音楽家 金井隆之さん|もっと自由に、もっと深く!青梅で歌い奏でる必然

東京・青梅へ移住した音楽家・金井隆之さん。
自然や歴史的建造物を「舞台」に、新たな音楽表現を模索します。
青梅の魅力を活かした、音楽ワークショップも開催。
世に埋もれた古楽器や民謡を再発見する音楽活動も展開します。

豊かな自然と歴史ある町で考える、音楽の可能性

楽器に埋もれた6畳から、青梅へ移住

多摩川の清流と山々、歴史ある宿場町、東京・青梅。
音楽家・金井隆之さんは、この街に拠点を移し「音楽のあり方」を模索しています。

青梅市 下奥多摩橋からの大岳山

移住のきっかけは… コロナ禍中でたまたま訪れた、多摩川の畔。ぼーっと川を眺め
「ここなら音楽の可能性が広がるかも」
と直感したとか。

青梅市 御岳渓谷

もっとも、そんな浮世離れした理由だけではなく…
当時の都心では、6畳間の小さなマンションに。ギターやチェンバロをなど楽器に埋もれ、寝る場所にも苦労していたそうです。
最近は少し価格も上昇気味ですが… 都心と比べれば、マンションはビックリ格安価格。
まずはゆっくり眠れる家をゲットしました。

歴史ある街は、音楽の舞台?

平安時代創建の寺院も残る、青梅。鎌倉仏教の流れを汲む寺も多く、江戸時代は織物、石灰採掘の町として栄えます。

青梅 津雲邸

歴史ある青梅に移住した金井さん。豊かな自然と共に、歴史的建造物にも目を張ります。
金井さんは、声楽家にしてギタリスト。その他、古楽器奏者として、17〜18世紀の西洋古楽と日本古謡の演奏も行います。

金井隆之 マンドーラの演奏

楽器や音楽の形式は、歴史の中で多様です。たとえばギターの弦の数ひとつとっても、時代によって異なりますが… 歴史に埋もれた楽器もまた多い。
音楽が理論的・システマチックになり、集約されたのでしょう。

青梅 津雲邸

もし、歴史的建造物で「歴史に埋もれた楽器」を弾いたらどうなるか?
戦前の建築物で、戦前の民謡や音楽作品を歌ったらどうか?
古楽器・日本古謡演奏家としての金井さんは、自らに問いかけます。

津雲邸での演奏
© 2025 musicotta

コンサートホールなどを想定した現代の楽器。
それとは違うアプローチ・空間で、古楽器を弾く試みです。
「集約」から過去を見つめ、発見する音楽の旅でしょうか?

津雲邸でのMusikvogel

演奏会だけではなく、Musikvogel(ムジークフォーゲル)と呼ばれる、合唱のワークショップも開催。
青梅市の文化事業として、国指定 有形文化財・津雲邸で行われました。

津雲邸の詳細は【国指定 有形文化財】青梅・津雲邸 〜和と洋の昭和建築を訪ねる〜をどうぞ。

森と音楽を楽しむ、ツーリズム

歴史と並ぶ、青梅の魅力は「豊かな自然」。貴重な丘陵が、駅から徒歩圏内にあるのも特徴です。

青梅・永山丘陵の紅葉

2025年のムジークフォーゲルでは、津雲邸から近くの永山丘陵へ移動し、自然の中でも音楽を楽しみました。
いわば、森と音楽を楽しむ、ツーリズム!

森を案内するのは、神棒尚之さん。林業を営む森の専門家です。
神棒さんの話がまた面白い。木の幹についた爪痕から、動物の生態などを解説したりと、座学では体験できない話が満載です!

青梅・永山丘陵 風の子・太陽の子広場

尾根を越え、2025年にリニューアルした永山丘陵・風の子・太陽の子広場に到着。
沢の源流にある、自然体験施設です。

2025年に完成した野外ステージ。木の屋根の下、独特の反響の中で合唱します。

森の中での演奏。
瀬音、風の音、鳥のさえずり… 自然に組み込まれ、音楽はその一部となります。
コンサートホールでに演奏のように「それ自体が完成した」音楽も良いけれど…

森での演奏は「環境も音楽の一部」であり「音楽も環境の一部」。
どこまで世界(環境)に委ねるか、どこまで世界(環境)へ介入するか。

青梅 永山丘陵

正解があるのか分からないけれど、それを試行錯誤できるのが青梅という町。
金井さんにとって、青梅は「表現の場」でもありますが。
それ以上に「音楽を考える場」なのかもしれません。

インフォメーション

金井隆之さんのプロフィール

東京都を中心に活動する声楽家/ギタリスト。
1600年頃に倣った古楽器弾き歌い、黎明期の日本歌曲再発掘、各地の民謡編曲・演奏、インスタレーション創作、映像/舞台作品の作曲など、横断的な活動を展開する。
アコースティック・デュオ「ゆるアコ」として3331千代田芸術祭2014渋谷毅賞受賞。
古楽器デュオ「Duo Rurie」として「演奏家の船出応援コンサート」2019年度グランプリ受賞。
音楽団体incontro、Mozart Academy Tokyo等メンバー。
青梅幼稚園「森の音楽家」。musicotta代表。
日比谷高校、国立音楽大学卒業。東邦音楽大学総合芸術研究所修了。


金井隆之公式WEBサイトより引用

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