日本で新型コロナ感染症が確認されてから、約1年。
緊急事態宣言を受け、国を挙げてテレワークが推進されました。
オフィス以外で仕事をすることも、珍しくなった今、テレワーク環境はどのように変化したのでしょうか?
目次
行政も本腰?テレワーク環境は充実したか?
コロナが、テレワークを推し進めた
2020年・東京オリンピックに向け、国が推進していたテレワーク。
開催時の交通緩和対策を兼ねた「働き方改革」の一環ですが、さほど成果が出ていなかったのも事実です。
その状況が、コロナウイルスの感染拡大で、一変。
緊急事態宣言を受け、大企業はもちろん、中小企業も軒並み、テレワーク対応を余儀なくされました。
しかし、急速な推進は、やはり無理があります。
企業側のネットワーク・インフラもそうですが、そもそもテレワークを前提とした住環境ではない日本。
おそらく書斎などなく、食卓や居間で、仕事をする方が大半。
また、家では仕事しづらい方も多いでしょう。
現状は、図書館、ファミレス、カフェなどでのテレワークする方も多いです。
そのような状況下、行政でも様々な取り組みが始まっています。
ここでは、東京都・青梅市内で行っている取り組みを、ご紹介します。
市役所にテレワークブースが、出現!
これは、おそらく行政機関では、全国初ですが。
青梅市役所の1階に、テレワークブースが設置されました。
2022年6月追記:青梅市役所のテレワークブースは撤去されました。
運営会社は、テレキューブサービス。
市に賃借料を払い、営業しています。
電話ボックスをひと回り大きくしたようなブースに、椅子とテーブルがあります。
外からは中が見えず、プライバシーやセキュリティも万全。
ボックス型のテレワークスペースは、JR東日本でも商業化し、駅の構内などで見かけるようになりました。
料金は、15分・250円。
スマホで会員登録し、予約できます。
決済は登録したクレジットカードで行います。
好評なら、他の場所でも展開する、とのことで、今後に期待できますね。
電源はありますが、食事不可、アルコール以外のドリンクの持ち込みはOK。
Wi-Fiは、青梅市役所ロビーの公衆無線サービスが利用できます。
食事不可なので、スポット的な利用が良さそうです。
ちなみに、ボックス内に忘れ物すると、もう1回予約・支払いをする羽目になります。
くれぐれも気をつけてください。
青梅市役所内 1階 テレキューブ
営業時間… 平日(開庁日)8:30〜17:00
予約方法… 会員登録の上、Webサイトより予約
Webサイト… https://telecube.jp
JR青梅線・東青梅駅より、徒歩6分
駐車場… あり(開庁時間中は1時間までは無料、以後1時間100円)
市民センターが、サテライトオフィスに?
青梅市では、テレワークオフィスの拡大に、市民センターの会議室等を使うプランも。
今年度中(2020年度)を目処に、青梅市内・11箇所の市民センターで、テレワークオフィスとして開放する計画があります。
青梅市・企画政策課によると…
「市民センターならば、各地域にありますし、家の近くでテレワークできますしね」
なるほど、確かにグッドアイディアですね。
料金(有償か無償かも含め)や、利用方法などは、現在、詰めているとの事。
行政サービスなので、おそらくリーズナブルな感じになる、と期待しましょう!
予約等もなるべく簡便で、利用しやすいスキームを考えているとか。
これは、待ち遠しいですね。
余談ですが…
青梅市民センターのある、ネッツたまぐーセンターでは、すでにWi-Fiが整備されています。
加えて、1階にフリースペースもあり、自由に利用できます。
時折、テレワークしている人も見かけ、まあ、これが拡大するイメージなのかもしれません。
民間テレワークオフィス整備事業の支援
テレワーク環境整備を推進するため、民間活力を取り入れる施策です。
青梅市 テレワークオフィス整備事業
不特定多数の方が利用できる、テレワークオフィスを整備する事業者に、整備費の一部を補助。
建物の内装や、Wi-Fiの整備、工事などの1/2以内・150万円を上限に補助されます。
営業日数など、一定の条件をクリアする必要はありますが、業者にとっては中々魅力的かも。
具体的には、カフェや宿泊施設などを、ターゲットにしているのでしょうか?
補助対象は、ハード面だけではなく、広告費などプロモーション活動も対象。
既存施設を活用する場合でも、趣旨によっては補助されるかも?
民間のテレワークスペースや、ワーケーションも続々と
市の取り組みと並行して、民間でもテレワークスペースの充実が、徐々に広がっています。
飲食やプリンターの利用、ワーケーションなど付加価値のあるテレワークスペースは、民間ならではでしょうね。
サブモニターも使える! 夢の図書館 テレワークオフィス
東青梅の「夢の図書館」では、テレワークスペースを設置しました。
ん?「夢の図書館」って?
今はなきパソコン雑誌、ASCII(アスキー)の初代編集長の吉崎武氏が設立した、私設図書館です。
コンピューター界のレジェンドが夢見た「夢の図書館」。
コンピューター、無線、科学系の雑誌など、貴重な図書が2万冊あるとか。
古くは大正時代の「子供の科学」なども、蔵書しています。
「国会図書館にもない本もありますよ」
と、吉崎氏。
本のほかに、黎明期のパソコン(というか、マイコンかな)も数多く展示。
完動品もあり、操作可能な機種も。
40年以上前のコンピューターも多いのに、ピカピカなのが凄い!
