青梅・常福寺〜かつて、尼寺だった古刹を訪ねる

青梅・岩蔵温泉郷近くの、常福寺。
戦国時代に創建された禅寺です。
長閑な里山に抱かれた、湧き水のある境内。
創建当時は尼寺だった、いぶし銀のような古刹を訪ねてみました。

温泉郷に佇む、戦国時代の古刹

創建当時は尼寺だった、常福寺

青梅市・常福寺・三門
青梅市・常福寺

東京唯一の温泉郷、岩蔵温泉郷から、林道を往くと、ひっそりと佇む古刹があります。
萬貴山・常福寺、曹洞宗の禅寺です。

青梅市・常福寺の看板

三門をくぐり、境内へ。左手に、寺のいわれの案内板が。創建は1,527年、戦国時代中頃です。
開基は萬貴姫、「尼寺たりし期間壱百五十年」とあります。
元々は、尼寺だったのですね。

京都や奈良には尼寺は数多くありますが、関東では少ないです。鎌倉など、たくさんの寺院がありますが、尼寺は英勝寺のみ。
常福寺は、鄙びた山村の寺、さぞ、珍しかったでしょう。

青梅市・常福寺・本堂

この付近は、入間川の流域。下流の高麗郡(現在の埼玉県・飯能市、日高市)などと、交流があったと考えられます。

青梅市・常福寺の三門と蔵

平城京の時代、戦争に破れた高句麗人が移住した、高麗郡。ある意味、難民ですが、大陸の先端技術を持ち込みました。となると、そのすぐ上流のこの地は、意外と栄えていたのかもしれません。
また、現在の青梅市中心部を支配した豪族・三田氏が、北条氏に破れたのが1,560年前後とされ、波乱万丈な時期のだったのでしょう。

青梅市・常福寺・本堂
本堂

境内右手の本堂。裏手は山の尾根が迫っています。

青梅市・常福寺・太子堂
太子堂

太子堂も立派な造りで、歴史を感じます。

境内には湧き水の池

青梅市・常福寺の池

太子堂の横には、小さな池。日本庭園風に誂えています。

青梅市・常福寺の池

山里らしく、水も澄んでいます。

青梅市・常福寺の池の湧き水

岩から湧き水がコンコンと、溢れています。中々の水量で、地下水が豊富なのでしょうか?

青梅市・常福寺の観音像

境内の観音様は、十一面観音?石仏では珍しいかも。

青梅市・常福寺の鐘撞き堂
鐘撞き堂

鐘撞き堂はどこかなと探すと、裏山にありました。
登ってみると…

青梅市・常福寺の池

ここで鐘を打てば、集落に響き渡りますね。
東京ですが、付近は長閑な山里、「ぼくのなつやすみ」的光景です。

いわゆる観光名所ではありませんが、山里の歴史ある古刹です。
気軽な歴史散策を楽しみ、温泉に浸かるのも良いでしょうね。

インフォメーション

アクセス

JR青梅線・東青梅駅より、都営バス「成木循環」、または西武バス「飯能駅南口」行にて「常福寺入口」バス停下車、徒歩3分

●常福寺
住所… 東京都青梅市富岡3-1107
電話… 0428-74-5342

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