山岳遭難の原因No.1は、道迷い。
道迷いは、奥多摩の山とはいえ、数多く発生します。
道迷いを防ぐには必須の地図ですが…
GPSで現在位置のわかるスマホアプリと、紙の地図を併用がベストです。
目次
スマホと紙の併用がベスト?21世紀の登山地図の選び方
山岳遭難事故原因 No.1! 道迷いを侮るなかれ
楽しい登山ですが、やはり怖いのが遭難事故。
遭難事故というと、岩場から滑落、悪天候で凍死、などを思い浮かべますが…
警察庁によれば、山岳遭難の原因は、道迷いが4割以上とダントツ。
つまり、奥多摩などの低山でも、遭難対策は必要です。
もしかしたら、北アルプスのメジャールートのように整備された所より、道迷いしやすいかも?
スマホ登山地図アプリは革命的
道迷いを防ぐには、現在位置を知ることが重要。遭難云々だけではなく、ペース配分などにも役立ちますし。
現在位置を知るには、なんといっても、スマホ用の登山地図アプリです。
地図上で刻々と、現在地が表示されます。これが、なんとも心強い!
スマホの地図というとGoogleMapが有名ですが…
登山道はほとんど記載されておらず、適しません。
スマホ用の登山地図アプリは、幾つかありますが、筆者のオススメはジオグラフィカ。
iPhone版をダウンロード
Android版をダウンロード
- iPhone、Androidに対応
- 国土地理院の地図がベース・日本全国に対応
- 予め、地図を取り込んでおけば、圏外でも使用可能
- 地図は、拡大縮小できる
- 現在位置、標高、方角が分かる
- トラック(移動した軌跡)が記録できる
- 基本機能は無料で、ある程度は使える
- フル機能で使う場合は、2022年現在、1,500円前後(為替レートで若干変わる)
- 課金は1度だけで、月額課金等は発生しない
- オンライン環境ならば、GoogleMap等も表示可能
筆者はAndroid版を使用していますが、比較的安定しています。
また、余計な機能が少なく、サクサク動いてストレスが溜まりません。
これ、他に集中すべきことが多い山の中では、意外と重要です。
無料の基本機能だけでも、結構使えます。ただし、トラックログに若干制限があり、動画広告が出たりするので、気に入ったら課金すると良いでしょう。
課金は1,900円ですが、それだけの価値、ありますよ!
ちなみに、登山地図アプリの大半は、月額課金や年会制。課金が一度きりなのは良心的ですね。
また、機種変更をしても、基本、課金されません。
なお、iPhoneからAndroidなど、別の違うプラットフォームに移る場合は再課金となります。
今のスマホ地図アプリは、かなり精度が高い
山の中で現在位置が分かるのは、本当に心強いです。
気になるのは、ガーミンなどのGPS専用機のような精度があるのか、ですよね。
結論を言うと、比較的新しいスマホならば、かなりの精度が期待できます。まずは、お手持ちのスマホで試してみると良いでしょう。
頂上など、分かりやすいポイントで、キチンと表示されればOK。
ただし、GPSは天気、例えば濃霧などの場合、精度が落ちる可能性も。この辺り、機種によって得手不得手があります。
地図は、予め取り込んでおくと、圏外でも使用可能。沢筋などでも現在位置が分かります。これは便利ですよ!
スマホ登山地図アプリの弱点
ベタ褒めのスマホ登山地図アプリですが…
欠点もあります。
- スマホが壊れたりバッテリー切れだと、だだの板切れ
- 予備のバッテリー等を持つと、重量がかさむ
- 広いエリアが見にくい
やはり、一番怖いのは、スマホが壊れた場合ですよね。
バッテリーは予備を持てば良いですが、壊れたらどうしようもない…
また、スマホは画面が小さく、広いエリアを一覧でみたい時は、意外と不便です。
スマホは便利だけれど、紙の地図も併用したい
紙の地図は必須?
やはり、スマホ登山地図アプリだけではなく、紙の地図も持つべきでしょう。
紙の登山地図のメリットは…
- 大きくて見やすい
- 地形以外の情報が豊富
- 軽くて、折りたためばコンパクト
- 周辺の山との相対関係が分かりやすい
- 他の人と、一緒に見るのが容易
- 明るい場所でも見やすい
- バッテリー切れがない(笑)
こうしてリストアップすると…
大きな弱点は、現在位置が表示されないことだけ?
