新しい交通機関として注目される、グリーンスローモビリティ。
時速20kmの電動車を使用した、近距離移動サービスです。
2023年秋、青梅市で約2ヶ月間の実証運行を開始。
バスではカバーできないエリアの交通として、注目されます。
狭い道でもスイスイ、新機軸の公共交通
グリーンスローモビリティとは?
新しい移動手段、グリーンスローモビリティ。
略称「グリスロ」、グラコロみたいな美味そうな名前です。
従来のバスでは難しい地域の交通として、注目されます。
主な特徴は…
- 時速20km未満でノンビリ走る
- 電動車を使用し、環境に配慮
- 小型の車両で、狭い路地でも通行可能
- 開放感のある、独特の乗り心地
- バスに比べ、導入・運営コストが低い
国土交通省や環境省の後押しもあり、各地で実証実験が行われています。
世界遺産の石見銀山などでは、ひと足早く、定時運行も開始。観光地を周遊します。
ほっほ〜🦉イケバスのデザインは、どの角度から見てもかっこいい🚌✨
— イケちゃん(IKEBUS)【公式】🦉🚌 (@IKEBUS1127) September 5, 2023
みんなは横・正面・ななめ、どの角度のイケバスが好きかな✨?#IKEBUS #池袋 pic.twitter.com/54S1OPqpwl
ひと口に「グロスロ」といってもいくつかの種類があります。たとえば、豊島区・池袋のIKEBUSは、超小型バス風。用途や地域によって、選んでいるのでしょう。
グリスロ試乗体験記
青梅市では、2023年10月2日〜11月30日までの2ヶ月間、グリスロの実証運行を開始。
河辺駅南口から、住友金属アリーナ、河辺市民センター方面へ運行します。
実証運行中は無料で乗車できます。
青梅市の実証運行では、7人乗りのグリスロを使用。まるでゴルフカートみたいですが…
それもそのはず、国内最大のゴルフカートメーカー、ヤマハ発動機製です。
前面上部には、双眼カメラ。将来的には自動運転も、視野に入れているのでしょうか?
無料サービス中のため、白ナンバーですね。
側面は、素通し。安全のため、飛び出し防止の側面ベルト付きです。ステップは低く、乗り降りしやすい構造です。
1台の車両を1時間間隔で運行。実証運行ですが、ちゃんとバス停もあります。
スマホの専用アプリで、グリスロの現在位置が分かります。満席の表示もして、中々便利です。
車両側にもスマホがあります。運転手さんいわく、
「満席表示は、手動操作なんですよ」
座席にセンサーが付いていて、自動で表示するのかと思いきや、意外とアナログだったりします。
試乗してみましょう。時速20km未満、自転車なみのスピードで、ノンビリ楽しい乗り物。制限速度付近になるとアラートが鳴ります。
途中、何度も後方の車に道を譲ります。
なぜか、左ハンドル。なお、シートベルトはありません。
普段は、開放的ですが、雨の日は、幌を降ろします。とはいえ、大雨の日は運休。
雷の日も危なく、運休するのだとか。
エアコンがなく、夏や冬はちょっと辛いかも。短時間しか乗らないお客さんはともかく、運転手は、大変でしょうね。
実証運行では、多摩川にほど近い、河辺下エリアを走ります。
河岸段丘で急激な標高差もあり、お年寄りなど駅や公共施設へ行くのが大変な地域です。道も狭く、小型バスも走りづらい。なるほど、グリスロがピッタリなエリアですね!
狭い坂道をスイスイ、グイグイ登ります。
1回の充電で6時間ほど走れ、フル充電は10時間とのこと。
バッテリーは約8.25kwh、いわゆるEVの2割程度の容量です。軽くてスピードを出さない分、省エネなのですね!
狭い道での短距離輸送に適したグリスロ。バスの代替え、というよりも、補完する関係でしょうか。生活の足だけではなく、観光地での利用も良さそうですね。
天候に左右されるなどデメリットもありますが、費用対効果の高いグロスロ。
実証運行でのノウハウを活かし、定時運行での期待も高まります。
インフォメーション
参考資料
●国土交通省 総合政策局
グリーンスローモビリティの導入と活用のための手引き(PDF)
●環境省
グリーンスローモビリティ
●ヤマハ発動機
グリーンスローモビリティ(電動カート公道仕様)
●青梅市
新しい移動手段「グリーンスローモビリティ」の実証運行を行います