青梅線・軍畑駅近くの奥沢橋梁。
日本でも数少ない貴重なトレッスル橋です。
周辺にはロウバイの名所も点在。
深い渓谷の鉄道遺産と、早春の花を巡る散策に出かけました。
目次
青梅西部の名橋と、ロウバイの神社仏閣の小旅
昭和初期のトレッスル橋、奥沢橋梁
JR青梅線・軍畑駅付近の、奥沢橋梁。
全国でも珍しい、トレッスル橋です。駅からも近く、気軽に見学できます。
軍畑駅から、線路沿いを東へ。
ほどなく軍畑踏切に到着。都内では珍しい、遮断機のない第三種踏切です。
踏切を渡り、坂を下ると都道193号線に出ます。
右手に奥沢橋梁が聳えます。
1929年(昭和4年)竣工の奥沢橋梁。橋長105.5m・橋脚高さ26.5m、多摩川の支流・平溝川に架かる橋です。
トレッスル橋は、大きな脚立のような橋脚が特徴。日本では2007年に廃止された、山陰本線・旧余部鉄橋が有名です。
その多くは、明治から昭和初期に建設されたトレッスル橋ですが、現在は10数橋と貴重な存在となりました。
奥沢橋梁は、青梅線の前身・青梅電気鉄道時代に竣工。製作は浅野造船場です。
浅野造船場は、浅野セメントを核とした浅野財閥の企業で、製鉄業も営んでました。
青梅電気鉄道も浅野財閥系、同族会社が鋼鉄から橋まで手がけていたわけで…
その資本力に驚かされます。
奥沢橋梁から、柚木御嶽神社・文殊山花公園
橋を見学し終えたら、多摩川・軍橋大橋方面へ。
橋付近は、「軍畑の渡し」があった場所。橋の袂に碑もあります。
軍畑大橋からは、奥沢橋梁の展望。
橋を渡り、南へ向かうと吉野街道(都道45号)に到着。横断歩道を渡ると柚木苑地です。
駐車場、トイレのある施設で、早春にはロウバイも咲きます。
柚木苑地・東側の路地を進み…
草思堂(そうしどう)通りの三叉路を右折します。
蔵のある忠堂院入口を左折すると…
右手に忠堂院のお堂があります。
真言宗の寺院で、創建は不明ながら、江戸時代に幕府より御朱印状を受領したとされます。
忠堂院の裏には、柚木御岳神社の鳥居と文殊山花公園。
小さな公園ですが、夏にはレンゲショウマも咲きます。
規模は小さいものの、早春にはロウバイが山の斜面を彩ります。
公園の奥には、柚木御岳神社。
昼なお暗い境内は、苔も見事です。
柚木御岳神社奥の斜面には、八坂神社も鎮座します。
文殊山公園の上部へ登ると… 丘陵を背に、奥沢橋梁も見える展望ポイントも!
ベンチもあり、休憩しつつ列車を待つのも良いでしょう。
愛宕神社〜即清寺を経て、日向和田駅へ
草思堂通りへ戻り、右折し南東方向へ進みます。
途中、「鎌倉街道」の案内板も。埼玉県飯能市方面より榎峠を越え、日の出町方面を経て鎌倉へ向かう古道跡です。
細い道を往くと、愛宕神社に到着。神社の入口付近からはロウバイの香りが漂います。
愛宕神社の参道は急な石段。春はツツジが見事です。
愛宕神社のツツジの詳細は上記をどうぞ!
愛宕神社・西横の不動明王は、知る人ぞ知る岩窟の古刹です。神社のすぐ近く、ついでに立ち寄ると良いでしょう。
石段を登り切ると拝殿に到着。
振り返れば、眼下に街並みが広がっています。
愛宕神社から、草思堂通りを南東へ向かうと、即清寺に到着します。
畠山重忠ゆかりの、真言宗の寺院。
寺の裏山には四国八十八ヶ所を模した、霊山もあります。
即清寺と八十八ヶ所お遍路の詳細は上記をどうぞ。
即清寺もロウバイが咲き誇ります。なお、ここのロウバイは早めに開花、年によっては1月上旬に咲くことも。
即清寺から、吉野街道を渡り、青梅市立西中学校方面へ。
中学正門の先を右折すると「ロウバイ通り」に到着。
地元有志の方が整備したロウバイを愛でながら、南東へ。
多摩川沿いの道を進み、都道199号を左折し、JR青梅線・日向和田駅へ向かいます。
吉野梅郷・梅の公園もロウバイの名所。30分ほどの遠回りとなりますが、寄り道するのも良いでしょう。
インフォメーション
マップ
軍畑駅 …〈5分〉… 奥沢橋梁…〈10分〉… 柚木苑地 …〈10分〉… 文殊山花公園 …〈30分〉… 愛宕神社 …〈10分〉…即清寺…〈15分〉 ロウバイ通り …〈30分〉… 日向和田駅
ー計1時間50分ー
コースの状況など
- JR軍畑駅前に雑貨屋あり。愛宕神社付近・吉野街道にセブン-イレブンあり。
- トイレは、軍畑駅横、柚木苑地、愛宕神社付近(冬期は閉鎖することもあり)、即清寺横・吉野園地駐車場、日向和田駅にあり。
- コースはほぼ平坦だが、愛宕神社参道は急な石段。