面が手に取るように見えます。

道は再び、暗い森林帯に。林床には、独特な形のテンナンショウが自生しています。
漢字だと「天南星」とロマンチックですが… 毒草なのでご注意を。

二ツ塚峠からの道と合流。
二ツ塚峠方面からのルートはセンブリと、まっくろくろすけ! 青梅・長渕丘陵の、赤ぼっこをご覧下さい。

合流地点から少し進むと、馬引沢峠。右手には林道があり、マウンテンバイクで登る人も多いです。
峠から、二ツ塚処分場のフェンスに沿って西へ進みます。

路傍には、馬頭観音。里山らしい趣きでしょうか。

赤ぼっこ手前の急坂。

登り切ると、赤ぼっこへの分岐に到着します。

一本杉のある赤ぼっこに到着。ランチを楽しむのにも最適です。

春は山桜も咲きます。この日は天候も悪く、パッとしない天気でしたが…

晴れた日にはスカイツリーも望め、夜景は息を飲む光景です!
東が開けた赤ぼっこは、隠れた日の出スポット。初日の出も楽しめます。

春は滅多に見えませんが…青梅の街を背に、筑波山も一望。

赤ぼっこといえば「まっくろくろすけ」。誰が置いたのか不明ですが、登山者に親しまれています。
赤ぼっこから、吉野梅郷へ

赤ぼっこから、天狗岩方面へ300mほど進むと、天狗岩の分岐の到着します。

分岐から、天狗岩をピストンします。岩場もあり、慎重に足を運びます。

春はツツジも美しい、天狗岩周辺。

天狗岩は、西方面の展望が優れています。多摩川の橋が数本見えて、地図で答え合わせすると面白いかも?

分岐まで戻り、梅郷方面へ進みます。この付近、春はミヤマシキミの花が咲きます。ミカン科の植物ですが有毒とのこと。

鬱蒼とした森を往きます。

ナガバノスミレサイシンでしょうか、そこら中に咲いています。

梅郷方面へ下ります。やがて道は沢沿いとなり、 ツル植物に覆われた廃屋が現れると、里は間近です。

林道を下りきれば、和田登山口・都道238号線に到着。右折して200m弱歩くと、吉野街道に出ます。

この周辺にはカタクリの自生地が点在しています。
「梅の公園」のカタクリ自生地へは、吉野街道を左折。 和田・天神様の自生地へは、吉野街道を右折します。
梅郷・和田のカタクリ自生地の詳細は、青梅・梅郷から和田へ、静かなカタクリ自生地を訪ねる小旅をご覧下さい。
「梅の公園」を見学したら、最寄りのJR青梅線・日向和田駅まで徒歩15分。

列車の本数が少なく、待ちそうならば…青梅街道「日向和田駅前」交差点近くの「へそまんじゅう総本舗」へどうぞ。蒸かし立ての饅頭が頂けます。

赤ぼっこ周辺は、シュンランの自生地が点在します。

例年3月下旬から、4月初旬が見頃です。

一見、目立ちませんが、よく見ると野生ランらしい優雅な姿です。
インフォメーション
マップ
JR青梅駅 …〈20分〉 … 万年橋 …〈10分〉… 畑中登山口…〈1時間〉… 馬引沢峠 …〈20分〉… 赤ぼっこ …〈30分〉… 天狗岩 …〈1時間〉… 和田登山口…〈15分〉 … 梅の公園 …〈15分〉… 畑中登山口
ー計3時間50分ー
コースの状況など
- 畑中の登山口から、馬引沢峠まではマイナールート。地図が不可欠。
- 登り始めは狭い悪路。トレッキングシューズなど、キチンとした装備が必要。
- 青梅駅前、梅の公園にトイレあり。
- 天狗岩の岩場は、気をつけて。
- 青梅駅前にコンビニあり。