驚異のAI ChatGPTは、ホラ吹き?青梅の観光情報を聞いてみた

AIチャットサービスのChatGPT。
あたかも人間の会話のような回答をする、人工知能モデルです。
どの程度、適切な会話なのか…
当サイトの得意分野「青梅の観光地」で試したら、オドロキの結果に!
また、ChatGPTの使い方も解説します。

イマイチ信用できない? シレッと嘘つく、ChatGPT

絶賛の嵐? AIチャットの、ChatGPT

ChatGPTは、人工知能モデルをベースとした、チャット(会話)サービスです。
イメージとしては、iPhoneのSiri、アマゾンのAlexaを進化させたモノ。より、自然で人間に近い会話が可能です。
Siriなどと違い、テキストベースです。
一見すると、問いの「文脈」を理解し、「もっともらしい」回答をします。

2023年2月現在、無料。ChatGPTのWebサイトへアクセスし、簡単なユーザー登録をすれば、すぐに使えます。登録ユーザーが5日間で100万人を超えた背景には、魅力のあるサービスであると同時に、気軽に使えるから、でしょうか。

「青梅の観光地」をChatGPTに訊ねると…

当サイトは、青梅・西多摩エリアの地域情報サイト。
青梅の宣伝も兼ね、得意分野での質問で、ChatGPTを試しました。

おめ通

東京都青梅市の観光スポットは? 7ヶ所ほど教えて下さい。

答えを読む前に… 当サイトが予測した、青梅の観光地7ヶ所は次の通り。
そこそこ妥当なスポット、かと思います。

青梅市・御岳山、綾広の滝

1.御岳山
山陽には、歴史ある武蔵御嶽神社。日本でも有数のレンゲショウマ群生地。苔むす渓谷もあり、滝巡りも楽しめる。

青梅市、塩船観音寺のツツジ

2.塩船観音寺
境内の山いっぱい、ツツジで彩る寺。春は壮観。初詣も賑わう。初夏の菖蒲、秋の彼岸花も見事。近くには、ハイキングコースも整備されている。

青梅市・御岳渓谷の紅葉

3.御岳渓谷
紅葉が見事な渓谷。近くの小澤酒造や玉堂美術館も人気。希少植物のアケボノソウも自生。釣り、ボルタリング、ラフティングなど、アウトドア・レジャーも盛ん。

青梅市・吉野梅郷の、梅の花

4.吉野梅郷
関東有数の梅の名所。2014年、病害で梅を伐採し、かつての壮大さはないが、広大な里山に、四季折々の花が咲く。

青梅市・吉川英治記念館

5.吉川英治記念館
「宮本武蔵」などで知られる、昭和の流行作家、吉川英治の文学館。歴史的価値のある古民家と、美しい日本庭園も魅力。

青梅市・青梅宿の、勝沼公会堂

6.青梅宿周辺
青梅街道の宿場町。江戸時代より、石灰の採掘、織物で栄えた。大正〜昭和初期の建築物も残る街並みが魅力。

青梅市・青梅鉄道公園

7.青梅鉄道公園
60年以上の歴史を誇る、鉄道公園。貴重な蒸気機関車から、初代・新幹線まで数多くの車両を展示。国鉄時代に開園したためか、文化施設的な色合いも強く、入場料も安い。

さて、ChatGPTは、どんな答えを出すでしょうか。

ChatGPTの回答は

さて、天下のChatGPT様のご回答です。

う〜ん、主観的な質問とはいえ、予測とは、全く被っていませんね。
記事の趣旨としては、人間の肌感覚と、AIのアルゴリズムを比較したかったのですが。
現段階では間違えが多く、比較すること自体、無理があります。

まず、明らかな間違いは…

3の奥多摩湖は、お隣の奥多摩町にあります。
まあ、地元以外は、奥多摩と青梅の違いなんて気にしない。この結果は不思議ではないでしょう。
AIが、ネットで収集したビッグデータの「集合知」ならば…
誤りや誤解がはびこれば、それをチェックする仕組みが無い限り、正しい結果にはなりません。

4の三ツ峠は、富士五湖のひとつ河口湖近くで、山梨県の山です。「青梅と秩父の境」って、相当なデタラメ。なんで、こうなるの?

ちなみに、回答のうち、青梅市に実在するのは…
7の青梅市立美術館のみです。正解率、低すぎですね。

微妙に違うのは、2の青梅市立博物館
正しくは「青梅市郷土博物館」ですね。

Google検索では「青梅市郷土博物館」に比べ、「青梅市立博物館」は、7倍ほど多くヒットします。間違ったフレーズが多数派なのです。
ChatGPTが、その多くを、ネット上の情報で学習したと仮定すると…
多数派のフレーズを優先して、間違った結果となるのでしょうか?