まあ、暗い場所や風に煽られると見にくい、とかありますが。
実は、紙の地図って、超優秀なんですよね。
行動中はスマホで、休憩時などは紙の地図で確認、が便利でしょうね。
俯瞰して見るのは、やはり紙の地図ならではのメリットです。
あっ、山での歩きスマホは危険ですよ、念の為。
吉備人出版の、奥多摩登山詳細図が凄い
奥多摩エリアでのオススメは、「吉備人出版・登山詳細図」。
他の登山地図では載っていないようなルートも、細かく記載されています。
水に強い、合成紙を使っているのも心強い!
また、コースタイムだけではなく、距離が細かく記載されているのも良いですね。
地図上の「S」マークは指導標の印、現在位置が分かりやすい!これだけ、実地調査をした地図って、凄いですよね。
B1変型 ( 縦685mm横1000mm )と、大きく見やすいサイズです。
ちなみに、パソコンのモニターならば50インチくらい!それを持ち歩けるなんて、ある意味ハイテクです。
奥多摩エリアは、東編・西編の2冊が発行されています。
東編は、大岳山・御岳山・川苔山などを中心に、青梅・五日市近郊の里山も記載されています。
縮尺は1:16,500と、国土地理院の地図より大きく見やすい!
西編は、雲取山・三頭山・御前山などを奥多摩西部をカバー。雲取山から三峰方面も記載されています。
「奥多摩 登山詳細図」は、登山口近くでも販売されています。万一、地図を忘れたなんて場合は、是非、覗いてみて。
国土地理院の地図を、無料ダウンロード・プリント
スント(SUUNTO) はフィンランドの老舗コンパスメーカー。スマートウォッチメーカーとして有名ですが、今でもちゃんとコンパスを売っています。
コンパスは一度買えば、数十年は使えます。ひとつあると重宝します。
日本の地図の元締め、国土地理院の電子国土Web。
全国津々浦々の地図を無料でダウンロードできます。
民間の地図のようにコースタイムなどは記されていませんが、正確な等高線は魅力です。
マイナーな山の地図も、家に居ながらゲットできるのも良いですね。
プリントはA3サイズまで可能。縦横も選べます。自宅にプリンターのない方は、コンビニのネットワークプリントが便利です。
ローソン・ファミマはこちら セブン-イレブンはこちら
電子国土Webを表示すPC(デスクトップ)用サイトで表示し、プリント画面でPDFで保存すれば、スマホでも可能。もちろん、パソコンがあれば、大きな画面でラクラクです。
A3カラーならば1枚80〜100円、A4カラーならば1枚60円前後でプリントできます。
ちなみに、本屋さんなどで2万5千分の1地形図を買うと、1枚435円。それを、家に居ながらにして、無料で手に入るのだから、使わない手はありませんね。
昭文社「山と高原」地図が無料で利用できる、ヤマプラ
古くから、登山者・ハイキング客から親しまれている、昭文社「山と高原地図」。
見やすい紙面と詳細情報が魅力の、登山地図です。
【2024年5月追記】
ヤマプラは2024年3月27日にサービスを終了しました。
なんとヤマプラで「山と高原地図」が無料で利用できます。(無料会員登録が必要)
Web上で歩くルートを設定し、プリントします。地図だけではなく、コースタイムも分かるのがミソ。なお、プリントはA4サイズがベターですね。
スマホでPDFに書き出し、ネットプリントも出来ますが… パソコンのほうが使いやすいですね。
市販の「山と高原地図」と比べると、プリント範囲が狭いのが玉に瑕。日帰りのハイキングなら、だいたいまかなえますが、長い行程だとちょっと厳しいです。
物足りないならば、市販品の「山と高原地図」をどうぞ。
なお、「山と高原地図」は、通販などでは、古いモノも売っています。発行年別を確認してから買いましょう。
まとめ
- スマホの登山用地図アプリは、神!
- 登山中は、スマホの登山地図アプリで現在位置を確認
- とはいえ、安全のため、紙の地図も必須
- 広範囲を見たり相対的な位置関係は、紙の地図が優位
- 紙の地図には、コンパスも必要
- 市販の登山地図は情報量が多く、やっぱりオススメ
- マイナーな山は、Webダウンロードの地図も良い