コモドール、MZ-80K、PC-8001、Lisa、オズボーン、NeXT…
Apple IIと、そのパッチもん(アングラ互換機)もあり、よくぞ残っていたものです。
これらマニア垂涎のコレクションは、テレワークとは別腹で楽しめます。
ちょっと、話が脱線しましたが…
その図書館&博物館のスペースを活かし、テレワークオフィスが誕生。
飲食の持ち込みも可能、また有償ですが、セルフのカフェコーナーも。
スタバのカプセルコーヒーも、あったりします。
このスペースの良いところは、プリンターなどハード面も充実しているところ。
ノートパソコンを持ち込めば、なんとサブモニターを、無料で貸してくれるとか!
大きな画面で、仕事もはかどります。
プリンターは3台、A3出力も可能、スキャナも完備。
いかにも快適そうな、ディスクチェア。
何だか、そこらの会社より、ずっと充実・快適ですよね(笑)
会社へ通う理由がなくなりました、みたいな。
さすが、コンピューターのレジェンドが開設した、テレワークオフィスです。
痒いところに、手の届くサービスです。
料金ですが…
都内のワーキングスペースと比べると、格安でしょう。
余った予算で、近くで旨い寿司とか、食べられそう。
ちなみに、利用中の外出もOKです。
キャンセル料もかからないとのこと、すこぶる良心的です。
料金(税込) | 備考 | |
---|---|---|
スペース利用料金 | 1日 1名 1,100円 | 時間制限なし |
プリンタ使用(A4モノクロ) | 22円/枚 | |
プリンタ使用(A4カラー) | 44円/枚 | |
プリンタ使用(A3モノクロ) | 55円/枚 | |
プリンタ使用(A3カラー) | 110円/枚 | |
FAX送信 | 1回 33円 | 受信は1ページ22円 |
ちなみに、コロナ対策は、徹底しています。
入館する際、アルコール消毒だけではなく、手洗いも必須。
席ごとのパーテーションも大きいし、換気も強力。
「口だけの徹底」が多い中、かなり厳格な対策です。
なお、図書館やビンテージコンピューターの体験利用は別料金。
こちらは、ある意味、人は選ぶけれど、オススメです。
夢の図書館
営業時間… 11:00〜21:00(予約時に希望すれば、朝9:00からも利用も可能な場合あり)
定休日… Webサイトのカレンダーにて要確認
予約方法… Webサイトより、メールにて予約
当日予約… 050-6865-3870
Webサイト… https://www.gijyutu-shounen.co.jp/Library/
住所… 青梅市東青梅2-16-5 2階
JR青梅線・東青梅駅より、徒歩5分
駐車場… あり
※初回利用にあたり、本人確認書類の提示が必要です。
御岳山の宿坊でワーケーション?
青梅市の霊山、御岳山でワーケーション、という試みもあります。
東京都青梅市と青梅市観光協会、御岳山観光協会は、御岳山の宿坊で、旅行を楽しみながら仕事もする「ワーケーション」の環境を整える。国の補助金も活用し各宿坊に無線LANを整備、10月の試験ツアーを経て、11月から本ツアーを実施する。都心に近い立地を生かし、新たな需要を取り込む。
引用:日本経済新聞〜東京・御岳山の宿坊でワーケーションを 青梅市など
ツアー形式で、2020年秋シーズンに開催されたようですが…
御岳山の宿坊は、そもそもWi-Fiが整備されているところが多いのです。
山の上の回線なんて遅いでしょ、と思うなかれ。
御岳山は、なんとNTTの光回線が整備されているのですよ。
通年、受け入れ体制を整備すれば、良い試みでしょうね。
青梅市観光協会
https://www.omekanko.gr.jp
みたけ山観光協会
http://www.mt-mitake.gr.jp
なんと無料!東京都の、ワーケーション実証実験
東京都では、ワーケーションの普及を促進。
多摩・島しょ地域で、サテライトオフィスを無料で利用できる試みを行っています。
都内6ヶ所の宿泊施設等と連携。
御岳や秋川渓谷、高尾など、比較的交通の便の良い場所もあります。
料金は何と無料!
実験とはいえ、太っ腹な東京都…
期間は2021年2月28日までです。
青梅市内では、御岳渓谷のA-flow。
冬の御岳も中々風流ですよ。
ワーケーション体験、無料なので是非お試しを!
A-flow
対象期間… 2021年2月28日まで
利用可能日… 火〜金曜日
利用可能時間… 10:00〜17:00
予約方法… Webサイトにて、利用日の3日前17時までに予約
料金… 無料
住所… 東京都青梅市御岳本町338-2
JR青梅線・御嶽駅より、徒歩5分
コロナウイルス感染症上陸から1年、官民様々な取り組みが本格化してきました。
今後、テレワークが定着し、そして働き方が多様化する1年となるでしょうか?