新図書館は、貸出不可!青梅図書館移転で「図書館難民」発生?

2028年開館予定の新青梅図書館。
それに伴い、現在の青梅図書館は閉館となります。
新図書館は閲覧専用で、蔵書の貸出はしない方針。
青梅宿周辺から宮ノ平にかけて「普通の図書館」が空白地帯となります。

青梅駅前・新図書館は、閲覧専用になる?

2026年、青梅駅前に新図書館がオープン

2026年3月に竣工した、JR青梅駅前再開発ビル・藍テラス(アオテラス)。
商業施設・公共施設、マンションからなる複合施設です。
2階には「新青梅図書館(仮称)」が2028年度に開館予定です。

  • 新図書館は閲覧のみ、ただし他館の書籍等の予約・返却は可能
  • 蔵書数は20,000冊以内
  • 座席数は100席
  • カフェスペースも設置
  • 予約した書籍等の時間外受取サービスも予定

計画では、多様な読書スタイルに対応した空間を提供。
駅前立地を活かし、観光客の来館も想定し、地域の情報発信も担います。
面白いのは、無人ロッカー等を活用し、予約した本を時間外でも受け取れること。駅前立地を活かしたサービスですね。

最近の図書館のトレンドでもある、カフェスペースも併設。
青梅市も気合いれて、動画まで作っています。

近隣では、昭島中央図書館にお洒落なカフェがあります。
ただし、採算性の観点から出店が厳しいという意見も寄せられ、無人のセルフカフェ方式も視野に検討しているとのことです。

青梅中央図書館(左)

新図書館の蔵書数は、2万冊以内。
現在、青梅には10ヶ所の図書館がありますが、中央図書館が35万冊弱でダントツ。

他の分館は、約24,000〜54,000冊程度で、新図書館がもっとも少ない蔵書数となる予定です。まあ、近くに青梅図書館もあるし、斬新なのも良いかなと思いきや…

青梅市では、老朽化した青梅図書館の移転先として、青梅駅前に新青梅図書館(仮称)の整備を進めています。

青梅市WEBサイトより引用

なんと!青梅市のWEBサイトでは「移転先」と記されています。
市に問い合わせたところ、現在の青梅図書館は書庫として活用し、事実上の閉館となります。

青梅図書館の現状は?

青梅図書館の前身は、1947年に開館した「都立青梅図書館」。
1987年に市立図書館となり、現在の中央図書館が開設されるまでは、中央図書館でした。
築80年あまりと、古さが目に付きます。
いかにも「昔の図書館」で通路も狭く、現在の図書館のような開放感もありません。

青梅図書館

書庫の造りも昭和中期の趣き。
特に雑紙の蔵書数が限られるレイアウトは、時代にそぐわないでしょう。
老朽化も進み、移転するのも妥当です。

とはいえ、蔵書数は、中央図書館についで2番目。市全体の8.5%にあたる蔵書があります。

青梅市図書基本計画より引用・編集
(青梅図書館は閉架書庫を除いた面積)

上のは中央図書館を除いた、蔵書数と面積のグラフ。
分館の中では、青梅図書館が一番面積が広いです。
なお、上記のグラフでは青梅図書館・2〜4階の閉架書庫は除いた、一般利用可能な面積で算出しました。

貸出数も、中央図書館、新町図書館に次いで、3番目。いにしえながらもかなり健闘しています。
老朽化が進んでいますが、地域から支持が数字でも表れていますね。

青梅図書館の利用者は?

青梅市には2026年現在、10ヶ所の図書館があります。
自治体の面積が広く、中央図書館のほかは、地域密着型の小型図書館が点在しています。

事実上、閉館となる青梅図書館は、おおよそ赤く囲った範囲からの来館者がいると思われます。
図書館は、子供や免許を返納した高齢者も来館します。
また、新図書館は駐車場がなく、車でのアクセスもネックです。

蔵書の貸出をしない新青梅図書館となった場合…
「普通の図書館」が近くにない「図書館難民」が、大量発生する可能性があるかと。
ひと駅、ふた駅歩くことになりますから。

なぜ、貸出をしないのか?市ではパブリックコメントでこのように回答しています。

既存の図書館では、人気のある本については、2年以上の順番待ちが発生し、読みたくても読めないという課題があります。新しい図書館では、館内にある図書について貸出は行わず、その場で読んでもらう仕組みとすることで、そのような人気本にも出会える場としています。

出典:新青梅図書館(仮称)基本設計概要書への意見について

なるほど、一部の新刊本は、1年以上の予約待ちも珍しくありません。

出典:青梅図書館WEBサイト

たとえば、村上春樹さんの話題作『夏帆 The Tale of KAHO』。
2026年7月現在、34人待ち。図書の貸し出し期間は15日、最大1年5ヶ月も待つ計算です。
もっとも半年もしたら、ブックオフに、ズラッと並びそうですが。

ただ、ギモンなのは…
貸出を行わず、1冊の単行本を図書館内で読み切れるのか、結構辛いですよね?
一般的な図書館利用をならば、閲覧専用は一部の本だけでも良いでしょう。
そして、その機能は中央図書館が相応しいかと。

意外と広い、新青梅図書館

今まで5万冊だった蔵書が、新図書館では2万冊となります。
図書館の資料を元に、蔵書1冊あたりの面積を算出しました。
新図書館を2万冊と想定すると、かなり余裕があるのが分かります。

新青梅図書館中央図書館現青梅図書館梅郷図書館
面積(㎡)1,372.003,440.40611.78141.62
蔵書数(冊)20,000347,89254,42331,360
1㎡あたりの蔵書数14.58101.1288.96221.44

中央、現青梅図書館は、閉架書庫も大きく、面積あたりの蔵書が多くなりがちですが…
「普通の図書館」の梅郷と比べても、かなりの余裕があります。

出典:青梅市 新青梅図書館(仮称)基本設計 概要書

新青梅図書館の平面イメージを見ると、図書スペース以外の面積が広いのが分かります。
イマドキの図書館は、複合施設として活用するのがトレンドで、それ自体は評価出来ます。
ただ、もうひと工夫すれば、蔵書は確保できそうです。

たとえば、2025年にオープンした、杉並区の高円寺図書館。
1階に、飲食可能なラウンジがあり、壁面を使い新聞、雑紙コーナーも兼ねています。蔵書を確保しつつ、多目的な利用も想定しています。

面積約2,289.17㎡、収容可能冊数約160,000冊。
今回の新青梅図書館とは規模が違いますが、モダンな空間と蔵書のバランスを図っています。
1㎡あたりの蔵書数は約70冊。デッドペースの少ない形なので一概に比較できませんが…

仮に新青梅図書館が半分の35冊と想定しても、48,000冊の蔵書が可能。
現在の青梅図書館と、ほぼ同水準の蔵書も可能です。
蔵書は予算の関係もあり、なんとも言えませんが…
今までの蔵書も多少活用すれば良いのかと。

高円寺図書館ですが…
前庭にはキッチンカーも出店、ラウンジに持ち込む人も多いです。
今まで図書館を利用しなかった層も取り込み、かなり健闘しています。

あなたの声がチカラになります

なお、新青梅図書館「本の貸出」の存続を求める署名活動も、有志の方が始めていますね。
やはり、他館の予約のみでは不便ですから。

西多摩の図書館便利情報は、上記をご覧ください。

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