貴重な里山が広がる狭山丘陵。
中でも、「野山北・六道山公園」は都立公園最大の面積を誇ります。
雑木林と谷地の織りなす公園を、東から西へ散策しました。
東京近郊、谷地と里山を巡る小旅
埼玉が有名だけど…東京の狭山丘陵も捨てがたい
東京都と埼玉県にまたがる狭山丘陵。特に埼玉側の「八国山・トトロの森」が有名ですが…
東京都側にも「野山北・六道山公園」など、多様な自然が体感できる里山があります。
今回は、武蔵村山から瑞穂町まで、「野山北・六道山公園」を散策します。

起点は都バス・立川バス「横田」バス停です。
目の前には、レトロな織物組同業合事務所。1928年築の洋風建築で、1階は観光案内所、開館していれば是非見学を!

バス停近く「かたくりの湯交差点」を北へ進みます。

沿道に、ナゾの「横田トンネル」が出現。
1928年(昭和3年)に敷設された羽村山口軽便鉄道跡のトンネルです。
多摩川の「羽村の堰」から「狭山湖」の間を結ぶ、約12.6kmの路線。奇しくも、織物組同業合事務所と同じ年に、敷設されました。

バス停近くの交差点から550mほど進むと、左手に遊歩道が現れます。
1983年の地図では空堀川の源流付近。暗渠の遊歩道ですね。

長閑な、暗渠の道を進みます。

2025年現在休場中の「かたくりの湯」近くを通ると「冒険の森・広場」が出現します。

都立公園として整備され、案内板には、マップ付きのリーフレットも用意されています。
さすがは東京都、予算が潤沢なのでしょうか?

広場から少し西にはカタクリ自生地も。3月下旬から4月上旬が見頃です。
冒険の森から、赤坂谷地へ

冒険の森から階段を上り、尾根を目指します。

2023年に整備されたアスレチック。家族で楽しめますね!

これ無料ですよ、無料。太っ腹な東京都!

アスレチック場を登りつめると、展望台が出現。丘陵が一望できます。

展望台から左に折れ、西へ進みます。この尾根は埼玉との境界です。
ハイキングコースとしてはマイナー?
標高200m弱で登山の対象にはなりにくし、意外と穴場でしょう。
むしろ、多摩湖を一周する自転車の方が多いかも?

コアジサイの咲く小径を往きます。

尾根ですが、雨上がりは水たまりも。

展望台から600mほど進むと、六地蔵に到着。
1897年(明治30年)、赤痢の犠牲となった、51人の供養で建立。この付近は火葬場で「焼き場」とも呼ばれていました。この年の大流行で、東京だけでも2,000人以上がこの世を去りました。

六地蔵の少し先を下ると、インフォメーションセンターに到着。
テラスもあり、休憩するのも良いでしょう。

狭山丘陵の概要を分かりやすく説明した展示。ここだけでも行く価値ありな施設です。

外来種も含め、剥製も展示。

キビタキの剥製。再現性が高く、まるで本物みたいです。

インフォメーションセンターから赤坂谷地へ下ります。舗装道路ながら、木の葉も美しい道です。

ウッドデッキのある赤坂谷地に到着。

森に囲まれた、赤坂谷地。

谷地沿いの「三ツ木地区防空壕」跡。
この地区には旧日本軍が掘削した防空壕が76基確認されました。
近くには多摩陸軍飛行場(現在の横田基地)もあり、航空燃料を隠蔽したといわれます。
赤坂谷地から六道山公園へ

谷地から稜線へ登り返します。

「登り返す」と書きましたが… 標高差は約35m、10階立てのビル程度でしょうか?
600mほど稜線を歩き、神明入(里山民家)方面へ下ります。
稜線を歩き通してもよいのですが… 狭山丘陵は谷地に寄り道したほうが、楽しいですよ!

里山民家に到着。

江戸中後期の狭山丘陵周辺の民家を、復元した施設です。
里山民家周辺の詳細は野山北・六道山公園・里山民家〜展望台へ、プチトレッキングをどうぞ!

民家内も見学可能。囲炉裏もあり、一見の価値があります。

里山民家北の谷地を抜け、六道山公園へ向かいます。

稜線の道を西へ。武蔵村山から瑞穂町へと移ります。


ニガナ、タツナミソウと、里山らしい花も咲く道を漫歩します。

ほどなく林道のゲートに到着。

六道山公園の一角に到着。草地にはベンチ、まさにピクニック気分な心地良い場所です。

六道山公園のシンボル、展望台。

今回は霞んで、展望はイマイチでしたが…

視界が効けば富士山や丹沢も望めます。

展望を満喫したら、舗装道路を西へ進みます。この道は意外と車も走り、要注意です。

「出会いの辻」を経て富士見台広場へ。ここも意外と穴場かも?

富士見台広場から瑞穂町の市街地へ下ります。何本か道がありますが、夕日台展望広場経由がオススメです。

夕日台展望台は、富士山や大岳山などが一望。

横田基地も近く、離着陸する飛行機も行き交えます。

どこか懐かしい道を下り、青梅街道(都道5号)へ。
街道沿いの「石畑」バス停から青梅駅方面、または「石畑駐在所」バス停から立川駅方面へのバスで帰路に就きます。
インフォメーション
マップ
立川バス・都営バス横田バス停 …〈20分〉… 冒険の森 …〈30分〉… インフォメーションセンター …〈45分〉… 里山民家 …〈20分〉… 六道山公園 …〈15分〉… 立川バス石畑駐在所バス停・都営バス石畑バス停
ー計2時間10分ー
※横田バス停・石畑バス停とも、立川駅・東青梅駅よりバスが発着
コースの状況
- 都立公園として整備した、比較的なだらかなコース。
- トイレは、冒険の森、インフォメーションセンター、赤坂谷地、里山民家、六道山公園等に設置。