地方都市は居住費が安い、イメージがありますが…
県庁所在地など、利便性を求めると意外にも高い。
東京郊外の八王子・町田・青梅などと比較。
それぞれのメリット・デメリットを考察します。
目次
東京近郊と比べ、地方都市のマンションのお得度は?
意外と高い?県庁所在地のマンション事情
ゴミゴミした都心から、移住を考える人も多い今日この頃。
職種によってはリモートワークも普及、以前と比べ選択肢も広がりました。
豊かな自然と、必要十分なインフラ…
コンパクトシティ的な、地方都市を検討する方も多いのでは?
コンパクトシティとは…
住まい・公共サービス・商業施設などをコンパクトに集約。公共交通の整備し、車なしでも生活できる都市。
といったイメージでしょうか?
日本では、富山、熊本などの県庁所在地を中心に「コンパクトシティ化」を進めています。
自家用車普及率の低い都心から移住する場合、魅力がありますね。
地方都市とはいえ、便利な市街地はマンション現実的。東京近郊の都市と価格を比較してみましょう。
上のグラフは、マンション売却査定サイトマンションナビを元に算出した、広さ60㎡のマンション売却価格。中古マンション・2LDK〜3LDK程度の実勢価格です。
ピックアップした都市は
- 東京・名古屋・京阪神以外の県庁所在地で
- 路面電車、地下鉄、モノレール、BRT(バス・ラピッド・トランジット)のいずれかを整備
した都市です。この条件ならば、インフラも整備され、車なしでもとりあえず生活できます。
不動産価格は物件によって千差万別、一概には比較出来ませんが、傾向は掴めるでしょう。
なお、政令指定都市の場合は、市役所のある区を選びました。
東京郊外都市の価格と、比較すると…
最近人気の福岡は、なんと東京近郊の町田より高い!広島、那覇なども八王子より高いです。
青梅に至っては、新潟以外、全ての都市より安かったりします。
つまり、地方のコンパクトシティは、決して安くありません。
理由は様々ですが…
- コンパクトシティは人口密度が高い
例えば那覇市の人口密度は、立川や千代田区より高かったりします。 - マンション需要に比べ、供給が少ない
高齢者の多い地方都市では、便利なマンションに引っ越しする人も多い。札幌などは雪下ろしの必要の無いマンションが人気。 - 四大地方都市には、タワーマンションなもある
札幌、仙台、広島、福岡の四大地方都市は、タワーマンションブーム。
などが考えられます。
東京郊外が良いか、それとも地方のコンパクトシティか?
「おめ通」は西多摩の地域情報サイト。正直、四国・九州の地方都市より、青梅の方が安いことに驚きましたが…
県庁所在地の市街地ならば、ほとんど徒歩圏内で生活が完結、人気があるのも頷けます。
ここでは、東京郊外の都市と、地方コンパクトシティを比較してみましょう。
東京近郊都市 | 地方コンパクトシティ | |
---|---|---|
日常生活 | ★★ | ★★☆ |
行政機関 | ★★ | ★★ |
金融機関等 | ★★ | ★★ |
都心へのアクセス | ★★★ | ★ |
郊外へのアクセス | ★★ | ★ |
自然環境 | ★★ | ★★☆ |
もちろん、都市によって差異はありますが… 概ね、こんな感じでしょうか?
日常生活は、ほぼ同等も徒歩圏内に、大型商業施設のある地方コンパクトシティが有利。歩いて百貨店へ行けるイメージです。
行政機関は、近所に期間の多い、県庁所在地が有利ですが… 国の機関、たとえば国会図書館へ行く、などの場合は東京近郊が有利で、引き分けでしょうか?
金融機関は、メガバンクや信託銀行の充実度ならば、東京近郊が多少有利ですが、地銀や信金がカバー。ネットバンキングもある今ならば、案外違いはないかも?
一番の違いは、生活圏外への移動。東京都心へのアクセスの良さは当然、東京近郊都市です。
フルリモートならともかく… 不定期でも会社に出勤する方は、地方コンパクトシティより「安くて近い」東京近郊都市が良いでしょう。
また、地方都市の場合、郊外へ行こうとすると、途端に交通の便が悪くなります。
せっかく、自然豊かな地方に移り住んでも、結局、車がないと満喫できない、となります。
東京近郊でも、その傾向はありますが… 商圏人口がひとケタ違い、比較すれば全然便利です。
上記の点をふまえ、移住先の文化や風土も加味しつつ、移住先を選ぶのが良さそうですね。
首都圏近郊でお得な都市は?
首都圏近郊の都市を比較しましょう。上のグラフは、
「東京都心まで直通列車のある都市」
からピックアップしました。
神奈川・秦野と、埼玉・狭山が際だって安い! 都心からやや遠いものの、小田急線沿線の秦野がこの価格なのは、相当お得でしょう。やや不便な西武新宿線とはいえ、都心からも割と近い狭山が、熊谷より安いのも、不思議な気がします。
ターミナル駅への所要時間(特急料金不要の列車)と、マンション価格を視覚化すると…
一概にはいえませんが、水色のラインより上なら高め、下なら安めです。
小田原・つくば市は高め、狭山・秦野は格安、飯能・青梅・熊谷は安め、という結果です。
東海道新幹線も停まる小田原は、ちょっと別格なのでしょうか?
つくば市が高いのは、築浅物件が多いのでしょう。つくばエキスプレスの開通は2005年、それ以降に都市開発が進み、高いのは致し方ない?
グラフでは、町田も高いイメージですが、都心までの所要時間も短く妥当でしょう。
個人的には、狭山・飯能・青梅などが、バランスも良くお得かなと。
「おめ通」は西多摩の地域情報サイト、我田引水っぽくなりますが…
特に青梅・飯能は、山も近く自然も豊かで住みやすい。その上、不動産も安い「お得度」満点な町だと思います。