自然豊かな東京・西多摩エリア。
自治体により財政は様々ですが、市町村長の報酬はどの程度でしょうか?
中央線沿線の区市とも比較、住民の収入との相関性も考察します。
西多摩エリアの首長報酬と財政力 住民収入との格差や、都市部との比較
区市町村長の平均月収はどれくらい?
西多摩エリアの首長(市町村長)はどの程度の月給なのでしょうか?
参考までに、中央線沿線の区市をもピックアップし、比較しました。

総じて都市部が高い結果に。中野区長は、日の出町町の2倍弱とかなりの格差があります。
人口が多ければ行政も複雑でしょうが… これほど差があるのはちょっとビックリです。

西多摩エリアでは青梅市長がもっとも高く、郡部の町村長が低い結果に。こちらも結構、差があります。
青梅、福生、あきる野以外は月給80万円以下。責任の割に意外と少ない気もします。
年間報酬と財政力を比較すると
民間と比べ安定した賞与(期末手当)といわれる公務員。特別職の首長も例外ではありません。
各自治体の公表データを元に年間報酬を推定しましょう。
基本、令和6年(2024年)公表のデータですが… 日の出町、奥多摩町はデータが見当たらず令和5年度の推定報酬です。

グラフの赤い線は「財政力指数」。数字が大きいほど健全です。
1.0を上回れば地方交付税交付金を受け取らない超健全財政とされます。
推定年間報酬は月収とほぼ近しい傾向です。中野・杉並は2,000万円以上。給与所得のみでも確定申告が必要な高収入です。

全国でも指折りの健全財政の武蔵野が、財政の乏しい区部よりも報酬が少ないのが不思議?
西多摩では財政の豊かな瑞穂町が、中野の7割強。中野が高すぎるのか、瑞穂が安すぎるのか…
結論、財政と首長も報酬は相関関係がありません!
総じて都市部は、多摩地方の方が財政が豊かですが、首長の収入は少なめ。ある意味「多摩格差あ」ですが… 区部が高すぎるのかも?
住民の年間年収と比較すると
首長と住民の年収を比較しましょう。
住民としては、自分と比較して首長の報酬が法外に多いのは、良い気分ではないかと。
他の自治体と比べ、どのような傾向でしょうか?
住民の年収は、課税所得(株の配当等も含む)を納税者数で割った数値です。基礎控除の有無等、実際の所得とも違い、参考程度です。

縦軸が首長の推定報酬、横軸が住民の年収です。赤い線(トレンドライン)より上ならば、住民に比べ、首長の報酬が高めとなります。
「住民が納得できる報酬」という意味ならば、赤線以下が妥当でしょうか。
中野、青梅は首長の報酬が高め。まあ、それに見合う成果があれば良いのですが、数値的にはお高めです。
西多摩の山間部はと武蔵野市は、安めの傾向。市民の年収が多い武蔵野は、かなり安めかと。

サンプル数は少ないものの、今回のデータを分析すると…
首長と住民の収入は相関性があります。(相関関数0.77=強い相関関係)
結果的に、住民感情を配慮した金額でしょうか?
反面、自治体の財政とはほぼ無関係です。
他の自治体と比較しつつ、西多摩エリアの首長報酬をみましたが…
データを見る限り、都区内と比べ金額は低め、住民の経済力とも比較的、整合性が取れているです。
※冒頭の女性写真は、画像生成AIで作成した架空の画像です。
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参考文献
- 総務省 令和6年度 地方公共団体別給与等の比較
- 総務省 令和6年度 市町村税課税状況等の調