柔軟性と正確性は、トレードオフ。
正確性を担保するよりも、とりあえず言っちゃえ、的な方針でしょうか?
信頼できるデータソースかどうか判断し、それに比重を置いた回答をするのは、難しいのか?
それとも、単に、ローカルな情報をまだ取り込んでいないのか?
何れにせよ、どこまでが事実が分からない以上、後で調べざるを得ません。
つまり、二度手間。これだと、使い道が限られますね。

もっとも、回答に出典があれば、チェックが簡単になります。
上の例ならば、青梅市郷土博物館の公式サイトへのリンクも記載すれば、良いサービスとなりそうです。

ChatGPTを、問い詰めてみる

ChatGPTは、でっち上げもお得意。

1の多摩川自然公園ですが、寡聞にして存じあげない。というか、そんな公園ありません。
ここは、ChatGPTを問い詰めてみましょうか。

ご丁寧に、架空の場所へのアクセスを、ご教示頂きましたが…
当然、こんなバス路線、ありません。ウソにウソを重ねてます。(笑)
バスの乗り場まで案内する辺り、いかにも信憑性があり、罪深い。
これ、知らない人なら信じちゃいますよ。

5の青梅市役所も、ツッコミどころ満載ですね。
市役所が「観光地」なのかは、さておき。ChatGPTの説明だと…

ChatGPT

青梅市役所展望ロビー – 青梅市役所の22階にある展望ロビーからは、市街地や周辺の山々を一望することができます。

とのことですが。
青梅市役所は7階建て。当然、22階に展望ロビーなどありません。
ちょっと調べると… 東大阪市役所の22階に展望ロビーがあり、人気のスポット。おそらく、ここと勘違いしてるようです。
ならば、こんな質問を投げかけると…

オイオイ、今度は、9階建てですか。自信満々ですが、またもや不正解です。
ネットから色々な情報を、ツギハギしたような回答。
それにしても、もっともらしい文章です。
もう少し、稚拙ならば疑うけれど、流暢な文章で文法も不備なく、これだとダマサれますね。

ChatGPTは、技術的には凄いのでしょうが…
信頼性の低いネットのデータで学習させているのか、間違えが多い。使う側の見識(リテラシー)が必要でしょう。
インターネットが民度を反映するものである限り、AIもそれに影響されてしまいます。

また、ChatGPTのようなサービスが広まり、鵜呑みにした「間違った回答」もネットに流入し、再生産されます。どんどん、情報の質が劣化するのが、ネット社会の近未来なのでしょうか?

ChatGPTは、礼節を知る?

と、ChatGPTを、下げまくっていますが。
「青梅市の観光スポット」の答えには、こんな文章が…

ChatGPT

青梅市には他にも魅力的なスポットがたくさんあるので、時間があればぜひ訪れてみてください。

質問とは直接関係ない「結びのフレーズ」があります。
おそらく、大量の常套句テンプレートを用意し、その上で、機械学習させているのでしょう。

「結びのフレーズ」を入れると、多少なりとも、気の効いた文章になります。
読後感が良くなる、というか。
つたない手紙でも、最後に社交辞令なぞ添えると、グッと「常識人」に見えるのと一緒です。
それを、違和感なく振る舞う技術は、凄いです。

こういう、小賢いテクニックは、並の人間より、ずっと上なのかも?
いえいえ、小賢いのではなく、予定調和的・礼節を演出するAIとして、トレーニングしたのでしょう。
これは、実用的なツールというよりも、ある意味、エンターテイメントに近い発想です。

案外、文章はその内容より、ある種の様式美が大事なんですかね。
テンプレート的とはいえ、コロッとダマされます。
ホラ吹きだけど、礼節を知るChatGPT。
その微妙なバランスが、ChatGPTの面白さであり、「人間味」なのでしょう。

ChatGPTの使い方

最後に、ChatGPTのログイン方法と使い方を。
2023年2月現在、英文サイトですが、操作は簡単です。

ログイン

ChatGPTWebログインサイトにアクアス。スマホでも利用可能です。
“Sign up”をクリック、またはタップします。

メールまたは、Google、Microsoftアカウントの、いすれかでログイン。画面の指示に従い、SMS等に届いた、二段階認証用のパスフレーズを入力すればOKです。

ChatGPTの使い方

ログインすると、画面下に紙飛行機マークのある、入力スペースがあります。
ここに質問を入力。LINEやショートメール感覚でOK。
日本語も、文脈を精度高く理解します。

最新記事

シェアしてくれると嬉しいです!